マダニ感染症も怖いけれど、最大の敵はブユ?|アウトドアでの虫刺されに関するアンケート結果①

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感染症による死亡例もあるマダニ。東日本への進出で警戒する人が増加中

ブユに続いて嫌いな虫の第2位となったのは「マダニ」(回答数35、19%)。「過去に刺されたことのある虫は?(複数選択可)」では回答数41で6位に止まったが、マダニが媒介する感染症「SFTS」(重症熱性血小板減少症候群)による死亡例などの報道が相次いだこともあり、警戒されているようだ。

マダニが媒介する感染症は日本紅斑熱やライム病などいくつかあるが、ウイルスを保有するマダニに刺されることで感染するSFTSは重症化すると死に至ることもある。これまでは西日本を中心に発生例が報告されてきたが、今年7月には関東で初めて神奈川県で発生。前月には静岡県で死亡事例が報告されており、発生地域が拡大していることがわかっている。このウイルスに有効なワクチンはなく、発症した場合は抗ウイルス薬の投与が行なわれるが、高齢者などを中心に重症化するケースもあるので注意が必要だ。

マダニの写真

アンケートの回答に寄せられたマダニの被害事例を見てみよう。

  • 「マダニに刺されました。石割山に登った際、一瞬だけ草むらに入った時に刺されたようです。刺されたことに気が付いたのは3日後。脇腹にイボができたと勘違いし、皮膚科を受診したらマダニだと判明。刺された時の痛み、かゆみはまったくなかったです。皮膚を切開して除去してもらいました。その後2週間は様子を見ましたが、重症化はしなくて安心しました」(50代女性)
  • 「ヤブこぎを伴う山行から帰ったら腹部をマダニに刺されていた。翌日皮膚科受診し、皮膚ごと切り取られた後縫合4針、抗生物質ミノマイシン内服処方」(60代女性)
  • 「半袖でヤブこぎした2日後、風呂で左腕にカサブタがあり、ひっかいたら外れた。もしやと思いカサブタを拾い上げると、足が生えていてダニと判定。ダニの口が皮膚にくい込んでいた。翌日の治療まで待てないので自分で掘り出した。幸い後遺症なし」(70代以上男性)
  • 「太もも裏をマダニに噛まれました。家族に指摘されて気づき皮膚科で切開してとってもらいました。抗生剤を2週間飲みました」(50代女性)
  • 「マダニ(5回)、すべて里山でヤブに入ったとき刺された。帰宅後、風呂に入るとき、腹部に付いていることに気づいて取った(4回目以降はティックツイスターを使用)。4回までは無症状。5回目は感染症(日本紅斑熱)になった。高熱と倦怠感がつづき、全身に湿疹が出たので皮膚科を受診。抗菌薬で完治した」(60代男性)
  • 「マダニに噛まれました。風呂でダニチェック時に、股間に近い内股に5mmほどの黒いものが飛び出していた。夜間診療でマダニを取ってもらい、1週間くらい発熱など気を付けるように言われました」(50代男性)
  • 「新冠ポロシリ山荘に泊まった時、朝起きたら左目が重い。他の登山者が『左目が赤く腫れてるよ』と教えてくれた。下山し、新冠町の病院に行ったら、左耳にダニが食いついてると言われ、顔から上は耳鼻科に行ってとのことで、耳鼻科へ。ベッドに横になり耳かきみたいなメスでダニとその周りの皮膚を削ぎ取りました。先生が『ダニがやだよ〜って離れないよ』(いいから早くとってよ!)。『目の塗り薬、抗生剤1週間分全部飲みきってね』。記念に診察券を取ってあります♪」(60代女性)
  • 「マダニ、日帰り山行の翌日、大腿部に噛み付き。ライターであぶって取ろうとしたら、離れた。膨らんで5mmくらいになっていた。SFTS、ライム病など発症まで時間がかかるので、1カ月ほど様子見、発症など自覚症状なく放置」(50代男性)
  • 「マダニ、地図読み講習にて。日本紅斑熱発症まで気が付かず。病院にて投薬治療」(40代女性)
  • 「マダニ 下山して家でお風呂に入ろうとした時に、刺されていることに気付きました。家族で大騒ぎになり、病院に連絡しても夜だったことや土曜日だったこともあり、その場で行くこともできずネットで調べ、色んなことを試しました。取ろうとしても奥まで刺されていたので取れず、窒息させればいいと書いてあり、ハンドクリームを山盛りに塗ったり、ラップを巻いたり、やってはダメを繰り返し1時間ほどして、毛抜きで繰り返し回しながら取っていたところ、ポロッと奇跡的に取れました。刺されたあとは赤い点になっていて、しばらく経過をみていましたが何事もなく過ごすことができました。病院に行けない場合、時間が経つのも怖いし、対応できないこともあるのだと知り、知識の大切さを知りました」(40代男性)

次の記事では、ハチやヤマビル、アブなどに関する回答について見ていきたい。

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