ハチに刺されアナフィラキシーショックに。ヤマビル、アブの被害も多数|アウトドアでの虫刺されに関するアンケート結果②
夏の登山ではおなじみのヤマビル、アブはやっぱり厄介な存在
嫌いな虫の4位はヤマビル(回答数27、15%)、第5位はアブ(同23、12%)と続いた。刺されたことのある虫は順位が逆で、アブが第3位(回答数98)、ヤマビル(同56)が第4位となった。ヤマビルはその見た目や咬まれた際に出血の多さなどが恐怖心をあおるせいか、実際の被害数よりも警戒されがちなのかもしれない。
ヤマビルは1〜5cmほどの大きさで、人間の体温や呼気などを感知して足からはい上がり、吸血する。この際に痛みを抑え、血液が固まりにくくする物質を出すため、血を吸われていることに気づきにくい。さらに、ヤマビルを除去した後もなかなか血が止まらないため、血液で衣類が汚れる点も厄介だ。近年、吸血対象としているシカの増加とともに生息範囲が拡大しており、登山エリアでは丹沢などで被害が多い。高温多湿の環境を好み、登山シーズンとも重なる4月ごろから11月ごろにかけて活発に活動するため、ヤマビルが多い山域では注意が必要だ。
アブは盛夏に渓流沿いなどで大発生するイヨシロオビアブ(メジロアブ)やキンイロアブなどが吸血アブとして知られる。また、主に家畜の血を吸うウシアブなどに咬まれるケースもある。防衛のために毒針で刺すハチとは違い、アブは栄養をとるために口で動物の皮膚を切り裂いて血液を吸う。咬まれた瞬間はかなり強い痛みがあるので、厄介な存在だ。
アンケートに寄せられたヤマビルやアブの被害体験を紹介しよう。
- 「ヤマビルが湿気の多い鬱蒼とした枯葉の溜まり場で付着。ガスライターであぶる。それでも靴下の中に侵入し血液が流れ出る。絆創膏では対処しきれず生理用ナプキンをテーピングで止めた」(50代女性)
- 「丹沢の沢沿いの登山道を歩き、山小屋に着いたらヒルに咬まれた痕があり、靴下が血だらけだった。痛みはないが血が止まらないので、バンドエイドを貼っておいた。まだヒルが食いついていた同行者は、タバコの火をヒルに押し付け、取り除いていた」(60代男性)
- 「8月のよく晴れた低山でウシアブに刺されました。ディート成分入り虫よけスプレーを使いましたが、タイツの上からどんどん刺されました。タイツを途中で脱いで手当することもできず、そのまま下山。腫れは半月も続き猛烈なかゆみもありました」(50代女性)
- 「表丹沢の沢登りを終えて着替えをしている時に、親指と人差し指の水かきの部分をヤマビルに吸血された。体質にもよると思うが、その後痒み止め等を処方してもらったが1カ月以上かゆみが取れず難渋した」(70代以上男性)
- 「イヨシロオビアブ(ウルル)、雨飾山にて。中央がグチュッと腐ったようになり、周囲直径10cmほどガチガチに腫れた。ムヒアルファのような強力系の薬にて対処。半年ほど跡が残った。雨飾山荘の方は『ウルル』と呼んでいた。車の排ガスが大好きとも言っていた」(50代男性)
- 「アブは刺されましたが、口のドリルでグリグリされたのを気づいて叩きました。それほどの傷にはならなかったです」(50代男性)
- 「アブ。間ノ岳から北岳に向かっている稜線で急に太ももに激痛。けっこうな痛みだけど耐えて、下山後に温泉とか入ったら緩和するかな〜って思ってたけど、針を刺すような痛み。これはつらいって思ったけど、薬局でキンカンを買って塗ったらずいぶんよくなり、キンカンの凄さを実感。それからは虫が多そうな時期の山にはキンカンを持っていきます」(40代女性)
- 「アブ。登山中に顔周辺にしつこく来る虫を払っているうちに、気がついたら頬を2カ所刺されていた。痛みと赤みがあったので、持っていた保冷剤で冷やし、フェイスカバーをつけてやり過ごした」(50代女性)
- 「登山翌日のキャンプでアブに刺されました。明るいうちからキャンプ場の無料野湯に入るため着替えていたら、数匹のアブ襲来。背中や足など数カ所を刺され1週間はかゆかったです。マニューバEX11塗布でかゆみはだいぶ抑えられました。秋や夜に入ればあまり来なかった」(50代男性)
- 「白馬の露天風呂でアブがいたのでお湯をかけて追いはらったところ、突然へその上あたりにとまり刺された。露天風呂だったのでリムーバーが手元になく、みるみる腫れ上がりかゆみと痛みが続き腫れが引くまで3カ月くらいかかった」(70代以上男性)
- 「アブは刺されると痛いので、近づいてきたら素手で殺すか追い払います。刺すまで多少時間差があるので実際に刺されたのは2回くらいしかありません」(50代男性)
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