後を絶たないBCでの事故、周囲を考えて行動を 島崎三歩の「山岳通信」 第143号
長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2019年3月19日に配信された第143号では、バックカントリー滑走中による遭難が後を絶たないことに触れ、改めてバックカントリースキーヤー・スノーボーダーに注意喚起を呼びかけている。
3月19日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第143号では、3月8日~9日に起きた3件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。
3月8日、北アルプス白馬乗鞍岳で、49歳の男性がバックカントリースキー中に、栂池高原天狗原付近において雪崩に巻き込まれる山岳遭難が発生。通りかかった男性らに救出され、県警ヘリで救助された。
3月9日、北アルプス唐松岳で、2名の男性がバックカントリースノーボード中に、八方尾根で滑落する山岳遭難が発生。32歳の男性については県警ヘリで救助した。
3月9日、北アルプス唐松岳で、2名の男性がバックカントリースノーボード中に、八方尾根で滑落する山岳遭難が発生。48歳の男性については翌10日に県警ヘリで救助したものの、死亡が確認さた。
長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
3月2週は、3件のバックカントリースキー(スノーボード)中の遭難が発生し、1名が亡くなりました。
この時期、バックカントリー滑走中による遭難が後を絶ちません。バックカントリーでの滑走は、雪崩、立木への衝突、道迷いなど、危険の高いスポーツです。樹林帯ではヘリコプターでの救助が困難であり、地上から救助に向かわなければならず、相当の時間を要します。
自分たちでトラブルに対応できるよう、セルフレスキューやビバーク訓練を行ってから入山しましょう。また、自分の滑走技術を過信した無理な滑走は、命に関わる行為です。残された家族のことを考えて行動しましょう。
バックカントリーで遭難しないために動画で確認を
長野県警では、動画でバックカントリーでの遭難のパターンを説明するとともに、入山前の準備や注意点を説明しています。バックカントリー愛好者はぜひ一度視聴するとともに、いま一度、自身の装備や登山・滑走レベルをチェックしてください。
プロフィール
島崎三歩の「山岳通信」
信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。
島崎三歩の「山岳通信」
長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。