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テーマ:百名山

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八ヶ岳 (長野県)

美ヶ原 美ヶ原・王ヶ頭

標高2,034m

 美ヶ原はまさに北アルプスの展望台である。美ヶ原という名は、常に近代的な響きをもっていて、何か国鉄時代の観光宣伝のためにつけられたような感じがするが、実は明治11年に政府へ提出した村勢報告書にその名が載っている。  当時からの名勝地とされていて「人々これを賞めぬものなかるべし」と結んでいる。山の詩人として著名な尾崎喜八の「登りについて不意にひらけた眼前の風景に、しばらくは世界の天井が抜けたかと思う」の一節で始まる詩は、今も美ヶ原の中心、美しの塔にはめ込まれている。  その比類ない北アルプスの展望台としての魅力から深田久弥の「日本百名山」にも選ばれている美ヶ原だが、最高点、王ヶ頭には10本に余るテレビ塔が林立し、茶店やみやげ店が軒を並べ、往時のおもかげは全くない。王ヶ頭周辺の俗化には目をつぶり、茶臼山から霧ヶ峰方面、あるいは三峰山からは鉢伏山方面へ縦走した方が、より自然を楽しめる。

関東 (東京都 埼玉県 山梨県)

雲取山 

標高2,017m

東京、埼玉、山梨の都県境となる山。東京都の最高峰。山頂からの展望は北を除いて非常によく、山並みのはるかかなたに富士山も眺められる。

往復 日帰り 9時間20分
鴨沢から雲取山を日帰りで往復 

コース定数:44

縦走 一泊二日 9時間40分
三峰神社から雲取山へ登り鴨沢下山 1泊2日

コース定数:44

往復 日帰り 9時間45分
鴨沢から東京都最高峰・雲取山を往復 1泊2日

コース定数:47

往復 一泊二日 10時間25分
三峯神社から東京都の最高峰・雲取山往復 1泊2日

コース定数:47

上信越 (新潟県)

越後駒ヶ岳 駒ヶ岳

標高2,003m

駒ヶ岳の山名は全国各地に多いが、上越線の車窓から望む越後駒ヶ岳の山容は、誇らかに天馬空を翔けるの観があり、登山者の登高意欲をそそらずにはおかない。中ノ岳、八海山とあわせて、越後三山と称される。銀鉱採掘で繁栄した元禄時代の銀山平は、人口1万4000人余りといわれるが、銀山への往復で関門の枝折峠を越えた当時の人々は、四季折々の駒ヶ岳をどんな思いで見上げたことであろうか。 登山道はその枝折峠から小倉山、百草ノ池をたどる明神尾根伝いと、佐梨川畔の駒ノ湯から、道行沢と小チョウナ沢の中間尾根を小倉山へ登るコースがあり、小出駅から銀山平行のバスを利用して、いずれも約5時間の登高となる。また、昭和39年に開かれた、通称「裏の尾根道」は、八海山の大倉登山口経由で越後三山森林公園まで車道があり、モチガハナ沢とデトノアイソメ沢に挟まれた尾根を登るコースで、峻険な水無渓谷や八海山東面岩壁の大観を楽しめる。 明神尾根の標高1800m地点に駒ノ小屋があり、中ノ岳、八海山へと三山縦走をする際に利用される。小屋からオツルミズ沢源頭のお花畑を登りつめれば一等三角点の頂上で、豊斟淳尊の銅像と大山祇命の石像、石碑などがある。山麓の湯之谷温泉郷は観光地として人気が高い。

往復 一泊二日 13時間6分
十二平からグシガハナを経て越後駒ヶ岳往復 1泊2日

コース定数:50

縦走 二泊三日 19時間11分
枝折峠から越後駒ヶ岳・中ノ岳縦走 2泊3日

コース定数:65

縦走 二泊三日 19時間21分
駒ノ湯から越後駒ヶ岳・中ノ岳縦走 2泊3日

コース定数:71

東北 (山形県)

