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電子地図の時代だからこそ必要な地図を読み取る技術。道なき山を歩くプロの地図読み技術とは?!

From 山と溪谷編集部
登山技術 2019年09月09日

これだけ電子地図や登山用アプリが普及して、誰でも簡単に現在地を把握できる時代になっても、山岳遭難で最も多いのが「道迷い」。地図を正確に読み、地形を理解しながら計画を立てたり、登山中に場所を把握したりする技術は、電子時代の今こそ大切なのではないだろうか?

 

人気山岳エリアでは分岐ごとに登山道の道標が整備され、自動的に道案内してくれる電子地図も普及し、登山で地図から情報を読み取る機会が減少傾向にある昨今――。こうした事情から、地図読みに苦手意識を持つ人がますます増えているようだ。

しかし、山での地図読みスキルを磨けば、道迷い防止につながり、さらに登山道がないルートを楽しめて登山の幅がぐっと広がる。そこで、ヤブ山をこよなく愛する登山ガイドの「やぶ山 三ちゃん」こと、三上浩文さんに地図読みの技を聞いた。

 

計画では地形図で尾根と谷をイメージする

三上さんは計画段階で、国土地理院2万5000分の1地形図を用いて尾根と沢を読み取り、登る山を立体的に把握しているという。「自分がどのような地形を登り、下るのか。地形図をじっくりと見て、事前に地形のイメージを立体的につかんでいくことが地図活用の第一歩です」と説明する。

 

 

登山中、登りでは尾根を歩くことを意識する

「尾根を登っているかぎり、最終的には山頂へ着きます。尾根上に岩などの障害物がある際には、尾根を見失わないようにトラバース(横切って進む)し、再び尾根に戻ります」と三上さん。左右の沢地形を地形図や目視で読み取り、自分が尾根上にいることを確認しながら進むのがポイントということだ。

 

現在地確認→先読み→振り返りの3サイクルを繰り返す

現場での地図読みは、特徴物や変化がわかりやすい地形で「現在地確認」をし、これから進むルートはどのような道なのか地図を見て「先読み」する。そして、実際に歩いた先で自分の先読みを「振り返る」という3つのサイクルを繰り返すことが大切という。

三上さんは「自分の先読みが間違っていることが判明したら、ただちに修正する。正しくその3つのサイクルを繰り返すには、自分の予測や地形図の情報に疑いの余地を残し、現場の状況に合わせて対応する必要があります」と話す。

 

下山ルートは注意深く特定する

三上さんは「登りでは尾根を見失わずに歩けばピークに着きますが、下山は尾根が派生し、道を間違えやすいので注意が必要です」という。周囲の地形や方角などを確認しながら慎重に進まなければ、道迷いにつながるおそれがある。道なき山の下りでは登り以上に地図読みが重要になってくるのだ。

 

三上さんが伝授する地図読みの技は、発売中の『山と溪谷』9月号特集「紙地図と電子地図」でさらに詳しく掲載している。

読図についてだけでなく、地図作りの歴史や、世界の紙地図コレクション、地図アプリの比較など、山の地図に関する話題も盛りだくさん。

また、別冊付録の地図読みハンドブックでは、読図を基礎から学べるハウツーを掲載している。上記の地形図の尾根と沢を見分け方なども紹介している。

これから地図読みに挑戦したいと思っている登山者から、地図の奥深さをもっと知りたいというベテランまで楽しめる内容になっている。ぜひ、ご一読を。

地図・読図 登山計画
教えてくれた人

山と溪谷編集部

『山と溪谷』2019年10月号の特集は「心に残る秋の山35コース」。夏山シーズンが終わってから、冬が訪れるまでの約3カ月。夏よりも静かな山をゆっくりと歩いたり、鮮やかな山の紅葉をめざしたり――。心に残る「秋の山歩き」を、読み物とコースガイドで紹介します。

⇒ 山と溪谷最新号はこちら

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