西上州の山々の絶景と満開のアカヤシオ待つ岩稜コース 天狗岩〜烏帽子岳の岩尾根を行く

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

険しい峰々が連なる西上州。春になると、アカヤシオが咲き、岩肌を明るく彩ります。

頂上からの妙義山を始め、西上州の山々

 

4月に入ると、西上州の岩の峰々に咲き始めるアカヤシオ、一つの枝先に一つの花をつけるため、ヒトツバナともいわれ、奇岩揃いの岩稜地帯をピンク色で飾り、頂上からのアルプスの絶景に色を添えます。今回は、天狗岩~烏帽子岳の岩稜コースを紹介します。

モデルコース:天狗岩登山口~天狗岩~シラケ山~烏帽子岳(往復)

烏帽子岳地図

コースタイム:5時間35分

⇒烏帽子岳周辺の地図

 

朝方は7℃で肌寒かったのですが、日が差す午後には20℃を超えました。

烏帽子岳には大仁田ダムの三ツ岩岳登山口からの登山道もありますが、今回は上野村よりの天狗岩登山口より出発。ニリンソウがちらほら咲く沢沿いの道を進むと廃屋があり、その脇の二股より天狗岩方面へ進みます。

尾根に上がると満開のアカヤシオがところどころでお出迎え。天狗岩が現れます。橋を渡ると展望台があります。

天狗岩頂上

 

尾根道に戻ってシラケ山はすぐ。シラケ山からは横道もありますが、眺めが素晴らしい岩稜ルートを進みます。狭い岩尾根を行くので注意が必要です。

シラケ山から烏帽子岳への岩稜ルート。狭い岩尾根のアップダウンの連続だ

 

しばらく行くと稜線上からはピンク色のアカヤシオに彩られた烏帽子岳が見えてきます。

アカヤシオにいろどられた烏帽子岳の岩峰

 

いったんコルに下降して烏帽子岳に向かいますが、登山道が一部崩壊したような箇所があり、滑りやすい急斜面にフィックスロープが張ってありますので、慎重に下ります。烏帽子岳の頂上(標高1182m)は期待通り、ちょうど見頃の満開のアカヤシオです。頂上からは、鹿岳、四ッ又山、妙義山、荒船山はじめ西上州の山々、浅間山から遠く北アルプスの峰まで望むことができました。西上州の岩の峰々にはピンクのアカヤシオがよく似合う、と実感した山行でした。

西上州の山々の先には北アルプスが望める

 

1本の枝先に一つの花をつけるところからヒトツバナとも呼ばれる

 

帰路はマル(標高1220m)に寄り、横道をたどって天狗岩へ戻りました。(取材日=2021年4月24日)

 

烏帽子岳データ

プロフィール

奥谷晶

30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、山と溪谷社などの山岳ガイドブックの装丁や地図製作にたずさわるとともに、しばらく遠ざかっていた本格的登山を60代から再開。青春時代に残した課題、剱岳源次郎尾根登攀・長治郎谷下降など広い分野で主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。

今がいい山、棚からひとつかみ

山はいつ訪れてもいいものですが、できるなら「旬」な時期に訪れたいもの。山の魅力を知り尽くした案内人が、今おすすめな山を本棚から探してお見せします。

編集部おすすめ記事