ひたすら登った先に待つ絶景! 日光・男体山
ビストロきっちょむ登山隊の興津さんによる登山レポート。今回の山は、栃木県を代表する霊峰・男体山(なんたいさん、2486m)。直登が続くなかなかハードなルートの先には絶景が待っています。下山後は名湯・日光湯元温泉へ。
文・写真=興津 剛
いきなりですが、問題です! ジャジャン!
「山頂からの景色がよくて、近くに日本屈指の温泉地がある山はどこでしょうか?」
チッチッチッチ…
え? 蔵王? 蔵王の温泉もいいよねぇ。箱根? 箱根はもう関東っ子は行きつけ! 箱根は裏切らないっすねぇ。榛名山(はるなさん)? 伊香保(いかほ)温泉に草津の湯! いやぁ〜そっちも最高だなぁ。九州の阿蘇も俺は大好きだなぁ。もちろん温泉県・大分の別府や湯布院も忘れちゃいないぜ! 九州も最高だけど東北も最高だよねぇ〜。青森・八甲田(はっこうだ)の酸ヶ湯(すかゆ)温泉も、ありゃ〜広いし、味わいあったなぁ。
いやぁ〜本当に日本に温泉があって本当によかったですねぇ……。じゃ、今回はこの辺で失礼します。終わり。
って、まぁ挙げたらむっちゃあるんですが(笑)、今回行ってきたのは、日光の男体山です!
男体山の近くにある日光湯元は、日本で4番目に濃い硫黄温泉なんだって。まぁつまりは猛烈に硫黄くさい温泉ってこと! もう最高じゃないですか! やっぱり温泉は硫黄臭くないと物足りませんよね! 昔1人で北海道の大雪山に行った時に、そこで入った川の温泉が猛烈に硫黄臭くて……
って、いつも前置きが長いので、さっさとレポートに入ります(笑)。あんまり前置きが長いと怒られちゃうからね。
男体山には二荒山(ふたらさん)神社からスタートです。受付をして6時〜正午までの間に入山することができます。あの頂までは標高差1200mだぜ〜。まぁまぁ大変だぜ〜〜。
入山料1000円を払ったらいざ、入山!
男体山は、いくつかのパートにきれいに分かれた山です。最初のパートは、階段地獄。
次のパートはササ! ここ結構傾斜があるし、土がニュルニュルして滑りやすいので要注意!
第3パートは車道なので、ここで小休止。
って、油断してると、岩岩ゾーンくるーー! ここから四合目から八合目まではこんな感じの岩が続きます!
ひたすらこんな感じの岩岩を登り続けていると……
ごほうびきたーー―!!振り返ると真っ青な中禅寺湖(ちゅうぜんじこ)!
男体山は標高差1200mの登り一本勝負です! 気持ちのいい稜線とか、お花畑とか、そういうことは一切言わせない、完全なる登りハラスメント! さすが令和のコンプライアンスぎりぎりの山だぜ!
八合目を過ぎると中禅寺湖がどんどん小さくなっていきます。この辺りから登りの傾斜も穏やかになってきて、登りハラスメントも解消の予感。
ここまできたらもう勝ちましたね。はっはっは、案外余裕だぜ〜〜
って、余裕をぶっかましていたら、まさかの山頂だけ曇りにー!(笑)マジであるよね〜〜この展開!
九合目から山頂までは、急に始まる火山岩パートです。
それでも中禅寺湖だけが我々の味方で、ずっと上から見えていました。ありがとう中禅寺湖さん。
ちょっと曇ってきちゃったけど、中禅寺湖と一緒にかっこよさげに一枚!
ちょっと曇っちゃったけど、まぁまぁいいペースで無事に山頂に到着。
男体山の山頂と言ったら、この刀。なんでここに刀があるんだろう。理由はちょっと私にはわからないので、気になる方は山と溪谷オンラインまたはWikipediaかなにかで検索してください(笑)。
坂本龍馬が新婚旅行で抜いた!……のは、あれは九州の高千穂峰か(笑)。
山頂から見る中禅寺湖は本当にすばらしい。
下山したらピークハントより大切な日光湯元の温泉へ! いつも日光湯元のいちばん手前にある温泉に寄っていたんだけど、久しぶりに行ったら、閉館していた……悲し過ぎる……あそこのくっさい温泉大好きだったのに……ってことで、近くの別の温泉で硫黄泉を満喫して帰りました。
8年ぶりに登ってきた日光の男体山。潔いほどの登り一本勝負で、私は嫌いじゃないなぁ。なによりも山頂から見下ろす中禅寺湖と、降りた後の硫黄臭い温泉というごほうびが最高! 近くに観光地もたくさんあるし、泊まりでも、首都圏からは日帰りでも行けちゃう、そんないろんな味わい方があって、男体山はいいですよねぇ。これからの季節、足慣らしにぜひ登ってみてください。
(山行日程=2025年7月9日)
この記事に登場する山
プロフィール
興津 剛(おきつ・つよし)
静岡県静岡市出身。本業は登山隊の隊長。 副業はフォトグラファー、キャニオニングガイド、WEBデザイナー。2011年より山のHP「ビストロきっちょむ登山隊」を運営。最近では登山ツアーや、ポップアップカフェなど、みんなで「ワハハ!」ってできるイベントを定期的に開催中です。山に行かない日はジョギングと水泳をして、ダイエットに励む日々。今年の目標は、あと2kg痩せたい!
今がいい山、棚からひとつかみ
山はいつ訪れてもいいものですが、できるなら「旬」な時期に訪れたいもの。山の魅力を知り尽くした案内人が、今おすすめな山を本棚から探してお見せします。
こちらの連載もおすすめ
編集部おすすめ記事

- 道具・装備
- はじめての登山装備
【初心者向け】チェーンスパイクの基礎知識。軽アイゼンとの違いは? 雪山にはどこまで使える?

- 道具・装備
「ただのインナーとは違う」圧倒的な温かさと品質! 冬の低山・雪山で大活躍の最強ベースレイヤー13選

- コースガイド
- 下山メシのよろこび
丹沢・シダンゴ山でのんびり低山歩き。昭和レトロな食堂で「ザクッ、じゅわー」な定食を味わう

- コースガイド
- 読者レポート
初冬の高尾山を独り占め。のんびり低山ハイクを楽しむ

- その他
山仲間にグルメを贈ろう! 2025年のおすすめプレゼント&ギフト5選

- その他