最終出社日の最後の仕事は、「会社内の自分の席の確保」

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出発前の最終出社日が会社の席替えの日にあたってしまい、山積みの仕事と机の整理に追われ・・・。それでも、帰国後の自分の席を自分で確保して旅立てるだけでも「恵まれた環境」だという。

 

サラリーマンには長期休暇取得は難しい・・・

Date 2013年09月17日(火)


今日9月13日は出発前の最終出社日。残した仕事が山積みで、どうにも身動きがとれない最忙日は、なんと会社の席移動の日でもありました。年に2回、わが社では席替えをする習慣があり、今年はたまたま出発の前日が移動日にあたってしまったというわけです。

今回、会社を長期間休んで遠征に加わるOB仲間は、いずれも名の知れた有名企業に勤めているのですが、ひとりは役員の退職勧告を振り切って参加し、もうひとりは帰国後に座る席がまだ決まっていないという不安を残して旅立つことになっています。サラリーマンの長期休暇取得に対する苦労は並大抵なものではないのです。

それにくらべてワタクシの、なんと恵まれた環境にあることか・・・。

帰国後の自分の席を自分で確保して旅立つわけですからね。しかも今度の席は、ありがたいことに(?)社長の席のすぐ目の前。これだけ目立つ場所なので、ありえないと信じてはいますが、帰国までの間に席の入れ替えなどが行われないことを祈っています。

日本山岳写真協会の新年会の福引きで当たった金色のダルマさん(だるま工房やなせさん提供)に目を入れて出発します


それにしても、出発前の机の整理というものは、あまりやりたくないものですね。身の周りをきれいにして出発するというのは、帰ってこられないかもしれないという覚悟をしているようで、心情的に好ましくないような気がするのです。そのうえ今日は13日の金曜日だし・・・。これはあまり関係ないかな?

で、個人的には帰ってきてすぐに「働け」モードに入れるように、そして他人が容易に机の整理ができないように、ちょっとだけちらかしたままで出かけようと思っています。というか、片づける時間があまりにも足りなかった……。あとはよろしく頼みますね、ヨシイさん(注・いつも笑顔で仕事の補助をしてくれている、たいへん有能な部員です。特に私なんかは彼女に頼りっぱなし。今回もヒマラヤ級に困難な雑務を押し付けてきてしまいました)。

それよりもなによりも仕事です。明日までに『ROCK&SNOW』冬号の台割を確定して原稿を依頼し、企画書を仕上げなければ……。そして私の留守中にやっておいてほしい宿題リストを各方面にバラまいて、さらにピオレドール・アジアの日本チームの推薦状を書かなければ・・・。

ともあれ2日後、カトマンズの空港に降りた瞬間に、すべてを忘れて山に集中できるよう、ココロをコントロールしたいものです。今日もまた、家に戻るのは明け方になりそうです・・・。

⇒次号/ネパール・カトマンズにと到着。マウンテンフライトでキャラバンへ

プロフィール

萩原浩司(はぎわら・ひろし)

1960年栃木県生まれ。青山学院法学部・山岳部 卒。
大学卒業と同時に山と溪谷社に入社。『skier』副編集長などを経て、月刊誌『山と溪谷』、クライミング専門誌『ROCK&SNOW』編集長を務めた。
2013年、自身が隊長を務めた青山学院大学山岳部登山隊で、ネパール・ヒマラヤの未踏峰「アウトライアー(現地名:ジャナク・チュリ/標高7,090m)」東峰に初登頂。2010年より日本山岳会「山の日」制定プロジェクトの一員として「山の日」制定に尽力。
著書に『萩原編集長危機一髪! 今だから話せる遭難未遂と教訓』、『萩原編集長の山塾 写真で読む山の名著』、『萩原編集長の山塾 実践! 登山入門』など。共著に『日本のクラシックルート』『萩原編集長の山塾 秒速!山ごはん』などがある。

アウトライヤー 萩原編集長のヒマラヤ未踏峰挑戦記

NHKの「実践! にっぽん百名山」の解説などでおなじみ、萩原編集長こと萩原浩司氏は、2013年秋、ネパール・ヒマラヤ未踏峰、「アウトライアー(現地名=ジャナク・チュリ)」を目指した。 母校である青山学院大学の山岳部のOB会長も務める萩原氏は、自ら総隊長としてこの遠征隊に参加、その準備から登頂、そして帰国までを萩原氏の目を通しながら伝えていく。

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