汗で背中が濡れてしまう手持ちのザックを魔改造。モンベル「V.B.Pバックパネル」を使ってみた

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いつもは登山の様子を紹介している読者レポートですが、今回はギア編。東武さんが梅雨の合間を縫って高尾山〜陣馬山縦走で試したのは、モンベルのアイデア商品「V.B.P.バックパネル」。「V.B.P.」とは、「ベンチレーションバックパネル」のことで、背中に密着する普通のバックパックに装着すれば、背面に風が通る背面通気型のバックパックに変身するというアイデア商品です。その使い勝手や効果はいかに?

文・写真=東 武

アルチプラノ パック30に装着。いざ高尾山へ

登山をしているとどうしても、背中に汗をかいて不快なときがあります。モンベルの「V.B.Pバックパネル」はそんな不快感を解消してくれるギアとのこと。ザックに装着することで背中の間に空間をあけ、風が通るようになるのだとか。

実際に使って確かめてみました。

モンベル「V.B.Pバックパネル」
全体はしっかりしたフレームで、背中にあたる部分はメッシュ
モンベル「V.B.Pバックパネル」
シンプルで軽量なモンベルのアルチプラノ パック30に装着

モンベルのアルチプラノ パック30に装着します。装着は非常に簡単です。上部1つ、下部2つの合わせて3つの箇所を固定するだけ。

モンベル「V.B.Pバックパネル」
上部分は1箇所でショルダーハーネスを固定
モンベル「V.B.Pバックパネル」
下部分はヒップベルトを通して固定。ヒップベルトは左右二カ所で同じように通す
モンベル「V.B.Pバックパネル」
取りつけるとこのような状態になります

実際に背負って歩くとどうなのか? 陣馬山から高尾山まで、歩行距離およそ20kmの縦走でテストしました。

結論から書くと、背中とザックの隙間に風が通り抜けて、まったくといっていいほど蒸れを感じませんでした。

モンベル「V.B.Pバックパネル」
ザックと背中の間にバックパネルを配置すると、隙間が生まれる

休憩の時にザック背負い直すと、普通なら背中とザックが密着するので汗の冷たい不快感がありますが、このVBPバックパネルを装着していると背中が密着しないので、ほとんど冷たさを感じません。メッシュ部分は背中に当たるので多少の冷たさはありますが、汗の感じ方が大きく変わります。

モンベル「V.B.Pバックパネル」
ザックとパネルに隙間があるおかげで、汗の冷たさも感じにくくなる

汗処理だけではない、V.B.Pバックパネルのメリット

魅力は汗の冷たさや蒸れの軽減だけではありませんでした。背中側にフレームのないウルトラライト系のザックは、雑にパッキングすると背中に荷物の当たる感覚があります(ちゃんとパッキングすればいいのでしょうが……)。

ところがV.B.Pバックパネルを装着すると、しっかりとしたフレームを背負う状態になるので、背中に掛かる圧が分散されます。背負ったときの安定感が増すからか、普段よりも歩きやすいと感じました。

モンベル「V.B.Pバックパネル」
いつもは立たないバックパックが自立した!

さらに、ベンチにザックを置いた時もフレームが支えになるので倒れないという思わぬメリットも。

一日歩いた後も、ショルダーハーネスは汗で濡れていますが、ザックの背中部分はまったく濡れていませんでした。

モンベル「V.B.Pバックパネル」
ショルダーハーネスが汗でびっしょりだが、メッシュパネルはさらっとしている

背中と接するメッシュパネルは汗で濡れますが、すぐに乾きました。

重さも298gで、装着してもほとんど重さを感じません。行動中にズレたり外れたりもせず、非常に安定感があります。これで税込4,400円とのことですが、値段以上の価値を感じました。一度使ってしまったら、もうこれなしで歩くのは考えられないくらい、夏に向けて非常に便利なギアでした。

(山行日程=2025年6月12日)

東武さんの満足度は非常に高かったようですね。最近のバックパックにはシンプルで軽量なモデルも増えてきていますが、背負い心地や背中の汗濡れが気になる人も多いのでは。そんな人はお気に入りのバックパックにこうしたオプションをつけてみるのも一案です。なお、6月17日時点でモンベルのオンラインストアではすでに完売となっているので、近くのモンベルショップをのぞいてみましょう。

紹介したアイテム

モンベル
V.B.P.バックパネル

モンベル「V.B.P.バックパネル」
価格 4,400円
重量 298g
素材 210デニール・バリスティックナイロン、メッシュ、スチールフレーム
ブラック
背面寸法 45cm
対応モデル 背面長45〜53cmの20〜30Lのバックパック(目安)
詳細を見る
東 武(読者レポーター)

東 武(読者レポーター)

晴れた日は山に出没し雨の日には本を読む、そんな暮らしにあこがれる文系山男。文学サークル・ペンシルビバップを主宰している。山と文学と相模原市を愛してやまない。

この記事に登場する山

東京都 / 奥多摩

高尾山 標高 599m

 関東の三霊山の1つ、薬王院有喜寺がある。天平16年(744)奈良期の高僧行基が開山したと伝えられている。高尾山頂は有喜寺からさらに登った所にある。山頂の三角点のかたわらに十三州見晴台の標識がある。  山麓には高尾自然科学博物館があり、山中の動植物の標本の展示がある。また山頂に向かうケーブルカーとリフトがあるが、低い山なので歩いて登りたい。1号から6号の自然歩道があり、山の自然を観察することができる。山頂から冬の晴れた日には相模湾に浮かぶ江ノ島まで見渡すことができる。  山頂から西に山稜をたどり、一丁平、城山、小仏峠を経て景信山、陣馬山へと足を延ばす登山者が多い。高尾山一帯は有喜寺の境内だが、開発で一部の自然が破壊されつつある。  高尾山口駅から薬王院有喜寺―高尾山―城山―小仏峠を経由して高尾駅まで約4時間。

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