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平成はどんな時代だった? 登山界の30年間を『山と溪谷』で振り返って見えたもの

Yamakei Online Special Contents
たしなみ 2019年01月08日

「平成」の時代は、あと数ヶ月で終わろうとしている。この30年間、世の中ではさまざまなことが起きているが、登山の世界に目を向けると、どんなことが起きているのだろうか?

 

平成にはどんな山の話題があった?

30年というと、決して短い時代ではない。例えば、通信機器の成長は目覚しく、ポケベルから始まり、携帯電話、スマートフォンなど、テクノロジーは凄まじく発展し、お茶の間を騒がせるさまざまなできごとがあった。

そこで今回は、平成に起きた登山界のできごとを、「登山家と記録」「自然の猛威」という2つの視点で、当時の『山と溪谷』誌面から振り返ってみよう。

 

平成初の編集号は?

こちらは平成元年2月に発売された3月号だ。2月号までは昭和64年に編纂されており、平成になって初めて編集・発売されたのは3月号となる。

いまでも続くニュースページ「ヤマケイジャーナル」をめくると、話題は前年である昭和63年12月25日に発生した大雪山系・十勝岳の噴火が一面に扱われている。

26年ぶりとなる噴火かつ、大規模な噴火だったため、数ページにわたって現地の最新情報が掲載された。後に紹介する「自然の猛威」にも関連するが、この30年は「自然災害」が多い時代だったといえるだろう。

平成元年3月号で伝えている、大雪山系・十勝岳の噴火の様子

 

[登山家と記録]女性で世界初の七大陸最高峰登頂

平成初期をにぎわわせた話題といえば、平成4年に女性登山家の田部井淳子さんによる「女性で世界初の七大陸最高峰登頂」だ。

平成4年9月号で伝えている、田部井淳子さんの偉業


昭和50年にエベレストに登頂して以降、世界の高峰に登り続け、平成4年6月28日にインドネシア領ニューギニアのカルストン・ピラミッドに登頂。17年の歳月をかけて記録を達成した。

 

[登山家と記録]エベレスト登頂を襲った悲劇

平成8年、エベレストをめざす世界各国の登山隊を巻き込んだ山岳遭難事故が発生した。

日本人女性第2登として頂上に立った難波康子さんも、エベレストを襲ったプレ・モンスーンに巻き込まれ、下山中に亡くなった。

 

平成8年7月号で速報を(画像左)、続く8月号(画像右)では記録を詳しく分析した


平成8年7月号では「緊急特集 エベレスト プレ・モンスーン」として速報を掲載。

続く、8月号では続報として、難波さんを悼むメッセージや、無事に帰還できた登山隊との差はどこにあったのか、記録を分析し掲載している。

 

[登山家と記録]8000m峰全14座登頂をめざして

平成20年10月号では、竹内洋岳さんの偉業を伝えている


上の記事は、登山家・竹内洋岳さんの8000m峰11座登頂の軌跡を紹介する記事だ。

前年の挑戦中に雪崩事故に巻き込まれ、重傷を負った竹内さんが、厳しいリハビリを乗り越え、この年に2座を連続して登頂。日本人最多となる11座登頂に成功し、本誌でもその偉大な記録を紹介した。

その後、竹内さんは平成24年にダウラギリに登頂し、念願の日本人初となる8000m峰全14座登頂を達成した。

 

[自然の猛威]安達太良山を登山中に・・・

自然災害による遭難事故は、登山者のみならず、テレビや新聞での報道をとおして、誰の記憶にも残りやすい話題だろう。

先ほど紹介した大雪山系・十勝岳のほかにも、平成3年の雲仙普賢岳噴火、平成26年の御嶽山噴火など、火山に関する話題が平成は多かったといえる。下記の記事も活火山で起きた事故の一つだ。

平成9年11月号では、安達太良山中で起きた遭難について伝えている


平成9年9月、福島県・安達太良山に登っていた登山パーティが悪天候による視界不良で下山中にルートを見失った。正しいルートに復帰する途中で、メンバーの女性4人が火山性の硫化水素ガス中毒に陥り亡くなった、という事故である。

登山道を外れてしまったことが最大の原因だが、観光客や登山初心者でも登れる手軽なイメージのある山での悲劇として大きな話題になった。

 

[自然の猛威]大雪山系・トムラウシ山にて 

平成21年には、日本の夏山史上、最悪の気象遭難事故が発生した。トムラウシ山では登山ツアーの参加者とガイドを含む18人パーティ、そして単独行者が、美瑛岳でもツアー登山に参加した6人パーティが、悪天候に見舞われて遭難し、あわせて10人が亡くなった。

まだ記憶に新しいトムラウシ山遭難事故は平成21年9月号で取り上げている


連日、テレビでニュースが報道されたほか、その後も、同行したツアーガイドの責任を問う裁判が報道されるなど、現在でもよく話題に上がる遭難事故となった。

 

1月号ではほかにも話題が盛りだくさん

今回紹介したのは、1月号特集の第2部「テーマで見る平成日本登山史」の年表から、多くの登山者の記憶に残っているであろうトピックを取り上げたものだ。

明るい話題もあれば、悲しい話題もあり、ボリュームのあった平成の時代。年表を見ているだけでも、さまざまなできごとを思い出せるだろう。

発売中の『山と溪谷』1月号の特集は「登山の現在形」。「さらば平成、登山界のこれから」というテーマで、平成の約30年間に起きた登山トピックスを振り返り、登山用具メーカーの代表や山小屋の主人などに登山界の展望を語ってもらっている。

また、1月号では恒例の「山の便利帳」も付録についてくる。雑誌購入者は、デジタル版を無料で配信しているので、この機会にぜひ入手してほしい。

 

教えてくれた人

山と溪谷編集部

『山と溪谷』2019年6月号
特集「剱岳と立山 大岩壁と残雪、深い渓谷に守れた、アルピニズム薫る歴史と信仰の山々を歩く」

北アルプスを代表する山岳エリア、剱・立山連峰。
剱岳は氷河に削られ、豪雪に磨かれた険しい岩壁と谷をもち、数々の登攀のドラマの舞台となってきました。
また、立山は豊かな水がはぐくむ生態系に加えて、山岳信仰の長い歴史が独特の世界を形成しています。
この夏は剱岳と立山の尾根や谷をめぐり、稜線を旅してみませんか?

⇒ 山と溪谷6月号はこちら

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