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ネパール・カトマンズに到着! 登山許可を取って、マウンテンフライトで現地へ

アウトライヤー 萩原編集長のヒマラヤ未踏峰挑戦記
ガイド・記録 2020年04月08日

いよいよ、ネパール・カトマンズへ! 登山許可証を提出して、後発隊の萩原編集長はヘリで現地入り。途中で見えるエベレストはじめ、ヒマラヤの名峰を眺めながら、アウトライヤーへの思いを馳せる。

 

カトマンズに到着、残した宿題を片付けながら・・・

Date 2013年09月17日(火)


15日早朝、成田発の中国南方航空・JAL共同便で中国・広州を経由し、23時(現地時間)にカトマンズに到着しました。ひとり23キロ×2個までの荷物が持ち込めることと、その日のうちにネパールに入れること、そして値段の安さでこちらのフライトを選択。遠征隊には助かります。

中国・広州の空港で約5時間、乗り継ぎ便を待つ。ランチはもちろん本場の中華!


空港からはホテルに直行し、無線LANが使えることを確認してから、いくつかの仕事を片付けて就寝。結局、多くの宿題をネパールまでかかえてきてしまいました。

朝起きてホテルの前の通りに出てみると、昔と変わらない光景がひろがっています。街のほとんどの道が工事中で、ホコリと排ガスとクラクションの音、音、音。それでも、どこか懐かしさを感じる街並みを、今回の遠征の手配をしてくれたコスモトレックの事務所へ。

朝のカトマンズの街は車であふれかえっていた


打ち合わせをすませてから庭を借りて、ソーラーパネルとインマルサットを使った衛星モデムの作動チェックです。衛星の捕捉に時間がかかったものの、なんとか動作環境を確認してホッとひと息。これで山の中からの通信ができそうです。

衛星モデムの動作確認をするムラカミ登攀隊長

 

登山許可申請、完了!

Date 2013年09月18日(水)


カトマンズ滞在初日は、衛星モデムの動作確認、後発隊の食糧チェックなどをしたのち、シャングリラ・ホテルの中庭のレストランでのんびりと昼食。表通りの喧騒とは裏腹に、ここは極めて平和な空気が流れていました。

ハイビスカスの咲くシャングリラ・ホテルの中庭にて。ランチにはもちろん「エベレストビール」


その後、登山許可証の受け取りのためにネパール観光省へ。事務室では観光局長をはじめ4人のスタッフに囲まれながらブリーフィングを受け、登山隊長として申請書にサイン。退室時には局長が直々に安全祈願のための白い布「カタ」を首にかけてくれ、笑顔で送り出していただきました。さて、これでいよいよ入山の準備完了です。

約40日後、無事に登頂を果たして登頂証明書を受け取りにここに戻ってこられるよう、頑張りたいと思います。

登山申請書にサインする。観光局局長に手渡し、いざアウトライヤーへ!

 

マウンテンフライトでキャラバンへ

Date 2013年09月24日(火)


9月18日、いよいよキャラバンに出発です。朝6時30分にホテルを出て、トリブバン空港の国内線ターミナルからヘリコプターに搭乗。ここから空路、先発隊が到着する予定のグンサ(標高3590m)に向かいます。

後部座席にはカトマンズで用意した新鮮な野菜と卵、その他、食糧だけで50㎏。ここに私とムラカミ隊員の荷物が加わり、パイロットと3人が座ると座席はいっぱいです。私の席は、総隊長&カメラマンの権限でパイロットの左隣の席。これから東に向かうので、ヒマラヤの山々はずっと左の窓から望むことができるのです。

コックピットにて。この後、狭い窓からレンズを向けていて、腹筋がつりそうになった・・・


これがまた、じつに豪勢なヒマラヤ遊覧飛行でした。空港を飛び立つと、いきなり左手にガネッシュ山群が顔を出します。35年前、私が学生のときにネパールとの合同隊で遠征を試みようとした美しい7000m級の峰々です。

さらにその奥からは鋭い峰のガウリシャンカール、美しいメンルンツェと続き、しばらく後に、ひときわ高くエベレストが顔を出しました。日本の山で遠くに富士山をみつけたときと同じように「あ、エベレスト」と思わず口に出したら、パイロットのダーリ氏はヘッドセットを通して「そのとおり!」と、深くうなずいてくれました。

ヘリから見た、世界最高峰のご存じエベレスト


続いて、これまた鋭く美しい山容のジャイアンツ、マカルーが、雲を突き抜けて姿を現わしました。このあたり、眼下は山岳地帯に入ってきて3000m級の緑の山々が広がり、山懐にはぽつんぽつんと集落が点在しています。

コックピットのGPS装置(ヘリナビ?)の画面のなかに、先発隊のキャラバン出発地点、タプレジェンの名前が見え始めると、今度は正面に大きなカンチェンジュンガ山群が姿を現わしました。なかでも孤高の7000m峰、ジャヌーの鋭峰がぐんぐん近づいてきます。足元を見ると、深い渓谷にはいくつもの吊り橋がかかり、1週間前に先発隊が歩いた道が、切れ切れに見えるようになりました。そして谷が少し開けてくると、グンサの集落に到着です。

左がマカルー、右は孤高の7000m峰、ジャヌーの鋭峰


カトマンズから約2時間。先発隊が43人のポーターとともに1週間かけてたどり着いたグンサの集落へ、実にあっけなく到着しました。空からヒマラヤの大展望を楽しみ、1週間の行程を短縮できるヘリの利用(チャーター便なので約1万ドルかかっています・・・)は、まあ、悪くない選択かな、と感じました。

先発隊が1週間かけて歩いた道を、空路、わずか10分で通過する


空から見たグンサの集落の様子


3590mの簡易ヘリポートに降り立つと、先発隊からひとり抜け出して我々に会いに来た4年生部員、ホンダ隊員が迎えてくれました。彼は今年、某国営放送に内定が決まり、練習のためとビデオカメラを購入。後発隊の到着シーンを撮影するために、早朝から歩きどおしでグンサに駆けつけたそうです。

ともあれ、これでようやくアウトライアー(Janak Chuli)登山のスタート地点に全隊員がそろったことになります(私たちはキセルしちゃいましたが・・・)。あとは自分の足で少しずつ、高所に慣れながら、そしてルートを探しながら、頂上をめざします。

先発隊ホンダ隊員が出迎えてくれた。無事に合流できたことに笑顔

⇒次号/キャラバンの生活&高度順応の様子

教えてくれた人

萩原 浩司

モットーは「ウラヤマからヒマラヤまで」。あらゆる山登りに対して深い興味と愛情を注ぎ、南高尾山稜の陽だまりハイキングから北アルプスの縦走登山、残雪の南会津スキーツアーに奥秩父の沢登り、小川山のフリークライミングや八ヶ岳のアイスクライミング、中央アルプスの冬季登攀、そしてたまには海外登山と、オールラウンドに山を楽しんでいる。普段の仕事は山と溪谷社の編集者。

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