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天候が悪く停滞の日々。最後は「晴れ男」パワーに期待!?

アウトライヤー 萩原編集長のヒマラヤ未踏峰挑戦記
ガイド・記録 2020年04月24日

ここまで順調に進んでいた計画が一転、安定しない天候に阻まれ停滞の日々が続く。登頂に向けてのタクティクスも練り直しを余儀なくされ、最後の最後に期待するのは萩原編集長自身の「晴れ男」パワー!?

 

青空はいずこに……標高5600mのC1でステイ中

Date 2013年10月05日(土)


10月3日は標高6800m地点のキャンプ3に向けてのルート工作。

あいにく天気が悪く、昨夜からの雪で、C1の周囲はすっかり雪化粧となってしまいました。ルート工作も視界不良のために途中で断念。午後は休養にあてています。

雪化粧したC1(標高約5600m)。朝の気温は1℃


今日はほとんど太陽が姿をあらわさないためにソーラーチャージもうまくいかず。残り18%のバッテリー残量でこれを書いています。

10月に入ってから天気が安定するはずなのに、今のところまだ、終日、晴れ続けるような日はやってきません。朝だけ晴れてあとは雲の中という、2011年の夏山(記憶にある人はかなりの登山通です)みたいな天気が連日、続いています。

翌4日も、太陽が姿をあらわしたのは朝の7時まで。あとは薄雲のなかからぼんやりと太陽の形が見えるだけで、アウトライアーの姿も早朝のほんのわずかな時間しか見ることができませんでした。結局、視界不良のためC2への移動とC3へのルート工作は明日に持ち越すことにして、今日は停滞。ひたすら太陽を求めてソーラーチャージにつとめます。

登頂を数日後にひかえている今、これまででいちばん不安定な天気の周期に入っていることが気がかりですが、乾季を前にした好天の周期に変わることを期待しています。プロトレックの気圧計も510hPaから上昇のきざしを見せはじめ、今は513hPaです。

今後の計画では、明日、5日に登頂隊員4名がC2入り。6日はルート工作にあてて、7日に標高6800mのC3泊。そして8日が最短での登頂予定日、となっています。この間に、天候や雪質、隊員の体調などによってレスト日を1~2日入れるかもしれませんが、臨機応変に対応するしかありませんね。いちおうC2にもPCと衛星モデムを持ち上げますが、しばらく登攀に集中するため更新が途絶えるかもしれないことをあらかじめお知らせしておきます。

C2の荷揚げから戻る村上隊員と本田隊員


とりあえず今は青空に期待して、青山学院大学らしくお祈りのことばを・・・。

 

(詩篇121篇より)

目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。

  わたしの助けはどこから来るのか。

わたしの助けは来る。

  天地を造られた主のもとから。

どうか、主があなたを助けて

  足がよろめかないようにし、

まどろむことなく見守ってくださるように。

(以下、略)

 

どうか太陽の恵みが、

われわれ登山隊メンバーの身にあまねく降り注ぎますように…。

と、殊勝なことを書いてみましたが、

やはり海外登山には運がつきもの……。

最後の最後は隊長自身の「晴れ男」パワーに期待したいものです。


元気づけのための夕食メニューは「ヤクステーキ」

 

C2にて停滞中。登頂に向けてのタクティクスも練り直し

Date 2013年10月07日(月)


5日は登頂隊員全員でC2(標高約5800m)に上がり、可能なところまでルート工作をする予定でしたが、天候が悪くルートはC3までつなげることができませんでした。

昼ごろから本格的に降雪が始まり、翌朝、起きてみると10~15センチほどの積雪量。これではルートに取り付くこともできません。6日は早々と停滞と決定し、登頂に向けてのタクティクスを練り直しているところです。気圧も497hPaまで下がり、高度計は5910mを指しています。残念ながら悪天の周期はもう少し続きそうです。

大雪原の丘の上にポツリと設営されたキャンプ2。ここに4名の隊員が生活している。たぶんあと2~3日後まで……。


それにしても、今年の10月は天気が悪いです。

1日から今日まで、ソーラーパネルがフル稼働できたのは1日(実質は半日)だけ。雪も少量ですが3日連続で降っています。よりによって登頂を前にした大切なときに天候に見放されるとは、困ったものです。信心が足りないのか、ラマ僧さん(実は自分たちでプジャをした日の夜、ヘッドランプをつけてBCにご登場なされ、翌朝、1時間ほどお祈りをささげてくださった)が、雨乞いのお祈りまでサービスしてくださったのか(もちろん冗談です)。

ちなみにここ、標高約5850mのC2は、正面にアウトライアー南西壁を仰ぎ、足元にはブロークン氷河の大クレバス地帯を見下ろす、小高い雪の丘に設立されています。晴れると、この上なく快適な場所なのですが、昨日のような雪模様だとトイレに行くのもひと苦労。当初の予定では明日、頂上に向けて出発の予定でしたが、雪質と天候の安定を待って、あと2~3日はここに落ち着くことになりそうです。次のブログ更新の可能性は天候次第でなんとも言えませんが、ほどほどにご期待ください……。

C2からブロークン氷河の大氷原と、C1方向を見下ろす(C1は氷河の右岸の丘の上にある)

⇒次号/萩原編集長、ついにアウトライヤーの山頂へ!

教えてくれた人

萩原 浩司

モットーは「ウラヤマからヒマラヤまで」。あらゆる山登りに対して深い興味と愛情を注ぎ、南高尾山稜の陽だまりハイキングから北アルプスの縦走登山、残雪の南会津スキーツアーに奥秩父の沢登り、小川山のフリークライミングや八ヶ岳のアイスクライミング、中央アルプスの冬季登攀、そしてたまには海外登山と、オールラウンドに山を楽しんでいる。普段の仕事は山と溪谷社の編集者。

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