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日本アルプス縦走~日本弧状列島完全人力横断(御前崎~親不知)~

御前崎 南アルプス 駒ヶ根 中央アルプス 飛騨街道(木曽街道) 旧野麦街道 北アルプス 親不知( 南アルプス)

パーティ: 1人 (山車(dashi) さん )

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行程・コース

天候

延べ、コ-ス日数:38日の内、雨による沈殿(行動しないこと):2日。行動:36日

登山口へのアクセス

その他: 全行程を6行程に分け、各行程で記述する。

この登山記録の行程

Round.1:南ア・アプロ-チ(御前崎~畑薙第1ダム)132km;2015年6月30日~7月4日
 御前崎(6/30)・・・牧ノ原・・・蓬莱橋・・・島田(7/1・2)・・・川根・・・塩郷の吊り橋・・・下長尾(7/3)・・・川根大仏・・・千頭・・・接阻峡(7/4)・・・井川湖・・・畑薙第1ダム

Round.2:南ア・南部(畑薙第1ダム~三伏峠)70km;7月19日~24日
 畑薙第1ダム(7/19)・・・横窪沢小屋(7/20)・・・茶臼岳・・・光岳(7/21)・・・上河内岳・・・聖平小屋(7/22)・・・聖岳・・・赤石岳・・・荒川小屋(7/23・24)・・・悪沢岳・・・三伏峠

Round.3:南ア・北部(三伏峠~駒ヶ根)92km;8月9日~13日
 三伏峠(8/9)・・・塩見岳・・・農鳥小屋(8/10)・・・農鳥岳・・・間ノ岳・・・北岳・・・広河原(8/11)・・・甲斐駒ケ岳・・・北沢峠(8/12)・・・千丈岳・・・市野瀬(8/13)・・・中沢峠・・・駒ヶ根

Round.4:中ア・乗鞍岳・焼岳(駒ヶ根~西穂山荘下)130km;9月11日~17日
 駒ヶ根(9/11)・・・駒ヶ池・・・空木平避難小屋(9/12)・・・空木岳・・・宝剣岳・・・宝剣山荘(9/13)・・・木曽駒ヶ岳・・・大原(9/14)・・・<木曽街道>・・・地蔵峠・・・塩沢温泉(9/15)・・・乗鞍岳(9/16)・・・安房峠・・・焼岳(9/17)・・・上高地ジャンクション(以下JC)(西穂山荘下)

Round.5:北ア・南部(西穂山荘下~種池山荘)86km;10月2日~10日
 上高地JC(10/2)・・・西穂山荘(10/3)・・・ジャンダルム・・・奥穂高岳(10/4)・・・大切戸・・・槍ヶ岳(10/5)・・・双六小屋・・・笠ヶ岳(10/6)・・・双六岳・・・三俣蓮華岳(10/7)・・・水晶岳・・・烏帽子小屋(10/8)・・・烏帽子岳・・・船窪小屋(10/9)・・・蓮華岳・・・針ノ木山荘(10/10)・・・針ノ木岳・・・種池山荘

Round.6:北ア・北部(種池山荘~親不知)65km;2016年7月17日~22日
 種池山荘(7/17)・・・爺ヶ岳・・・冷池山荘(7/18)・・・鹿島槍ヶ岳・・・五竜岳(7/19)・・・唐松岳・・・白馬山荘(7/20)・・・雪倉岳・・・朝日小屋(7/21)・・・栂海山荘(7/22)・・・親不知

コース

総距離
約466.1km
累積標高差
上り約25,762m
下り約25,756m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

 ワンゲル育ちの登山スタイルは縦走である。いつか、日本アルプスを縦走したいと考えていた。それを決定的にしたのはトランス・ジャパンアルプス・レースとグレートトラバース(以下GTV)~日本百名山/二百名山一筆書き~である。両者とも、アルプスを弾丸のように駆け抜けた。ステージこそ同じであるが、この旅は、花を愛でながら、時に岩場でドキドキし、頂から来し方を振り返って悦に入る、そんな山旅である。また、3つのアルプスを繋ぐロードセクションでは里ワンを楽しむ。日本アルプス縦走~日本弧状列島完全人力横断(御前崎~親不知)~の旅は、2015年6月30日に御前崎をスタートし、1週間程度の日程、計6回の旅で、翌年の7月22日、ゴールの親不知に到着した。今回は全般を記し、次回から全行程を6回に分け、レポートする。

