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穂高~大キレット~槍/あの空間の向こうへ

奥穂・北穂・槍ヶ岳( 北アルプス・御嶽山)

パーティ: 1人 (勅使河原彗碧院 さん )

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行程・コース

天候

1日目曇り後雨、2日目曇り時々雨、3日目晴れ時々雨、4日目晴れ時々雨

利用した登山口

上高地バスターミナル  

登山口へのアクセス

バス
その他: マイカーにてアカンダナ駐車場まで、そこからバスで上高地。
帰りの上高地では沢渡駐車場行きのバス待ちは500mくらいの列が、それこそカッパ橋まで出来ていました。恐らく2~3時間待った事でしょう。
アカンダナ駐車場だと列は100m程、次から次へとバスが来てあっという間に進み、待ち時間は10分ほどでした。沢渡駐車場は安易に利用するべきでありません。
タクシーも200mくらいの列でした。バスの様にスムーズには流れなかったと思います。
アカンダナ駐車場を利用すべきです(ここだけの話)。4日で2,400円。

この登山記録の行程

【1日目】
上高地バスターミナル(11:30)・・・河童橋(11:35)・・・岳沢小屋(14:20)

【2日目】
岳沢小屋(06:42)・・・岳沢パノラマ(08:50)[休憩 15分]・・・紀美子平(10:15)[休憩 10分]・・・最低コル(11:00)[休憩 5分]・・・奥穂高岳(12:40)[休憩 10分]・・・穂高岳山荘(13:20)

【3日目】
穂高岳山荘(05:25)・・・涸沢岳(05:40)[休憩 15分]・・・涸沢のコル(07:00)[休憩 10分]・・・北穂高岳(08:20)[休憩 35分]・・・A沢のコル(10:20)[休憩 15分]・・・南岳小屋(12:25)[休憩 45分]・・・天狗原稜線分岐(13:30)・・・中岳(14:35)[休憩 10分]・・・槍ヶ岳山荘(16:25)

【4日目】
槍ヶ岳山荘(05:05)・・・槍ヶ岳(05:25)[休憩 20分]・・・槍ヶ岳山荘(06:05)[休憩 40分]・・・槍ヶ岳殺生ヒュッテ(07:05)・・・グリーンバンド(07:20)[休憩 2分]・・・天狗原分岐(07:50)[休憩 5分]・・・水俣乗越分岐(08:30)[休憩 10分]・・・ババ平(09:00)[休憩 3分]・・・槍沢ロッヂ(09:25)[休憩 50分]・・・一ノ俣(10:35)・・・横尾(11:25)[休憩 2分]・・・徳沢(12:15)[休憩 45分]・・・明神(13:50)[休憩 2分]・・・河童橋(14:35)・・・上高地バスターミナル(14:40)

コース

総距離
約33.5km
累積標高差
上り約3,404m
下り約3,404m
コースタイム
標準25時間5
自己24時間14
倍率0.97

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

ついにこの日が来ました!いよいよ大キレットへのチャレンジです。10ヶ月待ちました。あの空間の向こう側(北穂小屋から槍ヶ岳方面)へ挑みます!
と同時に奥穂と槍ヶ岳も登頂しちゃいます!


1日目
上高地~カッパ橋~岳沢小屋

上高地から入り、岳沢小屋まで移動する事がこの日の目的です。自宅から上高地まで8時間ほど掛かるもんですから、初日はこのくらいの目標が適切です。途中危険個所や難所はありません。
テントの良い場所を確保する為には少しでも早く到着する必要がありますが、岳沢のテント場は、上に行くほどよい場所があります。小屋から離れて不便になりますが、上の方が絶対良いです。小屋から上がるにはその都度息が上がります。氷結1本500円で購入。
夜になって豪雨となり、テントが水溜りになってテントはウォーターベッドの様になりました・・・・シームシールをしっかりしておいたので漏れては来ませんでしたが、シルナイロンって水が透けてくるんですねえ。じわじわと染みてきてお尻はすっかり濡れてしまいました・・・。次の日の朝も霧に包まれており、眺望は望めませんでした。




2日目
岳沢小屋~重太郎新道~紀美子平~吊尾根~奥穂~穂高岳山荘

朝からずっと曇り時々雨の状態で天候は良くなかったですが、日差しが無かった分辛くなかった様に思いました。紀美子平到着時に霧に包まれた小雨だった為、前穂へ上がるのをやめてそのまま奥穂へ。雨が少量だった為危険も無く、奥穂頂上でも霧に包まれ眺望も無く、山荘まですんなりと到着・・・。残念な一日で印象が殆ど残っていません。
13:20、穂高岳山荘のテント場はまだ空きがあり、良い場所が確保出来ました。この時なんと(?)「No.1」の幕営許可証をゲット。ちょっとした記念になりました。いや、一生の記念になりました!氷結1本500円で購入。ウマシ!
穂高岳山荘はとても華やかで雰囲気の良い山荘で、設備も多分充実しています。テント場には小さな区画が多いので、大き目のテントの場合は上の方を探す必要があります。ここのスゴイところは、宿泊者のゴミを捨てさせてくれるところです。天気さえ良ければテントサイトからは最高の眺望が望めます。風が強い事があるのでテントには張り綱等の風対策が必要です。




