朝のたくさんのわた雲は要注意! 知っていると便利な観天望気

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『ときめく雲図鑑』より、雲や空が私たちに教えてくれる様々なことを紹介する、気象予報士菊池真以さんによる連載。第2回は、知っていると役に立つ? 雲の観天望気を紹介します。

 

観天望気とは、空の様子や動物の行動などから天気を予想するというものです。現代は、天気予報は好きなときにすぐに調べることができますが、たまには空を見上げて天気予報をしてみませんか。雲の観天望気を少しだけ紹介します。

 

朝のわた雲

夏は強い日差しで地面近くの空気が暖められ、それが上昇してたくさんのわた雲が生まれます。もし朝からたくさんのわた雲が出ていたら、昼すぎにはにゅうどう雲にまで大きく成長して、雷雨になる可能性が高いです。

わた雲は積み上がるように大きくなるので「積み雲」とも呼ばれます

 

びっしりうろこ雲

うろこ雲は普段は空の一部分に出ることが多いですが、時々空一面にびっしりと広がります。それは低気圧が雨を連れて近づいている時で、天気が下り坂のサイン。空はだんだんと灰色や黒の雲に覆われていきます。

うろこ雲は梅雨前線や秋雨前線が近くにあるときも、空に広がりやすいです

 

たくさんのすじ雲

夏や秋は、たくさんのすじ雲が重なり合う美しい空に出合えることがあります。美しさの反面、これは台風や発達した低気圧がやってくる1〜2日前のことが多いです。ときには青空を隠すくらいに重なることもあります。

たくさんのすじ雲が重なり合った状態を特に「濃密雲」と呼ぶことがあります

 

飛行機雲

「飛行機雲がすぐに消えると晴れ続き」「飛行機雲が長く太くなると天気は下り坂」と言われます。これは上空が乾燥していると、できた雲粒は蒸発してすぐに消えてしまうのに対し、上空が湿っていると雲粒は長く残るためです。

飛行機雲が長く残り、時間とともに太くなっていきました。雨が近いサインです

 

(本記事は『ときめく雲図鑑』からの抜粋です)

 

『ときめく雲図鑑』発売中

全ての雲には名前がある? もっとも身近な自然である雲を、気象予報士の菊池真以さんが解説しました。基本となる10種類の雲「きほんの10種」、ほか「かわいい雲」「きれいな雲」「ふしぎな雲」「すごい雲」「めずらしい雲」、雲と光が作るコラボレーション「光×雲」など、充実した種類の雲を美しい写真とともに紹介。見上げれば必ず目にする雲たちの名前を知ることで、毎日が少しだけ楽しくなるはずです。


『ときめく雲図鑑』
著者:菊池真以
発売日:2020年8月3日
価格:本体価格1600円(税別)
仕様:A5判128ページ

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【著者略歴】
菊池真以(きくち・まい)
気象予報士。気象キャスター。大学在学中に気象予報士の資格を取得。学生時代より気象予報士として活動。2015年4月から2019年3月まで『NHKニュース7』の気象キャスターを務めた。気象関連の講演会など多数開催。空の撮影も趣味の域を超えて行っており、2016年個展「空の写真展IRODORI」 2017年グループ展「めぐる季節 -toki-」を開催。https://www.maisorairo.com/ Twitter Instagram 

プロフィール

菊池真以

気象予報士。気象キャスター。大学在学中に気象予報士の資格を取得。学生時代より気象予報士として活動。2015年4月から2019年3月まで『NHKニュース7』の気象キャスターを務めた。気象関連の講演会など多数開催。空の撮影も趣味の域を超えて行っており、2016年個展「空の写真展IRODORI」 2017年グループ展「めぐる季節 -toki-」を開催。https://www.maisorairo.com/ Twitter Instagram 

知っていると毎日が少しだけ楽しくなる雲と空の話 From『ときめく雲図鑑』

長い梅雨が明け、いよいよ夏本番。晴れた空にゆったりと浮かぶ雲たちは、私たちに様々なことを教えてくれます。雲や空からわかることを、気象予報士の菊池真以さんが発売中の『ときめく雲図鑑』(山と溪谷社)から紹介する連載です。

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