ルポ・奥多摩前衛の里山で、知られざる巨木と廃線跡に出合う。南沢あじさい山から勝峰山へ
梅雨入りの便りが迫る週末、アジサイの開花状況を見に、東京西部・あきる野市にある南沢あじさい山へ。さらに勝峰山(かつぼうやま)までつないで歩いたところ、予想外に数々の発見があった。
写真・文=中島タツヤ、トップ写真=巨樹が立ち並ぶ勝峰山山頂
熟達者向けの尾根で、道を間違える
集落を突っ切り、日の出町とあきる野市の境から尾根に取り付く。幸神尾根という名のようだが、さちかみ、さじかみ、こうじんと、読み方はいろいろありそうだ。ただ付近に幸神(さじかみ)神社があることから、「さじかみおね」だろうか。いきなりの急登で、踏み跡はあるがそこまで明瞭ではない。先ほどの金比羅山の道とは雰囲気が違う。ルートファインディングを要する熟達者向けの道だと察知し、心のスイッチを切り替える。
ようやく、地蔵山(じぞうやま)の看板のある小さなピークへ。展望はなく、かたわらには小さなお地蔵様があった。
そして小休止して出発した後、軽いアクシデントが発生した。地蔵山から、そのまま山頂の反対側に向かって下り始めたのが、間違いであった。手も使って足の運びにかなり注意を要するほどの急斜面。すぐにおかしいと気づいて、山頂に戻る。踏み跡があったので、自然に誘導されてしまったのだが、正しい道筋は全然違う方向であった。
正しい道筋は、上写真の右下にある倒木をまたいだ方向だったのだ。倒木がある=歩けない、というバイアスも働いていたかもしれない。この倒木の先には、明瞭な道が続いていた。
気を取り直して歩きだし、巨木が立ち並ぶ「ためぐそ山」を過ぎて草かぶりの激しい箇所を抜けると、突如あずまやが現われた。草木に囲われており、あまり使われていない印象である。あずまやから先、気持ちのよい尾根上の道をたどって深沢山へ向かう。
この記事に登場する山
都市近郊の自然探索ハイキング
都市近郊の里山を歩いていると、道や分岐が結構多く、また小さな尾根を隔てて風景がガラッと変わることもあっておもしろい。この道はどこにつながっているのだろう?また、どんな景色が広がっているのだろう?まだ見ぬトレイルや風景を求めて、都市近郊の自然探索へ
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