新潟の名峰・妙高山を日帰り。下山後は野趣あふれる温泉へ

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読者レポーターより登山レポをお届けします。なおさんは日帰りで新潟県・妙高山(みょうこうさん、2454m)へ。

文・写真=なお


新潟県の妙高山へ。燕(つばめ)温泉の無料駐車場に車を停め、6時50分ごろに出発しました。駐車場の脇に入域料を入れる箱があるのですが、入域料を支払うとキーホルダーがいただけました。ライチョウの型に切り抜かれており、とってもかわいいです。

キーホルダー
入域料を支払うともらえるキーホルダー

駐車場から登山口の間には小さな温泉街があり、硫黄の香りが漂います。

妙高山燕温泉登山口
妙高山燕温泉登山口

駐車場を出発して50分ほどは、ずっと舗装路で歩きやすくはあるのですが、傾斜がかなり急です。

途中には赤倉温泉の源湯がありました。この石碑の隣から水がじゃぶじゃぶ出ていて、奥からは湯気が湧いていました。

赤倉温泉源湯
赤倉温泉源湯

もう少し歩くと滝が現われ、その近くから登山道に入っていきます。登り始めは沢の近くを歩くのですが、硫黄の影響か、岩が赤かったり、水が白かったりします。

硫黄の香りが漂う沢
硫黄の香りが漂う沢

危険な箇所や、急登はほとんどありませんが、ひたすら登りが続きます。途中には胸突き八丁なるものも現われました。胸突き八丁とは、急斜面の長い坂道のことを言うようです。

胸突き八丁
胸突き八丁

登山道にはいろんな花が咲いていて、長い登りのなかよい気分転換になります。

ヨツバヒヨドリ
ヨツバヒヨドリ
ツルニンジン
ツルニンジン

登山を開始してから約2時間、8時50分ごろに六合目・天狗堂を通過しました。

天狗堂
天狗堂

八合目には、風穴がありました。この日は湿気が高く、かなり上まで行かないと風もほとんどなかったので、風穴から出る冷たい空気に救われました。

風穴
風穴

そして九合目で鎖場の登場です。足の置き場はありますが、結構高いところまで続いているので、怖さがあります。鎖やロープを使いながら慎重に登りました。

鎖場
鎖場

鎖場を過ぎると、これまでの樹林帯と打って変わって、ゴツゴツした岩場になりました。この岩の壁を超えると山頂です。

山頂手前の道
山頂手前の道

スタートから約3時間、10時過ぎに妙高山の南峰に到着しました! 山頂には、妙高大神が祭られていたり、将軍地蔵の石碑がありました。

妙高大神
妙高大神
将軍地蔵
将軍地蔵

そして、北峰へ向かいます。火山らしい岩の風景がかっこいいです。

南峰から北峰への道
南峰から北峰への道

5〜10分ほどで北峰に到着しました! この日は麓の街は晴れていたのですが、妙高山の辺りは雲が多く、残念ながら眺望はまったくありませんでした。

妙高山北峰
妙高山北峰

北峰でお昼ごはんを食べて、ピストンで下山しました。

登山道から舗装路に出たところに滝があり、近くまで行ってみると、なんと温泉が!

滝と温泉
滝と温泉

囲いもなにもない温泉でしたので、足湯をしました。熱めの、しっかり硫黄の香りがする青みがかった白濁のお湯で、いかにも天然の温泉という感じがします。滝を見ながらの温泉、最高です。足の疲れが癒されました。

足湯
足湯

その後は舗装路を下ります。温泉街の手前には、「黄金の湯」という露天風呂がありました。女湯は写真のように囲いがありますが、男湯は開放的です。

黄金の湯
黄金の湯

14時ごろ、温泉宿に到着し登山を終えました。お土産屋さんに、氷水で冷やされたスイカが150円で売られており、迷わず購入。疲れた体に染みました。

スイカ
下山後のスイカ

景色は残念でしたが、下山後のお楽しみが充実していて楽しめた登山でした!

下山後、妙高市内のアウトドアショップで店員さんから、この季節の妙高山は雲がかかりやすいこと、秋は紅葉もきれいでおすすめだということを教えてもらいました。また秋に来てみたいです。

(山行日程=2025年8月23日)

MAP&DATA

高低図
最適日数:日帰り
コースタイム: 9時間
行程:燕温泉・・・湯道分岐・・・天狗堂・・・妙高山南峰・・・妙高山北峰・・・妙高山南峰・・・天狗堂・・・湯道分岐・・・燕温泉
総歩行距離:約9,997m
累積標高差:上り 約1,667m 下り 約1,667m
コース定数:37 
なお(読者レポーター)

なお(読者レポーター)

神奈川県藤沢市を拠点に、夏はアルプス、秋〜春は関東近郊や九州の山に夫婦で登っています。特に北アルプスと伊豆が好きです。

この記事に登場する山

新潟県 / 妙高山とその周辺

妙高山 標高 2,454m

 連聳する火打山と活火山の焼山を合わせて、「頸城三山」と称する山塊の代表といえよう。越後富士とも呼ばれる秀麗な山容と、赤倉、池ノ平、関、燕などの温泉群、そして山裾に展開する多くのスキー場が県内外の耳目を集めて、関東、関西方面の観光客にも知名度が高い。信越本線の妙高高原駅や関山駅から各温泉へバスの便がある。  古名を「越の中山」と呼び、「名香山」とも書かれたのが、仏典の須弥山に付会して「妙光」から「妙高」と改名され、信仰の山として開かれた。江戸時代の文献に「義経記に妙観音岳と書く、信越の境に在りて高山なり、峰に祀廟あり阿弥陀仏を安置す。木曽義仲の護念仏なりという。毎年六月二十三日に諸人登山して香花を奉る」とあり、現在も上越市周辺では講中をつくり、ナンボイサンと称する信仰登山が続けられている。  雄大な裾野の広がりは第4紀のコニーデ複式火山によるもので、外輪山の神奈山、三田原山、赤倉山に囲まれた中央火口丘の真山は「日本岩」が屹立する溶岩原で、約400mの距離がある平頂となっている。  登山コースは東面の燕、赤倉、池ノ平温泉や南西面の笹ヶ峰牧場からと多様で、各登山口から4~5時間で頂上に達するが、燕温泉から北地獄谷、天狗堂跡経由の道が多く利用され、富士登山と同じく、深夜からライトを頼りに登って、頂上でご来光を拝む登山者が多い。  かつては妙高山から大倉乗越を経て火打山、焼山へと縦走する人も多かったが、焼山が昭和49年の夏に爆発して3名の登山者が遭難した。以後も噴火の危険があるとして中腹以上の登山が禁止されている。したがって登山者に好まれた三山縦走はできなくなったが、火打山への縦走は可能である。  頂上には勝軍地蔵が祭られており、阿弥陀堂は強風で倒壊したのか、北地獄谷の岩壁のテラスに残骸を見たことがある。  外輪山の神奈山は、燕温泉に覆いかぶさるような大断崖を屹立させているが、東方の関温泉から幕ノ沢とハルイ沢の中間尾根に開かれた登山道があり、大倉谷を隔てた妙高真山の巨体を眺めながらの登高が楽しく、大倉新道を経てたどり着く黒沢池ヒュッテは、火打山と妙高山へ登る拠点となっている。  登山とは別に、山麓を巡るハイキング・コースも多いので、赤倉や池ノ平の温泉に浴して、シラカバ林の道をたどったり、国民休暇村のある笹ヶ峰牧場でのキャンプ生活は、自然の息吹きに包まれて、野鳥や植生観察を楽しめる。

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