火山の絶景と神話の地を歩く霧島登山

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車で移動して高千穂峰へ

韓国岳登山口から車で40分ほどで、高千穂河原に到着。ビジターセンターや茶屋、カフェがあり、茶屋で早めのお昼ごはんをとりました。

高千穂河原 茶屋の肉うどん
肉うどん

高千穂峰は古事記などに書かれる「天孫(てんそん)降臨」の地、そして坂本龍馬が新婚旅行で登ったといわれる山です。山頂には天孫降臨にまつわるモニュメントがあるそうなので、楽しみです。

高千穂河原 駐車場のそばにある鳥居
鳥居

10時50分ごろ、駐車場のそばにある鳥居をくぐり、登山を開始しました。鳥居からまっすぐ進むと、霧島神宮古宮址にたどり着きました。

霧島山の麓に、霧島神宮という高千穂に降臨したニニギノミコトを祭る神社がありますが、最初は高千穂峰と御鉢の間に鎮座していたそうです。しかし噴火で焼失し、950年、この霧島神宮古宮址がある高千穂河原に再興されました。その後、1234年の噴火で再度焼失し、現在の地に移っています。

霧島神宮古宮址
霧島神宮古宮址

霧島神宮古宮址を通り過ぎると、樹林帯の整った道になります。ミヤマキリシマが咲き始めていました。

ミヤマキリシマ
ミヤマキリシマ

25分くらい歩くと砂利と岩の登道が現われます。しかも直登です。

高千穂峰 砂利と岩の登道
砂利と岩の登道

砂利に足をとられるためなかなか大変な登りですが、坂本龍馬もこの道を登ったのか、と思うと、楽しくなります。

高千穂峰 急な斜面
急な斜面を直登する

登り切ると、すぐに火口が現われました。登山口から約1時間ほどで御鉢に着きました。

高千穂峰 御鉢
御鉢

火口の縁を歩いて、奥にある高千穂峰に向かいます。

御鉢から見る高千穂峰
御鉢から見る高千穂峰

御鉢と高千穂峰の間に霧島神宮元宮がありました。大昔には霧島神宮があった場所です。

霧島神宮元宮
霧島神宮元宮
霧島神宮元宮之記
霧島神宮元宮之記

ここから、高千穂峰への登りが始まります。御鉢に向かう道よりも急で、かつ滑りやすく、注意が必要です。

高千穂峰への道
高千穂峰への道

20分ほど登り続け、高千穂峰の山頂に到着しました!

高千穂峰山頂
高千穂峰山頂

山頂には、「天逆鉾」が刺さっていました。ニニギノミコトが天孫降臨の際に突き刺したと伝わっています。

坂本龍馬が高千穂峰を訪れた際には、天逆鉾を引き抜いたという記録も残っているそうです。

高千穂峰 天逆鉾
天逆鉾

山頂で少し休憩をとった後、高千穂河原まで下り、ビジターセンターに寄りました。韓国岳も高千穂峰も、ビジターセンターの展示物や映像、そしてグッズが充実しています。

夜は宿泊先の宮崎県都城市にて、郷土料理である鳥刺しや焼酎など、下山メシを堪能しました!

鳥刺し
鳥刺し

霧島山は神話や歴史にまつわるエピソードがとてもおもしろく、記憶に残る山となりました。

(山行日程=2025年4月30日)

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 3時間25分
行程:高千穂河原・・・御鉢火口縁・・・背門丘・・・高千穂峰・・・背門丘・・・御鉢火口縁・・・高千穂河原
総歩行距離:約5,300m
累積標高差:上り 約673m 下り 約673m
コース定数:15

関連リンク

なお(読者レポーター)

なお(読者レポーター)