月山 

標高1,984m

 山形県のほぼ中央に位置し、羽黒町、立川町、西川町とに境を接している。  地質的には花崗岩、第三紀層を基盤にして、月山中央火山、姥ヶ岳火山、御浜火山、湯殿山火山等々からなる複式火山である。なかでも、月山火山は規模も大きく、1500m以上の東側に火山の原形を残し、緩やかな半月型の優美な姿を形成している。この山姿から臥牛(がぎゆう)山とか犂牛(くろうし)山ともいわれる。  一方、西側は古い爆裂火口壁で、溶岩流と噴出物の重なり合った荒々しい縞模様を望むことができる。  弥陀ヶ原から山頂へと続く表参道の途中に小さな崖が何カ所か見られる。これは、月山火山が間欠的に噴出した溶岩流の末端にあたる所といわれている。8合目の弥陀ヶ原は溶岩台地上の広い湿地帯で、肘折コースの念仏ヶ原とともに高山植物の豊富な所として知られている。  日本海から近いため、冬の季節風は多量の積雪をもたらし、東側に大雪城(おおゆきしろ)をはじめとする雪田や越年雪を残す。月見ヶ原の雪田は、小型のカールのような凹地で、典型的な雪窪地形をなしている。さらに、その内部には、半月形の月食堤や階段状砂礫といった氷河周辺に発達する地形が見られる。そして、この雪が亜高山針葉樹林を極度に貧弱にしてきた。東北という位置もさることながら、月山の多雪さを物語っている。  山頂の月山神社には、農業の神「月読之命」を祭り、開山は崇峻天皇第一皇子の蜂子皇子とされている。山頂とはいっても目立った頂はなく、ヒナウスユキソウ、クロユリ、ハクサンイチゲ、チングルマなどが咲き誇り、神泉池をのせる広大な高原である。鍛冶小屋跡への下り口の所に松尾芭蕉「雲の峰いくつ崩れて月の山」の句碑が立っている。  7月から8月にかけては、五穀豊穣、家内安全、海上安全を願う白衣に金剛杖の道者で今でも大いに賑わう。登拝路は、八方七口といわれていたが、月山高原ラインの羽黒口、国道112号の六十里越街道からの姥沢口と仙人沢有料道路経由の湯殿山口が整備されている。いずれの登山口からも2~3時間の登高で容易に山頂に立てる。  また、近年のレジャーブームを反映して、4月になると雪に埋まったリフトを掘り起こして、スキー場がオープンする姥ヶ岳南・東斜面や姥沢を中心に夏まで多くのスキーヤーで賑わう。しかし、リフトで運び上げられた人々と、多雪で守られてきた植生のバランスの崩れが年々大きくなっている。

往復 日帰り 5時間25分
姥沢からリフト利用で月山往復 日帰り

コース定数:23

縦走 日帰り 7時間7分
姥沢から姥ヶ岳を経て月山へ登り、弥陀ヶ原へ 日帰り

コース定数:27

往復 日帰り 7時間50分
湯殿山神社本宮から月山往復 日帰り

コース定数:30

縦走 一泊二日 12時間20分
肘折温泉から念仏ヶ原を経て月山へ 1泊2日

コース定数:55

中国・四国 (愛媛県)

石鎚山 

標高1,982m

 愛媛・高知県境を東西に連なる石鎚山脈の主峰で、徳島県の剣山とともに四国を代表する山である。愛媛県西条市と久万高原町の境界に位置する。  山頂は細長い岩稜で中央部に石鎚神社頂上社のある弥山(みせん、1974m)、南寄りに西日本最高峰天狗岳が天にそびえる。周囲は目もくらむような断崖絶壁で、安山岩の柱状節理がほぼ垂直に立つ。三角点は弥山北西の標高1921mの地点にある。  石鎚山は見る方向によって山容がさまざまに変化する。南の石鎚スカイラインからは、先端のとがったピラミッド型、西の面河方面からは、ギザギザの岩峰がそそり立ち、東の瓶ガ森付近からは、どっしりとした重厚な姿を見せる。  山頂の岩峰の形が山名の由来とされるが、石之霊(いしづち)(ツは「之」の意、チは霊力をもつ神や物を意味する古代語)という説もある。また、『古事記』には石土毘古命(いわづちひこのみこと)、『日本霊異記』には「石槌」などの名が記され、万葉の歌人山部赤人が「伊豫の高嶺」と詠んでいる。日本七霊山の1つに数えられる石鎚山は、石土毘古命を神とし、古くから御神体山として崇拝されてきた。奈良時代、役小角が開山して蔵王権現を祭ったと伝えられ、以後修験道場として栄え、青年期の空海も修行している。平安期には熊野修験の影響を受け、近世に入って一般庶民の登拝が盛んになり、このころに岩場に鎖がかけられた。明治維新の神仏分離令により石鎚山は権現号を廃止し、神社となった。頂上社、成就社、土小屋遥拝殿、山麓の本社の4社を総称して石鎚神社と呼ぶ。  毎年7月1日~10日までがお山開き大祭で、智仁勇を象徴する3体の御神像が頂上に安置され、各地の信者をはじめ、一般の登山者数万人で賑わう。頂上では、白装束の信者が御神像を体にこすりつけて無病息災を祈願する。  石鎚山の植物は暖帯から亜高山帯まで分布し、土小屋付近のウラジロモミ、山頂付近のシコクシラベなどの純林は見事である。また、ハクサンシャクナゲ、ミヤマダイコンソウなどの貴重な高山植物も見られる。  西条側の登山道を表参道、面河側を裏参道という。西条側にロープウェイ、面河側にスカイラインが開通してからは、西之川下谷と土小屋が新登山口となった。ルート上の岩場には一ノ鎖、二ノ鎖、三ノ鎖などの鎖がかかっており、巻き道もある。表参道はロープウェイ終点から成就社を経て山頂まで3時間30分。土小屋から山頂は2時間。  山頂からは360度のパノラマが展開し、瀬戸内海や太平洋から、はるか九州の阿蘇山、中国山地の大山までも望める。

