マダニ感染症も怖いけれど、最大の敵はブユ?|アウトドアでの虫刺されに関するアンケート結果①
アウトドアには虫刺されはつきものだが、腫れ、かゆみ、痛みが続くと、せっかくの登山やキャンプが台無しになりかねない。このほど、山と溪谷オンラインではアウトドアでの虫刺されに関するアンケート調査を実施し、188人から回答が寄せられた。SFTSなどのマダニ感染症も注目されているが、より身近で被害例も多いブユに関する回答が多く寄せられた。
構成=山と溪谷オンライン 写真=PIXTA
基本データ
募集期間:2025年7月6日~2025年7月27日(オンラインアンケート)
総回答数:188
性別:男性94、女性89、回答しない5
性別
188件の回答
年代
188件の回答
登山歴
188件の回答
登山頻度
188件の回答
アウトドアで最も嫌われる虫は、しつこくかゆみが続く「ブユ」。刺された経験はやはり「カ」が最多
「アウトドアでの虫刺されについてお聞きします。いちばん嫌いな虫はどれですか?」という質問では、最も多かった回答が「ブユ(ブヨ、ブト)」(回答数53、28%)だった。ブユに続いて嫌いな虫の第2位となったのは「マダニ」(回答数35、19%)、第3位となったのが「ハチ(スズメバチなど含む)」(回答数34、18%)。以下、ヤマビル(回答数27、15%)、アブ(回答数23、12%)、カ(回答数10、5%)と続いた。
「過去に刺されたことのある虫はどれですか?(複数選択可)」という質問では「カ」(回答数164)が最多で、「嫌いな虫」で1位だった「ブユ(ブヨ、ブト)」(回答数150)は2番目だった。ブユはカに比べて腫れやかゆみなどが強いため、アウトドアファンにはより厄介な存在となっていることがデータに表われている。
一番嫌いな虫はどれですか?
188件の回答
過去に刺されたことのある虫はどれですか?
576件の回答(複数回答)
ブユはハエ目(双翅目)カ亜目ブユ科の総称で、日本にはキタオオブユ、アシマダラブユ、ニッポンヤマブユなど約60種が生息する。数ミリの小さなハエのような姿で、水辺に生息する。春・夏・秋の比較的気温の高い時期に発生し、吸血するのはメスのみ。皮膚を食い破って血を吸うため、刺された後には腫れの中心部に小さな傷が赤く残るのが特徴だ。腫れと強いかゆみがあるが、アレルギー反応で悪化してしまう人も少なくない。今回のアンケートでも、ブユに刺された後に長く苦しめられた人から体験談がいくつも寄せられた。また、長袖などでカバーしにくい顔を刺されたケースや、アームカバーの上から被害に遭ったという体験もあった。
ブユの被害体験についてのコメントを見てみよう。
- 「ブヨに刺された。刺されたときに痛みはなく、家に帰ってズボンを脱いだら無数の刺し跡と強烈なかゆみ。とりあえず家にある薬を塗り、様子見をした。1週間くらいでかゆみはひいたが、跡が残った」(40代女性)
- 「ブヨに刺され山小屋診療所で塗り薬の処置をしてもらったが、下山後顔が腫れ上がり発熱があったので翌日病院で抗生剤とステロイド軟こうをもらった。腫れは3日ほどで外出できるほどに回復したが、刺された痕は数か月残った」(60代女性)
- 「朝早く尾根を走っていたら、いったん自分を通り過ぎたブユが引き返してきてふくらはぎ下の内側を刺してきた。刺された時は激痛。その後1カ月くらいひどいかゆみ。薬をつけても治らなかった。今でも刺された痕が残っている」(50代女性)
- 「ブトに目の上を刺され、片目が開かないほど腫れた。翌日腫れが下へ下がり、下山時足元が見えない状態になり困った」(60代女性)
- 「22年7月2日の谷川岳馬蹄形縦走は、記録的な酷暑で稜線でも35℃の無風、熱中症の症状が出るほど過酷な環境だった。異常気象から蓬峠のテントサイトではトンボの発生が遅かったのか、涼しくなる夕方からブユが大量発生していた。蚊柱が立つほど密集するブユは、テン場で肌を露出している人をことごとく餌食にしていった。大量に噛まれ、たまらずテントに避難、ダブルウォール式のおかげかブユの侵入は少なく、一晩過ごすことができた。タープやツエルトでは入り放題だったかもしれない。問題は翌日だった。涼しい朝方もブユの独壇場だった。ペグを抜くため留まるだけでたかられる。ウィンブレのフードで鼻まで隠し、サングラスで目元を隠しても隙間から入られる。靴ひもなんて結ぶ余裕はまるでなかった。結局顔面含めそこら中ボコボコにされてしまい、日常生活もままならないため、結局皮膚科のお世話になった。以降、山行にはステロイド軟膏を携行し、ブユ、アブの情報がある山域に行く場合は、頭部ネットも携行している」(40代男性)
- 「ブヨにアームカバーの上から両腕あちこち刺された。家にあったかゆみ止め軟膏でしのいでいたが、元々肌が弱いこともあってか、腫れて水ぶくれのようになったりして、どんどんひどくなった。ステロイド軟膏でなんとか治したが、体液で服やシーツを汚すなど苦労したので、さっさと皮膚科に行けばよかった」(40代女性)
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