行程・コース
天候
快晴
登山口へのアクセス
バス
その他:
(行き)奥多摩駅7:27発の東日原行きバス(直前に川乗橋行き臨時便が出ました)にて倉沢バス停(7:48着)
(帰り)さわらびの湯バス停(17:55)より国際興業バスで飯能駅
この登山記録の行程
倉沢バス停(7:48)・・・倉沢のヒノキ(8:02 8:07)・・・倉沢林道(8:17)・・・魚留橋(8:55 8:59)・・・棒杭尾根取付き(9:13 9:19)・・・・・・棒杭の頭 (10:43)・・・ 仙元峠(11:17 11:22)・・・蕎麦粒山(11:36 11:56)・・・柱谷ノ峰 (12:08) ・・・オハヤシの頭 (12:27)・・・日向沢ノ峰 (12:32)・・・長尾ノ丸 (14:06)・・・槇ノ尾山 (14:33)・・・棒ノ嶺 (14:49 15:10)・・・ 権次入峠 (15:18)・・・岩茸石 (15:30)・・・白谷橋(16:20)・・・さわらびの湯(16:45)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
新緑の棒杭尾根を登り、蕎麦粒山から棒ノ嶺(棒ノ折山)まで長沢背稜から連なる都県境尾根の空白区間を繋いできました。峰走る新緑、芽吹き始めの稜線、まだ咲き残っていたアカヤシオの花との再会、早くも開花し始めたミツバツツジ。距離も長かったけれど、楽しみもたっぷりでした。
今年は3月以降平年を超える気温が続き、春の花の開花時期が2週間ほど早いようだ。「トマトとケチャップ」さんの4月19日のレコによれば、奥多摩の高岩山(標高900m)でシロヤシオの開花を確認したという。これは流石に気の早い株の例だとしても、シロヤシオの大ファンを自認する出戻り登山者としては、やはり気になるのである。
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=123693
そこで今回は、シロヤシオの群生地として知られるあたりの様子を見に行く、新緑を楽しむ、長沢背稜から連なる都県境尾根の蕎麦粒山と棒ノ嶺の空白区間を歩くと狙いを定めた。また、当日は快晴ではあるが最高気温26度と信じ難い予報だったので、涼しく登れそうな沢沿いのアプローチを考えたが、川乗林道は車両も人も通行止(2018年4月21日現在)である。そこで、倉沢で都天然記念物である大ヒノキを訪ねてから、倉沢林道の終点から棒杭尾根を登り、シロヤシオの群生地である三ツドッケ(天目山)と仙元峠の中間に出ることとした。
まだ考慮すべき点がある。出戻り登山者の住処からは、倉沢に至る最速経路をグーグル先生に尋ねると、ホリデー快速おくたま1号、奥多摩8:35発の東日原行きバスに乗れというのだが、GW前とはいえ絶好の登山シーズン、とんでもない人混みが予想された。しかも、今回の欲張りな計画は、距離20Km、9時間ほどの歩行が見込まれる。まして初めて登る棒杭尾根はいわゆる破線ルート(バリエーション扱い)でどれくらい時間がかかるか読みきれない。ゴールのさわらびの湯で、一風呂浴びたいがこちらも営業時間が18時まで。もっと歩き出し時間を早くしたかった。
自分で時刻表を調べていたら、自宅から東京駅まで歩いて4:58発の中央線各駅停車を乗り継いで行けば、奥多摩駅7:27発のバスに乗車できることが判明。狙いは当たって、朝の奥多摩駅は大勢の登山客がいたとはいえ、ごった返すようなことはなかった。まあ、それでも川乗橋に向かう登山客だけまとめて臨時便が出るのだから、大人気というわけだ(でも通行止めなんでしょ?奥多摩ビジターセンターのHPによれば工事は4月27日までとなっていた)。
首尾よく当初計画よりも1時間早く倉沢バス停に降り立ったのは、2人だけ。静かな山歩きができそうだ。まずは、往復30分ほどかけて倉沢ヒノキを訪ねる。幹回り6mを超える巨樹で、天然記念物に指定された時にでも整備されたのか、道もしっかりしている。