往復 日帰り 8時間20分
面河溪から石鎚山往復(面河ルート) 日帰り

コース定数:38

往復 日帰り 9時間54分
西之川から石鎚山往復(御塔谷ルート) 日帰り

コース定数:43

上信越 (群馬県 新潟県)

谷川岳 

標高1,977m

 谷川岳は「耳二ツ」といわれ、沼田市や月夜野町(つきよのまち 現・みなかみ町月夜野)方面から見ると、ちょうどネコの耳のような双耳峰に見えるので、手前をトマの耳、奥の高い方の峰をオキの耳と呼びならわしている。  トマの耳は古くから薬師岳とも呼ばれ、山頂には石造りの薬師瑠璃光如来が祭られていたという。一方、オキの耳には、富士山の浅間菩薩が地元の人たちに福を与えんとして降臨したとの伝説も残り、別名谷川富士と呼ばれる。  元来谷川岳は、谷川本谷の北方にそびえる俎嵓を指していたのだが、陸地測量部が誤って、薬師岳に谷川岳と名称をつけた。ジャーナリズムが遭難の起こるたびに「谷川岳」の文字を使用した結果、今日では1963m峰(トマの耳)が谷川岳ということに定着したという。  昭和6年(1931)9月、上越線が開通した翌月、土樽(つちたる)側の万太郎谷で東京の一青年が疲労凍死し、登山者による遭難第1号となった。  谷川連峰の特異性については、次のような点が考えられる。  登山人口の多い首都圏に近くて交通の便がよく、アプローチが短いので、すぐに山に取り付ける。スポーツ登山や大衆登山の普及と相まって、絶好の登山地となった。  日本列島脊梁地の一部として、この山域の局地気象の複雑さは特異ともいえる。東京と清水峠の気温の差は、夏でも9~10度あり、加えて強風、豪雪、雪崩、濃霧といった悪条件が重なる。  標高は2000m内外であるが、峻険な岩壁を有し、高山性を帯びた山々である。地質も複雑で階層状をなし、多様な岩石が分布し、それが地形や植物分布に大きな影響を与えている。例えば、豪雪との関連もあるが、針葉樹林帯がほとんど見られない。  昭和42年(1967)から、群馬県の谷川岳遭難防止条例により、危険地区への入山の届出制や冬山の一時的登山自粛または禁止など規制が行われている。また、毎年融雪期にあたる3月末から5月中旬にかけては、気温上昇による雪崩の発生が予想されるため、危険地区の登山を禁止している。  昭和13年(1938)7月1日、スポーツ登山としての第1回山開きが行われた。西黒沢からガレ沢(当時の主要コース)をつめて尾根に登り、ザンゲ岩から山頂に出た。以後7月の第1日曜日は「安全登山の日」として、現在も山開きの日になっている。  ロープウェイを利用する天神平コースが所要2時間30分。厳剛新道コースは土合駅から4時間40分。西黒尾根コースは土合駅から4時間30分でそれぞれ山頂へ。

