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B級ご当地グルメの祭典で優勝した逸品。甲府に下山するなら「甲府鳥もつ煮」をつまみに、山の話を

下山メシのよろこび
たしなみ 2019年07月11日

山梨の郷土料理は? と聞かれれば、多くの人が「ほうとう」と答えるだろう。では、「甲府鳥もつ煮」は、知っている? 下山後に、ぜひお腹を満たしたいB級ご当地グルメを紹介する。

 

山梨県甲府市は南アルプス登山の入口。夜叉神峠や広河原、北沢峠、南アルプスの山々の登山口へ向かう路線バスが出ていて、夏山シーズンは多くの登山客が行き来する。

南アルプス 白峰三山を縦走。3000m級の稜線が続く

 

山梨の郷土料理として知られているのは「ほうとう」だが、もうひとつ見逃してはいけないご当地グルメが「甲府鳥もつ煮」。鶏のレバーやハツ、砂肝などのモツを甘辛く濃厚な醤油ダレで照り煮にしたもので、ほかの地域で味わう、汁で煮込むタイプのモツ煮とは全く異なる。B級ご当地グルメの祭典で優勝したこともある逸品だ。

甲府市内のそば屋で考案されたと伝えられ、その後多くのそば屋でも供されるようになり、今や甲府のソウルフードとして根付き、そば屋以外の食事どころでも味わえる。さらに近年は山梨市や甲州市など甲府周辺の地域でも鳥もつ煮を供する店が増えている。

甲府駅周辺には、甲府鳥もつ煮の味わえる店が点在しており、鳥もつ煮を考案した元祖と言われる奥藤本店の甲府駅前店も駅からすぐのところにある。山の帰りに一杯、あるいはしっかりとお腹を満たすのに最適なロケーションで、山帰り、あるいは観光の帰りに立ち寄っている。

 

ここでオーダーしたいのは「甲府鳥もつセット」。鳥もつ煮とそば、ご飯(小)、小鉢、漬物のセットで、この店で食べたいものがくまなく食べられる。

奥藤本店の看板メニュー「甲府鳥もつセット」。ボリュームにも満足

 

注文を受けてから生の鶏モツを調理する、正統派の甲府鳥もつ煮は、醤油ダレがキラキラと輝いていかにも美味しそう。食べてみると濃厚でありながらすっきりとした甘みが口に広がる。これならたしかにお酒に合いそう。というかビールが進む味だ。そういえば甲府は国内有数のワイン生産地。ワインとの相性もよさそうだ。

鶏のモツのさまざまな部位が入っていて、ふっくらしたレバーの味わい、砂肝のコリコリした歯ごたえ、キンカン(生まれる前の卵)の‟ぷりっ”とした食感…、見た目以上にそれぞれ異なる食感のハーモニーが楽しめるのもいい。さらにこの店の鳥もつ煮は中にしいたけが混じっている。タレがたっぷりと染み込んだしいたけもいい味を出している。

ご飯と合わせて食べてみるとこれもまたいい。鳥もつ煮とそばのセットになぜご飯も? と思ったけど納得。ほどよい甘みの鳥もつ煮と白飯の相性がたまらない。油断するとうっかり「ご飯おかわりください」と言いたくなりそうだ。そういえば「鳥もつ煮丼」というメニューもあった。

(左)形も食感もさまざまな部位が入っている。 よく目立つのはキンカン。
(右)上質な素材を使った手打ちそばも美味

 

もちろんそばも美味しい。細切りですっきりした味わいのそばだ。つゆの味わいもよく、濃いめのそば湯と合わせて最後まで美味しくいただける。

セットで出てくるとだいぶ多いな…と思いつつ、山帰りでお腹をすかせているとあっという間に食べ終えてしまう。今度行くときはもっとゆっくり楽しみたい。コースだと一気に食べ尽くす感じになってしまうから、はじめに鳥もつ煮をつまみに山の話を楽しみながらお酒を飲み、最後にそばで締め。最高ではないか。

 

今日のお店 「奥藤本店 甲府駅前店」

創業大正2年、甲府市民にも親しまれる手打ちそば処。甲府駅前店は、平成23年オープン。手打ちそば、甲府鳥もつ煮のほか、ほうとう、馬刺、かつ丼などの甲州名物も。

住所: 山梨県甲府市丸の内1-7-4
電話: 055-232-0910
http://okutou.com/ekimae.html

 

日本の山 登山計画 料理・食料
教えてくれた人

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行うフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。気の会う仲間と山を歩き、下山後に美味しいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

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