 北東から南西方向に弓状に連なる日本列島。後から分ったことであるが、その東西方向のほぼ中央を日本アルプスが南北に日本列島を横断している。この日本アルプスは、日本の3,000m峰、21座のうち、火山の富士山と御嶽山を除く19座を擁している。今回の旅ではアルプスを縦走し、17座を訪れる。
 
 この旅のコース設定に当たり、3つの制約目標(OB杭)を設定した。
 ①日本アルプスを縦走すること。
 ②日本列島を横断すること。
 ③完全人力一筆書きとすること。(6回に分けたので、横断コースへのアプローチを除く)
の3つである。③はGTV田中陽希さんのキャッチコピー拝借であるが、幸いにして、このコースには海がないので、金槌の私にも達成することができそうである。
 ゴールは栂海新道を下って、飛騨山脈(北アルプス)が日本海に落ち込む親不知、と既に決めていた。スタート地点選びは難航し、結局、日本アルプスの私的イメージである“川”の字に近づく、御前崎とした。日本アルプスは西から、飛騨/木曽/赤石の三つの山脈からなり、何となく、3本川のイメージを持っていた。結果的にコース全体を眺めると、御前崎は問題ないが、木曽山脈(中央アルプス)が“川”の字には寸足らずなのは、残念であった(画像のFig.1参照)。
 これで基本骨格が決まり、細部設定となるが、これは全行程を6行程に分け、各工程の中で述べることとしたい。
 最後に、設定したコースの検証である。特にOB杭②の日本弧状列島横断についてである。日本列島は北東から南西に弓なりに連なり、弧状列島と呼ばれ、日本アルプスは南北に走っている。そこで東西方向の位置付けを確認した。日本の東西中心の定義によるが、設定横断コース中心と最も近かったのは本土中心(離島を除く、北海道・本州・四国・九州の東西中心)で、その差は経度にして、11分、距離にして約15kmであった(画像のTable.1参照)。また、本土中心はコース東西範囲に含まれており、中心同士も近いので“日本弧状列島横断”と謳っても差し支えないであろう。
 御前崎から大井川、赤石山脈(南アルプス)を北上し、甲斐駒ヶ岳から西進して、仙丈ヶ岳を下り、伊那谷を超えた辺りでコース東西中心を超える。また、列島の東西中心は木曽谷を通っていて、木曽駒ヶ岳を下り、中山道を少し歩き、乗鞍岳(高山方面)に向かう木曽街道(飛騨街道)が始まる辺りで、列島中心を超える。面白いものである。日本アルプスの私的イメージが3本川であることは前述した。その3本川(実際は山脈)を隔てる、木曽谷(木曽川)/伊那谷(天竜川)が其々、列島中心/コース中心とほぼ一致したのである。
<日本列島/横断コースの東西中心>
 ○ 本土(4島)の東西中心:東経 137°41’
  ・西端:長崎県佐世保市小佐々町神崎(こうざき)鼻;東経 129°33’
  ・東端:北海道 根室半島 納沙布岬;東経 145°49’
 ○ 横断コースの東西中心:東経 137°52’
  ・西端(乗鞍岳登山口):岐阜県高山市高根町上ヶ洞(うえほら)塩沢温泉;東経137°29’
  ・東端(北岳下山口):山梨県南アルプス市広河原;東経 138°16’

