アルプスに向けて武奈ヶ岳でトレーニング山行

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読者レポーターより登山レポをお届けします。yamatsuzukiさんは武奈ヶ岳(ぶながたけ、1214m)へ。

文・写真=yamatsuzuki


この時期の低山は暑すぎて敬遠していましたが、夏のアルプスに向けて体を暑さに慣らそうと山行計画をたてました。梅雨の低山はヤマビルが恐ろしい……。そこで、鈴鹿山脈はヤマビルが多いので、ヤマビルが少ない比良山系の武奈ヶ岳にしました。武奈ヶ岳は、自宅からのアクセスもよく、天気がよければ景色もいい山です。当日はジメジメした天気でしたが、久しぶりの武奈ヶ岳へ!

7時過ぎに御殿山(ごてんやま)コースの駐車場へ到着。この日は曇りの天気予報だったからか、駐車場には余裕がありました。登山口の手前にきれいなトイレもあるので安心です。

登山口の標識
登山口の標識

気温は29℃で思っていたより涼しくスタート。しかし初めからしっかり登るので体が慣れるまではきつく感じます。ルートは歩きやすく、つづら折りで少しずつ標高を上げていきます。

汗はしっかりかきましたが、樹林帯でも比較的風が抜けるので気持ちよく歩けます。また、恐れていたヤマビルも現われませんでした。

前半の樹林帯
前半の樹林帯
分岐の標識
分岐には標識があり、わかりやすい

途中の御殿山までは平坦なルートは少なく登り続けます。水分補給を定期的に行ないながら登ります。途中でどんどんガスが上がってきて展望はありません。今日は目的が展望以外にあるからと割り切って歩きます。風が吹くと気持ちよいですが、湿度が高く汗だくです……。 景色がないので自然と植物に目がいきます。前半は見なかったコアジサイやヤマボウシが標高1000mくらいからきれいに咲いていました。

コアジサイ
コアジサイがきれいに咲いていました
ヤマボウシ
ヤマボウシもたくさん咲いていました

御殿山で少し長めの休憩をして、武奈ヶ岳をめざします。しかし、ガスで景色はありません。久しぶりのガスガス山行だな~と思いながら山頂へ。

ガスに包まれた景色
ガスで景色は見えません
ガスに包まれた登山道
本当は山頂までの稜線がきれいに見えるはず……

稜線に出ると風が強くてさらに涼しい。途中からは汗冷え対策のレイヤリング調整が必要でした。山は臨機応変だな~。山頂は半袖では寒くなる状況でした。雲が切れるのを待ちながら休憩。しかし、まったくガスが抜ける気配がないので、体が冷える前に下山スタート。今回はピストンなので往路を戻ります。

ガスに包まれた山頂
山頂もしっかりガスガスです……

僕は山に入ると元気になります。五感の開放というか、全身の感受性が高まると感じていて、ハードな山行でもガスガスの山行でも得られる感覚はたくさんあって、その感覚が大好きですべての山行が次の山行に繋がっていると感じています。

武奈ヶ岳は晴れていると非常にすばらしい景色が見られます。今回は景色を楽しむことはできませんでしたが、ルートを気持ちよく歩いてしっかり汗をかき、下山時の疲労感よりも次の山行への期待も含めて充実感の方が高かったです。

(山行日程=2025年6月22日)

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 4時間30分
行程:坊村・・・御殿山・・・武奈ヶ岳・・・御殿山・・・坊村
総歩行距離:約8,400m
累積標高差:上り 約1,1780m 下り 約1,178m
コース定数:23
yamatsuzuki(読者レポーター)

yamatsuzuki(読者レポーター)

2022年に初めての槍ヶ岳登山で、全身の細胞が震える感動とエネルギーが沸き起こる体験をして以来、山にどっぷりはまっています。細胞レベルのわっくわく!!を感じながら山を楽しんでいます。

この記事に登場する山

滋賀県 / 琵琶湖周辺

武奈ヶ岳 標高 1,214m

 琵琶湖西岸に連なる比良山地の最高峰・武奈ヶ岳は、美しい山容、展望のよさなどから、多くの岳人に愛されている山である。しかし山の姿は、山麓からでは前山に隠れて望めない。ひときわ高くとがった山容が見えるのは、滋賀県高島郡安曇川町辺りからであろう。  武奈ヶ岳の山名は、近くのコヤマノ岳にブナ林があるように、昔は山頂からコヤマノ岳にかけてブナ林があったことから名付けられたのだと考えられる。  山頂からの展望は、鈴鹿の山々、伊吹山、遠く白山、御岳山、乗鞍岳まで望め、眼下には琵琶湖が広がる。武奈ヶ岳を中心にした比良山地の縦走コースは南の蓬莱山からリトル比良方面、ツルベ岳の北稜と、さまざまなコースが選べる。道は整備されて歩きやすい。また、山頂へ至る登山道沿いにはブナ林や滝、湿原が続き、変化に富んだ山歩きが楽しめるだろう。  2004年に比良登山リフト、比良ロープウェイが廃止になっており、短時間での山行は難しくなっている。

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