神奈川県藤沢市を拠点に、夏はアルプス、秋〜春は関東近郊や九州の山に夫婦で登っています。特に北アルプスと伊豆が好きです。

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この記事に登場する山

宮崎県 鹿児島県 / 九州南部

霧島山・韓国岳 標高 1,700m

 鹿児島・宮崎両県にまたがり、霧島火山群の最高峰。コニーデ火山である。山頂には直径900m、深さ279mの大きな火口があるが、火口壁の北西部が爆発の際崩壊し、火口湖はない。地図上では馬蹄形をなし、最高点は壁の南端にある。  韓国岳の名の由来は、古事記に「韓国に向ひ笠沙の御前を真来通りて…」とあり、遠くに韓国を見ることができるということから、つけられたといわれる。  硫黄山の西山麓えびの高原の北面は高原状で、一帯には不動池、六観音池、白紫池などの湖や、白鳥山、甑岳が並ぶ。  周囲を巡る自然深勝路も拓かれ、散策にも最適。アカマツやカエデ、ナラの自然林や甑岳東面のモミ、ツガ、アカマツの原生林は約30万haにわたって、国の天然記念物にも指定されたほど。学術的な価値も高い。  また、硫黄山からえびの高原へ流れる小川の水は温かく、夏は天然の露天風呂に早変わりする。周囲にはキャンプ場やレクリエーション施設も整い、キャンパーやハイカーに人気が高い。  東部の火口は琵琶池となり、直径約400m、東半分は水深2mと浅く渇水期には干上がる。山体は輝石安山岩の溶岩からなり、付近には凝灰角礫岩が分布する。  山麓はモミ、ツガ、アカマツなどの針葉樹のほか、落葉樹を含む混交林で、南九州唯一の紅葉景観が広がる。中腹以上はススキ、ミヤマキリシマの群落、ヤシャブシ、ウツギなどの灌木林や草原を形成する。展望は抜群、南に高千穂峰を含み、さながらクレーターを散りばめた月の表面を思わせる。奥には錦江湾に浮かぶ桜島、高隈山地、開聞岳、東に宮崎市、北に熊本県境、さらに九州山地南部の山々と飽くことはない。  登山口えびの高原は、ススキの穂や茎が、硫黄山の亜硫酸ガスで赤褐色に変色し、「海老」をゆでたような色に見えるため、この名が付いたという。  登山道は、えびの側からが硫黄山を経て1時間30分。大浪登山口からは霧島全山が見渡せる大浪火口壁最高点を経て2時間強。なお韓国、大浪池鞍部からえびの高原までは2時間30分。このコースは、野鳥のさえずりを聞きながらたどる樹間のプロムナードだ。えびの高原に点在する池巡りは2時間30分ほど。なかでも冬季に結氷する白紫池は、天然のスケートリンクとして有名だ。不動池から甑岳への往復は1時間30分。 <火山情報>  霧島山群は火山帯であり、北西部には寄生火山である硫黄山、南には新燃岳、御鉢があり、2000年代に入っても活発な活動が見られる。

宮崎県 / 九州南部 霧島連峰

霧島山・高千穂峰 標高 1,573m

 高千穂峰は霧島火山群の東端にあって、盟主のように美しく、気高い山容。所在は宮崎県内の都城市、西諸県郡高原町(たかはるちょう)の境界にある。西山腹にくっついた格好の御鉢は火口部分から西が鹿児島県で、姶良郡霧島町(現・霧島市)内にある。御鉢の北面は小林市に含まれる。  秀麗な姿の高千穂峰は、東に二子石、西に御鉢を山腹で合体させ、三角錐の山頂に「天の逆鉾」が天から突き刺さった形で立っており、長さ140cmの柄の部分には2つの人面が鋳造されている。山頂小屋は石橋老人の経営で、親子2代で登山者の世話をしている。  御鉢の火口縁の一部は「馬ノ背」と呼ばれ、坂本龍馬がお龍さんと山頂を目指したが、そこから引き返したという伝説がある。  二子石は実は3つの巌頭だが、ふもとから仰ぐと、2つにしか見えないところからそう呼ばれる。  東山麓には、御池、小池、霧島東神社(秡川)、狭野神社、皇子原がある。皇子原にはレジャー施設が整備されつつある。西山麓には高千穂河原の諸施設やキャンプ場がある。  登山道は東西南北からあり、山頂まで2~3時間。ミヤマキリシマの鑑賞は御鉢西斜面が最適。 <火山情報>  霧島山群は火山帯であり、北西部には寄生火山である硫黄山、南には新燃岳、御鉢があり、2000年代に入っても活発な活動が見られる。

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