縦走 日帰り 6時間10分
谷川岳・西黒尾根から天神尾根へ 日帰り

コース定数:30

縦走 日帰り 6時間28分
巌剛新道から谷川岳に登り天神尾根へ 日帰り

コース定数:30

上信越 (群馬県 新潟県)

巻機山 

標高1,967m

 上越線に沿った塩沢、六日町の辺りから眺めると、平野部に面してそそり立つ金城山の背後に、ピラミッド型の割引岳から巻機山へと延びる頂稜が大空を画している。山名の由来は、頂上一帯が御機屋と呼ばれ、美女が機を織っていたという伝説によるもので、山麓の大木六村(現・南魚沼市大木六 おおぎろく)に、機織りの女神である栲幡千々姫命が、巻機権現として祭られている。  六日町駅からバスで行ける登山口の清水は、登川最奥の集落で、昔は越後から上州に通じる清水峠越えの番所があったが、現在は民宿の村となり、ここで1泊しての日帰り登山者が多い。  登山コースは、桜坂から桧穴ノ段と称する尾根伝いの道・井戸尾根コースが一般的。沢沿いを歩く「割引沢コース」と「ヌクビ沢コース」は上級向けで、下山での利用は禁止となっている。 山頂から柄沢山、大烏帽子山を経て清水峠に至る縦走路は、2日間の行程で清水へ周回できるが、こちらも上級向けだ。

周回 日帰り 8時間45分
ヌクビ沢から巻機山へ 日帰り

コース定数:35

往復 日帰り 10時間50分
井戸尾根から巻機山往復 日帰り

コース定数:41

上信越 (新潟県 長野県)

雨飾山 

標高1,963m

妙高山群の西端に隆起する山で、北陸本線の糸魚川から大町に至る大糸線の根知(ねち)駅、中土駅から入山する。姫川沿いの街道から仰ぎ見る雨飾山は、海谷山塊の岩峰、駒ヶ岳を近景として、猫ノ耳と呼ばれる双耳峰を聳立させており、昔から「塩の道」を往来する旅人に親しまれてきた。山麓の住民は毎年5月5日に風祭りの登拝行事を続け、頂上の石祠に御神酒を捧げて風除け、豊作を祈願してきたといわれる。 登山の対象としては、昭和の初めごろから注目されてきたものの、雨飾温泉から薬師尾根道の伐開が昭和37年、小谷(おたり)温泉からの道は同44年、姫川温泉から横川林道経由の道が同52年と、一般の登山者に解放され、注目されだしたのは近年のことである。 山容は第3紀層を貫く閃緑ひん岩でドーム状を呈し、南面の布団菱と称する乳灰色の巨大な岩壁は壮観で、前沢奥壁とともにロッククライミングの対象とされている。 一般路は雨飾温泉、小谷温泉コースが、いずれも約4時間で登頂できる。また、昭和47年に雨飾温泉から海谷の鋸岳への登山道が新設され、同岳の南鞍部から雨飾山への巡回道もでき、登山者の関心を呼んでいる。 雨飾温泉へのアクセスは、糸魚川駅から登山タクシー「雨飾山登山タクシー(予約制)」が出ており、片道1000円(2019年現在)と利用しやすい。

往復 日帰り 7時間20分
雨飾温泉から雨飾山往復 日帰り

コース定数:28

縦走 二泊三日 10時間10分
雨飾高原から雨飾山へ登り、雨飾温泉へ 2泊3日

コース定数:38

中国・四国 (徳島県)

剣山 

標高1,955m

 徳島県の三好市、美馬市、那賀郡那賀町の境に位置する。西日本では、石鎚山(いしづちさん)に次ぐ第2の高峰である。昭和45年に剣山登山リフトが開設されてからは、急激に登山者の数が増え、今では観光の山に変貌している。とはいえ、高山の雰囲気を充分味わえる白骨林、ブナ、シデなどの大樹の原生林、一面のミヤマクマザサなど、すばらしい魅力は変わらない。  頂上からの展望は実によく、南西には次郎笈(じろうぎゅう)がどっしりと座り、その尾根のさらに西には丸石(まるいし)、白髪山(しらがやま)、三嶺(みうね)と続き、すばらしい縦走路となっている。徳島県内の主要山岳はもちろん、遠く石鎚山も望むことができ、条件のよい日には伯耆大山を望むこともできる。また、ミヤマクマザサなどの植生を守るため、山頂一帯には木道が設置されている。  剣山は山岳信仰の山でもある。毎年7月の例祭には、各地から白装束の信者が集い、ソロモンの秘宝や鳴門秘帳など、話題も多い。  登路は、見ノ越から西島を経て刀掛または大剣神社経由で頂上へ向かうものが一般的だが、その他、一ノ森経由のお花畑コース、穴吹川からのコリトリコース、南面木沢村からのホラ貝ノ滝コースなどがあり、それぞれ趣がある。