3日目
穂高岳山荘~涸沢岳~北穂~大キレット~南岳小屋~中岳~大喰岳~槍ヶ岳山荘

この日は夜中から雲が晴れてきて、なんと街の夜景が!後で調べてみると、塩尻市辺りの夜景が見えていた様です。朝から天候も良く、テンションが上がります。
5:25にテント場を出発、まずは涸沢岳を越えて行きます。山頂までは20分程、去年も来ましたが、ここからの眺めは最強です!今日も天気が良く、南を見れば奥穂・前穂・山荘は勿論、ジャンダルム・西穂、東には涸沢カールに涸沢ヒュッテ・大量のテントが見え、北を見れば北穂・大キレット・槍ヶ岳、西には笠ヶ岳が見えます。前穂の向こうには富士山も望めます。角度が丁度良く、全部見えるのがココ涸沢岳なのです。
涸沢岳は平地が無いので長居がしんどいのですぐ北穂を目指します。記念写真を撮ろうにも立て札の向きが悪く足場も無いので記念写真は撮れません。自撮り棒があればなんとか撮れるでしょう。ここから北穂までのルートは上級者向けのかなりクレイジーな岩場です。1ミスでライフ1失います。
8:20北穂山頂。ココまでは快晴でした。これから足を踏み入れる大キレットもよりド迫力に迫って見えます。写真を撮ったらすぐ下の北穂小屋へ移動。
・・・・ココの山小屋は最高です!「日本一じゃないの?」としか思えない絶景のテラスは残念ながら満席でしたが、この空間の持つ空気感というか、雰囲気が最高です!いつかはここに泊まりたい!!1L200円で水を買い足し、いざ大キレットへ踏み出します。大キレットの側は立ち入り禁止じゃないのに全く人が居ないんです。

この入口には人を寄せ付けない、「行き止まり」の様な雰囲気があります。今日はその
『特異な空間』の向こうへ移動すべく、
『行き止りのガケ』を降りて行きます。

こちら側から行く場合、「長谷川ピーク」までが難所となり、あとは割かし平穏なルートです。8:55、下り始めていきなり「落石地帯」が続きます。1度でも石を落とすと・・・運が良ければきっと怒られます。悪ければ下の人が大事故に・・。
梯子やクサリの無い難所が多いですが、一つ気づきました。
下りで次の足場に足が届きそうにない処に居て、あと僅か20センチほど飛び降りようかどうしようか迷っている時、絶対に飛び降りてはいけません。
その足場に「腰を下ろす」様に座ってみれば答えが見えてきます。
手袋が強力に効いて順調に難所をクリア。素手の人が多かったですが、アレ絶対手が痛いと思います、10:40に長谷川ピークに到達。

はっきり言って、ここまでは鎖だらけです。皆さん多分手が痛いので鎖を使わず岩にしがみついていましたが、絶対クサリを掴んで上り下りできた方が楽で安全です!是非荷役用手袋をお試し下さい!

ここまでは雨も降らず良かったのですが、終始雲が掛かっていて景色は望めませんでした。
無事危険地帯を抜け、12:25に南岳小屋に到着。
昼メシにラーメンを頂きました。悪くないお味です。食べながら地図をじっくりと見て、いろいろと計算しました。その結果、「進む」事に決定。
いつもテント泊で計算しているが、一泊小屋泊にすれば時間が浮く、との結論に達し、槍ヶ岳山荘を目指し南岳小屋を出発したのが13:10。この時点で「山荘16時以降決定」です。
雨に降られて苦労しましたが、危険なところはなく16:25槍ヶ岳山荘到着。到着直前に雨が本降りになってきましたが、「このまま行けェ!」というつもりで濡れ山行しましたが、ちっとも直前でなかった様で。身も心もすっかりズブ濡れに・・・。
案の定テント場は「いっぱいです」の立て看板。
2日間雨が降り濡れたものを乾かす暇がないものですから、3日目は迷わず山荘に宿泊を決めました。帽子のつばから雨水を滴らせながら「お願いします。」と受付。受付嬢もそんな人は見慣れた様子で「うぐいすB5です」と説明してくれました。
1泊と夕食で8500円。この近隣の小屋泊の相場は高いですが(一泊2食付きで9500円が相場)、その分感動も高いですよ。この贅沢には十分な価値があります!
なんせ殆ど初めての山荘泊り、それも名勝:槍ヶ岳山荘です。650人収容できる正しく『要塞』です。見た目も機能もまるっきり『要塞』です。ただ兵器が無いだけ。(ヒートガンの様な兵器がありました)巨大な空の要塞に大興奮!外は雨でしたが山荘も山の醍醐味の一つです。
㋇13日は槍ヶ岳も山荘も大変な大盛況だった様でかなり心配していましたが、14日は連休最終日前の夜という事で、混雑はさほどでもなかった様です。8人のカイコ棚に5人でしたのでゆったり広々と使えました。
耳栓を持参していたので就寝時は全く物音が聞こえませんでしたが、興奮のせいか中々眠れませんでした。とにかく寝心地や使用感は問題ありませんでした。布団や枕も臭く無かったですよ。
館内の特に売店は今まで見た山小屋の中では最強の規模で、こんな店で買い物していたらいくらでも使ってしまいそうです。商品力は非常に強力です。又、館内には2つの自動販売機があり、20時まではビールや氷結が販売されており、又売り切れ知らずの底なしです(?)。酒が無くて困る事は恐らく無いでしょう。空き缶はゴミ箱に捨てられます。そして勿論氷結1本500円で購入。
水は限りがありますので、蛇口の出は細いです。トイレは全館ボットン式ですが、心配はいりません。朝食は・・・きっとおいしいと思いますが、時間に縛られる為、安直にオススメはしません。




