登攀と人生を振り返る初の自叙伝『What's Next? 終わりなき未踏への挑戦』【書評】
本書はこれまでの平出さんの成功の数々を単に収めた登攀記録集ではない。失敗した記録やパートナーシップ、死んでいった山仲間、仕事や家庭のことも収められている。
山に関する新刊の書評を中心に、山好きに聞いたとっておきもご紹介。
登攀と人生を振り返る初の自叙伝『What's Next? 終わりなき未踏への挑戦』【書評】
本書はこれまでの平出さんの成功の数々を単に収めた登攀記録集ではない。失敗した記録やパートナーシップ、死んでいった山仲間、仕事や家庭のことも収められている。
山を訪ね歩き、描く。山旅の画文集『水彩の山』【書評】
山旅があってこそ絵があり、絵があってこその山旅が垣間見えてくる。よく知られた山も、あまり知られていない山も、ちゃんと山として描かれる。多くの絵に、きちんと山頂が描かれているのは、お人柄か。つまり、ひねくれていないのだ。
30年にわたるスティープ滑降の軌跡と記録『中部山岳スティープスキー 100選』【書評】
私自身も三浦コレクションのうち何割かは滑降しているが、あらためて見てみると脱帽である。30年の年月、飽くなき情熱を傾けられたこと、さらなる高みへの求道心を失わなかったこと、そして、生き延びていること。これらは言葉で表わせるほど容易いことでは決してない。
女流詩人と山との濃密な交流が生んだ反アルピニズム文学『いきている山』【書評】
自然科学的あるいは物理的な精細な観察から、哲学的あるいは宗教的な深遠な感懐へ、詩人の論述は広く重く拡がる。
超人の素顔に迫り、アメリカの現代登攀史を知る『THE IMPOSSIBLE CLIMB アレックス・オノルドのフリーソロ』【書評】
超人オノルドの素顔に迫りながら、アメリカの登攀史を多角的に知る読み物。
生命を見つめる哲学的なまなざし『森の来訪者たち 北欧のコテージで見つけた生命の輝き』【書評】
指摘したいのは、ニーナのヒトを特別視しない立場である。生物学者が、人や人に近い霊長類を別格とする世界観であるのと違う。そして「地球上のあらゆるところで生命がうごめいている。私だけでなく、他のみんなも世界の中心は自分だ、と考えているようなのだ」という。
山と旅へと連れ出してくれた一冊『山とハワイ(上・下巻)』【書評】
鈴木が描くのは景色ではなく、情景や心象風景であり、だから私たちは、登場する人物たちの心のうちまで味わうことができる。今回はそんな心の動きに導かれ、ハワイを旅した。
アラスカの大地を歩き、紡いだフォトエッセイ『写真の隙間』【書評】
厳しい自然の中では、動物たちの逞しさと人間の非力さが浮き彫りになる。同時に、大きな地球から見ればどちらも等しい命であるという事実にも気付く。
近代絵画の父が描いた故郷の山『図説 セザンヌ「サント=ヴィクトワール山」の世界』【書評】
淡い色彩が施された水彩画を眺めていて、色が充実すれば形体もくっきりするというセザンヌの絵の秘密が、ほんの少し見えたような気がした。
3年半の日記からひと筆書きの足跡をたどる『日本3百名山ひと筆書き 田中陽希日記』【書評】
「私はNHK同番組の撮影カメラマンとして、旅に同行した。彼の言葉や表情、感じたものを全力でカメラに収め、テレビを通してお伝えしたつもりだ。しかし、常に考えていた。『ホントのところはどうなのだろうか……』」