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丹沢・仏果山に、初冬の風物詩「シモバシラの氷華」を探しに行こう!

今がいい山、棚からひとつかみ
ガイド・記録 2018年12月20日

首都圏在住の人は、よく晴れた冬の寒い朝、寒さを我慢してぜひ山に足を運んでみてはいかがだろうか。素晴らしい展望はもちろん、思いもよらぬ景色に出会うこともある。例えば丹沢・仏果山、まだ気温が上がりきらないときに、「シモバシラの氷華」の神秘的な冬の風物詩が楽しめるかもしれない。

 

シモバシラをご存じだろうか? ここでは「霜柱」のことではなく「氷華」が咲くシモバシラを指している。シソ科の多年草の草の名称で、初冬の寒い朝、茎の維管束の中にある水が凍りついて、茎から氷が花のように出現する現象を「シモバシラの氷華」と呼んでいる。

この氷華は、一度出来ると茎の構造は壊れてしまうので、シモバシラ1本につき年に一度だけの現象で、12月~1月初旬に、標高の低い山で多く見られる現象だ(なお、氷華ができる草はシモバシラのほかカメバヒキオコシなどもある、いずれもシソ科の植物)。

氷華が見られる山は、関東では高尾山や奥多摩・御岳山など山々が知られるが、丹沢の山では東丹沢・仏果山で確認できるという。そんな氷華探しと展望登山を満喫した山旅を週刊ヤマケイからレポートする。

 

丹沢・仏果山~高取山でシモバシラ撮影を満喫

丹沢山塊の南東に位置する仏果山(ぶっかさん)は、南側・登山口の半原より眺めると、標高747mの低山ながら急斜面がせり上がって見え、地元では半原富士と呼ばれるのが理解出来る山容を見せてくれる山です。中腹までは人工林に囲まれていますが、上部では落葉広葉樹が茂っています。

マイカー登山で向かった2017年12月18日の今回は、愛川ふれあいの村野外センター前バス停から入った、センターの駐車場に車を置いて出発しました。

仏果山への登山道、鉄塔上部から現れたシモバシラの花(写真=白井源三)

観光牧場である服部牧場は無料駐車場が完備されて家畜が放牧され、休日は家族連れでにぎわう(写真=白井源三)


センターの縁を回り、地蔵尊が並ぶ分岐を左下に降りると、半原バス停からの登山路と合流します。県道下が登山口で、トイレも設置されています。階段からの登りで、初めから急登が続きます。途中、本標識が破損しており、被害届提出中の看板がかかっていました。このようなものを見ると悲しく、寂しくなります。

高度が増すと、林道に出て再び急登が始まります。前方上部の杉林の間にすすきの波が見えると、鉄塔が立つ台地は近いです。登って、振り返ると相模平野が広がります。

高取山山頂の展望台鉄塔に登ると、大山から蛭ヶ岳を頂点に焼山までが一望。眼下に宮ヶ瀬湖が光る(写真=白井源三)


自然林に入って間もなく、枯葉に埋もれたシモバシラを見つけました。雑木林の斜面でかなりの数のシモバシラ撮影を堪能しました。

小さなピークを登り、ワンピッチで展望塔が立つ仏果山へ到着です。平地は晴れているのに、黒い雲がかかり、時々小雪が舞う山の天気でした。展望台からは相模平野が光っています。

寒風にせかされてロープの付いた急坂を下り、宮ヶ瀬越から登り返して高取山へ。雲が切れ始めた展望台からは大山から蛭ヶ岳を中心に丹沢山塊が広がり、宮ヶ瀬湖が眼下に光ります。駐車場のふれあいの村への下りはじめで、最後のシモバシラ撮影。

帰路、観光牧場の服部牧場へ立ち寄り、美味しいジェラートとソーセージを食べて帰りました。宮ヶ瀬ダムの観光放流(※)がある日にここから少し下って愛川公園に駐車し、ダムを見学するのも一興です。

※宮ヶ瀬ダムの観光放流は、神奈川県立あいかわ公園のホームページに掲載されている。冬季は実施回数は少ないが、ライトアップ観光放流を行っている。

 

 

教えてくれた人

白井源三

神奈川県相模原市生まれ。1989年ヒンドゥークシュ登山隊に参加、ゴッラゾム5100mに登頂。2005~2007年に南米取材。アコンカグアBCとインカ道をトレッキング。著書に『戸隠逍遙』(クレオ刊)、『北丹沢讃歌』(耕出版刊)、『冬の近郊低山案内』(山と溪谷社・共著)など。丹沢の写真展を多数開催。

週刊ヤマケイ

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