往復 日帰り 1時間15分
登山リフトで剣山へ 日帰り

コース定数:6

往復 日帰り 2時間50分
剣山から次郎笈へ 日帰り

コース定数:13

九州・沖縄 (鹿児島県)

宮之浦岳 

標高1,936m

 屋久島のほぼ中央に位置し、九州の最高峰。山体は四万十層の基盤岩に貫入した花崗岩で、山容は女性的である。  屋久島は九州本土最南端の佐多岬から70kmの黒潮洗う中にある。南北25km、東西27km、周囲わずか105kmのハート型をしたこの島には、1500m以上の高峰が11座、1000mを超える山が30座以上もあり、洋上のアルプスである。  海岸線からは、宮之浦岳などの高峰は見ることができないので、奥岳とも呼ばれ、これらを囲む前衛の峰を前岳と呼ぶ。また、宮之浦岳、永田岳、黒味岳を三岳(みたけ)、または御岳と呼び、翁岳、安房岳(あんぼうだけ)、投石岳(なげしだけ)、筑紫岳(ちくしだけ)を含めて八重岳とも呼んでいる。  屋久島の骨格をなす山々の稜線は、宮之浦岳からほぼ四方に延びる。全山花崗岩からなり、山頂近くは風化、浸食された奇岩、怪石が多い。一帯は低いヤクザサに覆われ、矮小化したヤクシマシャクナゲが点在し、花期の6月上旬には登山者の目を楽しませてくれる。  豊富な雨量により渓谷も発達し、山肌を深く浸食しながら島の中央から無数の河川が海に注ぐ。宮之浦岳を源流とする宮之浦川、小揚子川、安房川などは日本有数の峻険な谷である。  山頂西側の花崗岩の割れ目には、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)を祭る宝珠大権現の社があり、宮之浦にある益枚(やく)神社の奥宮として、古くから島民の岳参り信仰の中心となった。春は日帰りで五穀豊穣、国家安穏、延命息災を祈願し、秋は大願成就のため2泊3日で参詣した。必ず各集落から参拝し、女人禁制で登られていた。  昭和40年代まで安房川中流域小杉谷を中心に、伐採が盛んに行われた。島の南東の安房集落から小杉谷まで軌道が敷かれ、トロッコによって屋久杉を運搬していた。現在では輸送手段がトラックに変わり、島の四周に林道が延び、これを利用した登山コースが多い。  花崗岩の山頂からの展望は抜群。島とは思えない雄大なスケールで、島の山岳はもとより、晴天時には遠く九州本土佐田岬や開聞岳、口永良部(くちのえらぶ)島、種子島も浮かんで見える。  島の中央宮之浦岳への登山道は四方に拓かれ、代表的なコースは、楠川―小杉谷―縄文杉を眺め、宮之浦岳まで約20km、12時間。永田―鹿之沢―永田岳―宮之浦岳は約14km、9時間。他に栗生―花山歩道―鹿之沢。湯泊―湯泊歩道―花之江河(はなのえごう)―宮之浦岳。尾之間―尾之間歩道―花之江河。屋久杉ランド―安房歩道―花之江河などがあるが、一般日帰りコースは、淀川登山口(よどごうとざんぐち)―花之江河―宮之浦岳、約8km、所要5時間などである。山小屋は淀川、石塚、鹿之沢、高塚にある。

往復 日帰り 9時間10分
淀川登山口から宮之浦岳往復

コース定数:34

縦走 一泊二日 13時間55分
淀川登山口から宮之浦岳に登り、荒川登山口へ 1泊2日

コース定数:49

縦走 二泊三日 15時間15分
宮之浦岳・永田岳 淀川登山口から永田へ

コース定数:50

縦走 三泊四日 16時間
白谷雲水峡から宮之浦岳を経て紀元杉へ 3泊4日

コース定数:60

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