倉沢バス停に戻り、改めて倉沢林道へ。新緑も素晴らしく、途中小さな滝なども現れるなかなかの渓谷美。棒杭尾根取り付きまで1時間の歩行は喜びに満ちていた。魚留橋から先は落石や倒木、路盤が崩落している箇所もあったが、徒歩であれば問題なく通過できる。
棒杭尾根は、「山と高原地図」では破線コースとなっていて、コースタイムも表記されていない。道標は全くなく、まばらに赤テープが出てくるだけだが、踏み跡は明瞭で危険箇所もない。尾根の取り付きから針葉樹の植林の中を急登が続くが、上部はとても気持ちの良い落葉広葉樹で、途中早くも満開となったミツバツツジなどを楽しみながら登る。まだ芽吹き始めの樹間からは長沢背稜、振り返ると鷹ノ巣山など石尾根や富士山も見える。人とは全くいきあわず、静かな山登りが楽しめる。棒杭ノ頭で長沢背稜に合流するが、私の足で徒歩1時間半。倉沢バス停から合計2時間半で長沢背稜に達することができるから、これは利用価値が高いコースではないだろうか。
棒杭ノ頭から仙元峠は秩父側を中心にシロヤシオの群生地で、目を凝らしながらシロヤシオを探す。木というのは、花も葉もない状態ではなかなか区別できない。シロヤシオの古木は樹皮が松のようにひび割れる特徴を手掛かりに探す。標高1500m弱の稜線では、数株が芽吹き始めたという状態。それが花芽なのかもわからず、花付きの良し悪しも私には全く不明。
蕎麦粒山にも棒ノ嶺にもそれぞれ登ったことはあるが、その間は未踏区間。長沢背稜の定義は、おおよそ芋ノ木ドッケから三ツドッケ(天目山)あるいは蕎麦粒山あたりまでを指すらしいのだが、ファンとしてはその先、棒ノ嶺までつなげてみたかった。蕎麦粒山から柱谷ノ峰、オハヤシノ頭を経て日向沢ノ峰(ひなたさわのうら)までは切り開かれた明るくたおやかな防火帯をいく。石尾根に雰囲気が似ている。
日向沢ノ峰から雰囲気が一変し、薄暗い植林された針葉樹の中を急下降する。木の根が張り出し、泥で滑りやすい急斜面なので要注意。長尾ノ丸までは山ナシ山、クロモ山などの小ピークを挟み断続的に急斜面を下る。正直うんざりだなと思っていたところに、標高1200mあたりでアカヤシオが咲き残っているのを見つけた。それから標高1000m付近まで北斜面のそこかしこにアカヤシオが咲いている。流石にピークは過ぎていたが、疲れてうんざりしていた出戻り登山者には大いなる慰めとなった。長尾ノ丸や槇ノ尾山など標高1000mを割り始めると今を盛りの新緑が目を楽しませてくれ、林床にはカタクリの花も咲いている。あー、流石に疲れたなあという頃合いに、ようやく本日最後のピーク棒ノ嶺(棒ノ折山)に到着。かなりの登山客が、思い思いに過ごしていた。そろそろ15時という時間だが雲ひとつ無い天気で、周囲の展望を楽しんでから下山する。
ここからは通い慣れた白谷沢だが、いつも上りばかり。今回は沢沿いの岩場を、陽の光が弱くなった谷筋を下るのだから、もう一度注意力を高めて下る。新緑に滝にゴルジュと、ここはいつ来ても綺麗だ。さて、さわらびの湯に到着すると、稜線ですれ違ったトレラン大会のゴールがここだったらしく、なかは芋洗状態。洗い場に裸で行列とは・・・。営業終了時間も18時、飯能行きのバスは17:55発だから、そそくさと体を洗い、それでも露天風呂にはしっかりつかって、帰途につきました。歩行距離20Km、時間にして8時間。今シーズン初めてがっつり歩きました〜。
コース定数45.6で、日帰りコースとしてはギリギリの健脚向け(長野県山のグレーディングによれば、1泊以上が適当とされるレベル)。破線コースの棒杭尾根は踏み跡もしっかりしている。主観的グレードB。水は2.5L持参したが飲み尽くしてしまった。途中水場はない。積算標高差はGPSの記録値だが、過大であるように思われる。
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