4日目
槍ヶ岳山荘~槍ヶ岳~グリーンバンド~天狗原分岐~ババ平~槍沢ロッジ~横尾~徳澤ロッジ~明神~カッパ橋~上高地

最終日です。明け方からようやくウツラウツラ出来たのでもうちょっと寝ていたかったのですが、4:45に起床、濡れていたズボンも乾燥室のお陰で乾いていたので5:05に空荷で山荘を出て槍ヶ岳の山頂に5:25到着。渋滞もさほどではなかった、という感じです(昨日は3時間掛かったそうです)。この朝がサイコーの天気で、360度総てが見渡せました。この為にココに来たのですから、感動も一入!
槍ヶ岳では、
⓵登りで順番待ち
⓶頂上の記念撮影で順番待ち
⓷下りで順番待ち
という流れになります。
「順番待ち」している間に景色を見たり写真や動画を撮ります。そうすれば「待たされた感」ゼロです。
双眼鏡があるととてもイイです。是非お勧め。ヘルメットは要らないかも。
山荘まで戻り、荷物をまとめて再出発したのが6:45。あとは只管下って歩くだけです。8:40頃、沢の水でα米を戻しておいて、9:40に槍沢ロッジで氷結とともにメシ。件のα米は・・・・戻ってねーじゃねーか!
パリパリで喰うのに往生しました。やはりα米は熱湯で戻すのが粋の様です。
テント場のみのババ平から上高地方面は坂は殆どない平坦な道が延々と続きます。槍沢を10:15に出て横尾に着いたのが11:25、ここから更に10キロある様です・・・・知らずに歩いた方が良いかも。12:15徳沢園についてもう一度メシ。900円でカレーを注文、可も無く不可もなく。とはいえ十分ウマイんです。
小じゃれたテラスでカレーを喰っている最中に雨が・・・その後本降りになり、上高地までカッパを着て移動。
13:00に徳沢を出て上高地に着いたのが14:40ですが、河童橋を過ぎてすぐ行列に遭遇し、

A「これ何の列ですか?」
B「沢渡駐車場行きのバス待ちです」

という会話を耳にし、じゃあ、アカンダナ駐車場行きは!・・・?とキモを冷やしましたがアカンダナ行きは並んでみればすぐでした。




初の3泊4日の山行でしたが、3泊となるともう大冒険です。山では1日の内の天候の変化が大きい事を改めて実感しました。4日全て雨に降られましたが、天気のいい場所もありました。奥穂で天候に恵まれなかったのは残念ですが、荷物が乾かない時などテントを担いでいても山小屋を利用するのもいいものだと思いました。但し小屋は選ばないといけないかも。

今回の山行では、16.5~6だった体脂肪率が9.6にまで減っていました・・・。登山ってホントにすごいんですね。それだけ過酷だったという事でしょうか。コース定数は91でした。
全備重量15.523kg。(ポール、手袋、帽子、熊鈴除く)
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                   

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック 水筒・テルモス ヘッドランプ タオル
帽子 グローブ サングラス 着替え 地図 ノート・筆記用具
腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ 修理用具 ホイッスル
医療品 虫除け 熊鈴・ベアスプレー 非常食 行動食 テーピングテープ
トレッキングポール GPS機器 ストーブ 燃料 ライター カップ
クッカー カトラリー
【その他】 ラジオ、イス、テーブル、双眼鏡、バチヅル、ゲータレード粉末、保護帽、タープ、ガイライン9本、酒5合

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登った山

槍ヶ岳

槍ヶ岳

3,180m

大喰岳

大喰岳

3,101m

中岳

中岳

3,084m

南岳

南岳

3,033m

北穂高岳

北穂高岳

3,106m

涸沢岳

涸沢岳

3,110m

奥穂高岳

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