池に映る火打山とワタスゲの群落を楽しんだ日帰り山行

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読者レポーターより登山レポをお届けします。Jimny-Hikerさんは新潟県の火打山(ひうちやま、2462m)へ。池塘ではワタスゲが見頃だったそうです。

文・写真=Jimny-Hiker


台風5号の影響で、東海から東北にかけ荒れた天気ですが、北陸から新潟の日本海側は天気がよさそう。連休の翌日はもっと荒れそうな予報。テント泊に行きたいところですが、難しい。

天気図と気象情報サイトで山を検討し、7月14日に日帰りで10年ぶりに火打山へ向かうことにしました。火打山は妙高(みょうこう)連峰頸城(くびき)山塊の最高峰であり、日本百名山に数えられる一峰です。

埼玉の自宅から下道で5時間半。途中食事や休憩挟みながら笹ヶ峰(ささがみね)の駐車場へ。妙高杉の原スキー場から先の林道は道幅が狭いので、すれ違いには注意が必要です。駐車場はトイレが完備。翌朝に向け車中泊します。

火打山 笹ヶ峰登山口からしばらくは緩やかな木道歩きが続く

4時に起床、日の出の4時半に駐車場をスタート。しばらく緩やかな木道を歩きが続きます。ブナ緑が美しい。

火打山 黒川の流れが涼し

下界は猛暑。黒川の流れが涼しい。

ギンリョウソウ
コケイラン

森の中にはギンリョウソウ、コケイランなどが見られます。

火打山 黒川を過ぎると十二曲りの急登が続く

黒川を過ぎると十二曲りの急登が続きます。

キヌガサソウ

標高を上げてゆくと大輪キヌガサソウがお出迎え。

サンカヨウ

サンカヨウやゴゼンタチバナなど、亜高山帯の花が楽しませてくれます。

火打山・影火打・焼山を望む

シラビソの長い樹林帯を抜けると展望が開け、火打山・影火打・焼山(やけやま)が。樹林帯から見上げる南の空は曇りがちでしたが、北側は快晴でした。天気の読みが大当たりです。

白馬三山を望む

北アルプス・白馬三山もすばらしい快晴。翌日も晴れならテント泊縦走で予定していました。

火打山 高谷池ヒュッテ

高谷池(こうやいけ)ヒュッテに到着。平日なので静かです。

打山 高谷池ヒュッテのテント場からの絶景

テント場からの絶景。テントが数張、羨ましい。

火打山 池塘

池塘がとても美しい。

火打山 池塘の奥に槍ヶ岳が見える

池塘の奥に槍ヶ岳が見えます。

火打山 高谷池手前の残雪

高谷池の手前は残雪がまだありますが、軽アイゼンやチェーンスパイクは不要でした。

火打山 高谷池の湖畔にハクサンコザクラの群生

池の湖畔にハクサンコザクラの群生。

イワイチョウ

イワイチョウもたくさん咲いていました。

火打山 天狗の庭

天狗の庭。

池塘と火打山

池塘と火打山。

火打山 ワタスゲのお花畑

ワタスゲがいっぱいです。

火打山 ワタスゲのお花畑

満開のワタスゲのお花畑。

火打山 ワタスゲと池塘

凪を待ちワタスゲと池塘のリフレクション。

火打山 残雪とワタスゲ、池塘

残雪とワタスゲ、池塘の火打リフレクション。山頂はほったらかしで撮影三昧です。気が付けば30分以上もうろうろしていました。

火打山
火打山から天狗の庭と高妻山を望む

せっかく登りに来たので山頂へ。天狗の庭と高妻山。

火打山から妙高山を望む

妙高山に雲がかかり始めました。

火打山

標高を上げると強風に。山頂方面も雲の流れが速い。

火打山

そうこうしているうちにあっという間にガスに覆われ……。

火打山 ガスで爆風の山頂

ガスと爆風の山頂。天気がよければ、影火打や焼山に足を延ばそうと検討していましたが、下山をすることに。残念ながらライチョウには会えませんでした。

火打山 天狗の庭

天狗の庭まで降りてくると再び展望が。

火打山から雲に覆われ見えなくなった白馬三山を望む

朝見えていた白馬三山は雲に覆われ見えなくなっていました。山の天気は難しい。

火打山 天狗の庭 花と池塘

天狗の庭で再びワタスゲ撮影。

火打山 天狗の庭 花と池塘

山頂は雲の流れが速く、朝と違った雰囲気を見せてくれます。

火打山 天狗の庭 花と池塘
火打山 天狗の庭 花と池塘
ワタスゲ

結局ここでも1時間近くうろうろ。花と池塘を楽しむ山旅でした。

燕温泉 黄金の湯

下山後、温泉に入りたくなり燕温泉・黄金の湯まで足を延ばしました。ここへ来るのも11年ぶり。いまだ無料で、変わらず、すばらしいお湯でした。

(山行日程=2025年7月14日)

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 9時間10分
行程:笹ヶ峰・・・黒沢橋・・・富士見平・・・高谷池ヒュッテ・・・天狗の庭・・・ライチョウ平・・・火打山/往復
総歩行距離:約16,400m
累積標高差:上り 約1,359m 下り 約1,359m
コース定数:36
Jimny-Hiker(読者レポーター)

Jimny-Hiker(読者レポーター)

四季を問わず山と撮影を楽しむハイカー。

この記事に登場する山

新潟県 / 妙高山とその周辺

火打山 標高 2,462m

 妙高戸隠連山国立公園に属している「頸城三山」の最高峰である。活火山の焼山とコニーデ型の妙高山に挟まれているので、山名が示すように、かつては同系の火山と思われていたが、山体の基盤は新第3紀層の堆積岩と迸入したひん岩で、海生動物類の化石も発見されている。  江戸時代の『越後野志』に、「難波山の南、妙高山の北にて両山の中間に在り、数峰の嶮巌並び列れり、宛も燧石を並べ立つるが如し、故に名付くと云う」との記述がある。昭和30年代に山頂の三角点標石を立て替えた際に、鎌倉時代の作と見られる銅製の十一面観音懸仏が2体発掘されたというから、遠い昔には信仰登山が行われていたのであろう。  妙高山の賑わいに比べると登山者は少ないが、ヒュッテがある高谷池(こうやいけ)周辺の標高2000mを超える高層湿原は植生が多彩で、北アルプスの白馬岳周辺を除けば新潟県内で唯一のライチョウ生息地でもある。  笹ヶ峰の国民休暇村から富士見平経由の南面コース(笹ヶ峰から4時間30分で山頂)が一般に利用されているが、北東面の矢代川流域や、能生谷の渓谷遡行、積雪期のルート開拓などを地元の山岳会が行っている。

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