 さて、計画段階の話はこの位にして、結果を述べる。
 ○ 所要日数(アプローチ含む) : 41 日間
 ○ 横断コース歩行日数    : 36 日
 ○ 横断コース歩行距離    :573 km
  (掲載フォームの総距離、466.1kmはポイントを間引いているためと推定される)
 ○ 累積標高差        :±45,000 m
 日本弧状列島横断の旅は、アルプスの雪解けを待って、2015年6月30日に御前崎をスタートした。その年は南アルプス、中央アルプス、北アルプス南部を縦走し、北アルプスの冬の訪れ直前となった10月10日で打ち止め、種池山荘から扇沢に下山した。翌、2016年は雪が少なく、もう1ヶ月早くても良かったのだが、小屋開きに合わせ、7月17日に北アルプス、種池山荘から入山し、栂海新道を下って、7月22日、親不知にゴールした。
 名にし負う日本アルプス。たおやかな南アルプス、緑と岩の中央アルプス、岩の北アルプス。その最高の魅力を充分堪能した旅であった。
 この旅のハイライトは西穂から奥穂の縦走である。憧れのジャンダルムにも登頂することができた。学生時代、奥穂から見た絶壁に、縦走屋のワンダラ-が登れるとは思ってもいなかっただけに、その喜びは一入(ひとしお)であった。
 もう一つ挙げるとしたら、荒川前岳のお花畑であろう。黄白が目立つ。シナノキンバイ(信濃金梅)とハクサンイチゲ(白山一花)だろうか。一面に咲き乱れている。大雪山のそれに比肩し得ると思われるが、また異なった趣がある。鹿の食害から護ることで、これだけのお花畑が出現するのだから、もし鹿が来なければと、思わず考えてしまう。
 波、穏やかな太平洋を旅立ち、日本弧状列島の東西中心に位置する日本アルプスを縦走して、荒波の日本海に着水した。徒歩とカヤックで百名山、二百名山を結び、日本列島を縦断した田中陽希さんの足元にも及ばないが、一週間程度の日程、6回で歩き通すことができた。これも多くの方々にご支援いただいた賜物であり、特に、毎月1週間休ませていただいた会社、及び同僚のI氏に、そして、陰で支えてくれた家族に対し、感謝の念に絶えない。
 次回はRound.1:南アルプス・アプローチ(御前崎~畑薙第一ダム)をレポートする。

関連レポート
○日本アルプス縦走~日本弧状列島完全人力横断(御前崎~親不知)~
 ・全体版:2015年6月30日~2016年7月22日
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=72911>
 ・Round.1:御前崎スタート(御前崎~畑薙第1ダム) 2015年6月30日~7月5日
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=72732>
 ・Round.2:南アルプス・南部(畑薙第1ダム~三伏峠)2015年7月19日~25日
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=85112>
 ・Round.3:南アルプス・北部(三伏峠~駒ヶ根) 2015年8月8日~13日
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=85249>
 ・Round.4:中央アルプス・乗鞍岳・焼岳(駒ヶ根~西穂山荘下)2015年9月11日~17日
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=85409>
 ・Round.5:北アルプス南部(西穂山荘下~種池山荘)2015年10月2日~10日(土)
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=112065>
 ・Round.6:北アルプス・北部(種池山荘~親不知) 2016年7月17日~22日
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=115955>

最新レポート
○関東地方境一周
 ・群馬県境:巻機-丹後、縦走 敗退記
  <http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=92462>

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みんなのコメント

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  • この山車さん晩御飯、今年、大雪山の忠別小屋でお会いした方ですね。すごいことをやったもんですね。記録を見ると感動します。お会いできて、光栄です。

  • ケンケン坊さん、コメントありがとうございます。残念ながら、今年の大雪山は人違いのようです。大雪は2013年に十勝まで縦走しました。雄大な大雪にしびれました!

登った山

犬ヶ岳

犬ヶ岳

1,592m

雪倉岳

雪倉岳

2,611m

唐松岳

唐松岳

2,696m

針ノ木岳

針ノ木岳

2,821m

蓮華岳

蓮華岳

2,799m

三ツ岳

三ツ岳

2,845m

水晶岳

水晶岳

2,986m

鷲羽岳

鷲羽岳

2,924m

樅沢岳

樅沢岳

2,755m

抜戸岳

抜戸岳

2,813m

南岳

南岳

3,033m

涸沢岳

涸沢岳

3,110m

檜尾岳

檜尾岳

2,728m

熊沢岳

熊沢岳

2,778m

空木岳

空木岳

2,864m

双児山

双児山

2,649m

農鳥岳

農鳥岳

3,026m

新蛇抜山 

新蛇抜山 

2,667m

小河内岳

小河内岳

2,802m

前岳

前岳

3,068m

茶臼岳

茶臼岳

2,604m

光岳

光岳

2,592m

白鳥山

白鳥山

1,287m

菊石山

菊石山

1,210m

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