捜す、寄り添う―山岳遭難捜索6つのドキュメント『「おかえり」と言える、その日まで』【書評】
捜索は、目に見えない足取りを追うことである。家族や山仲間から当日の服装や持ち物はもちろんのこと、登山者の行動パターンや登山の志向なども聞かせてもらいプロファイリングをしていく。
山に関する新刊の書評を中心に、山好きに聞いたとっておきもご紹介。
捜す、寄り添う―山岳遭難捜索6つのドキュメント『「おかえり」と言える、その日まで』【書評】
捜索は、目に見えない足取りを追うことである。家族や山仲間から当日の服装や持ち物はもちろんのこと、登山者の行動パターンや登山の志向なども聞かせてもらいプロファイリングをしていく。
池内紀さんが選んだ153冊を紹介。人気連載をまとめた『山の本棚』【新刊】
月刊誌『山と溪谷』(山と溪谷社)で2007年から2019年まで連載されていた、ドイツ文学者でエッセイストの池内紀さんによる「山の本棚」が単行本になりました。連載を担当した編集者が3冊ご紹介します。
百年前の謎は解明されるのか『第三の極地 エヴェレスト、その夢と死と謎』【書評】
エベレストが初登頂されたのは1953年。しかしその30年ほど前にすでに登頂されていたのでは……?
厳冬期のデナリを舞台にした本格山岳小説『完全なる白銀』【書評】
「山にはドラマがない」。そう言って、深田久弥は山岳小説に手を出さなかった。そんな話も今は昔。あれから半世紀以上が経ち、登山の大衆化と小説技法の進歩により、おもしろい山岳小説が数多く登場している。本書もそのひとつだ。
46歳で世を去った強烈なインパクトを放つ男の人生『酔いどれクライマー 永田東一郎物語』【書評】
のちに建築家となるクライマー・永田東一郎と著者藤原章生が会ったのは1978年初夏、都立上野高校の山岳部の部室だった。O Bとして部室をのぞいた永田は藤原より3学年上、東大工学部の学生で、東大スキー山岳部員だった。
日本植物学の父が見つめ表わした植物と山のエッセイ集『牧野富太郎と、山』 【書評】
興味ある一編を読むだけでも、これまで知らなかった、気づかなかった植物の世界が見えてくる。
地図アプリ全盛の今こそ活用したいガイドブック『増補改訂版 詳しい地図で迷わず歩く 奥多摩・高尾500km』【書評】
首都圏在住の登山者から親しまれている奥多摩・高尾エリア。手軽にアクセスできて、しかし意外と危険も多いこのエリアを丁寧に解説するガイドブックが発売された。
5人の道筋とキーワードで読む女性たちの登山史『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』【書評】
女性たちはその煩わしさが常にそばにあるからこそ、自分の限界を知り、困難にもしなやかに対応できるのかもしれない。
13年を振り返りいま一度見直す山との向き合い方『山のリスクとどう向き合うか 山岳遭難の「今」と対処の仕方』【書評】
「登山者の山への向かい方も変わった。特に影響したのは、スマートフォンの普及だ。初めて見たときはいかがわしいとすら感じた地図アプリが、今や必須のものになった。さらに情報収集や登山届の提出、記録の作成と公開、仲間との交流まで、スマホやインターネットで行なうようになったのだ。」
身近な低山での遭難事例から教訓を学ぶ『侮るな東京の山 新編 奥多摩山岳救助隊日誌』【書評】
タイトルのとおり、東京の山は侮られがちなのだろう。よく界隈の山岳関係者がヘッドランプも持たない登山者に対して苦言を呈している。