夏山登山を快適に! 酷暑を乗り切る高機能ウェア10選
下界では酷暑が続く真夏だが、雪解けを迎えた高山は夏山登山のシーズンを迎える。しかし、夏山は暑さとの闘いでもある。そんな過酷な登山を快適に変えるためのウェアを、人気の10ブランドからピックアップして紹介しよう。
文=ヤマケイオンライン編集部
高機能ウェアで酷暑に対処する
日本アルプスなどの高山が登山のベストシーズンを迎える真夏。だが、森林限界を超えると容赦のない日差しが照りつける。また、標高の低い山麓や中級山岳、低山では耐えがたいほどのむし暑さになることも珍しくない。そうした過酷な暑さを少しでもやわらげ、夏山登山を快適にしようと、登山ウェアメーカーはさまざまな工夫を凝らして、高い機能を備えたウェアを開発している。ここでは、人気10ブランドの担当者が真夏の登山におすすめするトップスを紹介する。
※紹介している商品はすべてメンズまたはユニセックスモデルです
汗処理機能に優れたTシャツ
ザ・ノース・フェイス ショートスリーブフラッシュドライ3Dティー
重量:125g(L)
素材:FLASHDRY 3D Super Light Recycled Polyester DWR Backer(ポリエステル100%)
カラー:ティングレー(写真)など全3色
サイズ:S〜XL
商品リンク:https://www.goldwin.co.jp/ap/item/i/m/NT12205
【紹介してくれた人】
ザ・ノース・フェイス プレスルーム 鰐渕 航さん
アウトドア好きが高じてザ・ノース・フェイスへ。四季で楽しむ登山から、バックカントリースノーボードに海釣り。最近はマウンテンバイクも始めて、より一層に都心から身も心も離れていく35歳。
抜群の通気性でクールダウン
モンベル クールライト ショートスリーブジップシャツ
重量:85g(M)
素材:ウィックロンクール(ポリエステル)
カラー:ダークグリーン(写真)など全4色
サイズ:S〜XL
商品リンク:https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1114452
【紹介してくれた人】
モンベル広報部 狩野剛史さん
登山好きな両親の影響を受けてモンベルに。好きなアクティビティは登山全般、トレイルランニング。休日は大好きな奥武蔵エリアのどこかで遊んでいます。
動きやすく、におわない
アウトドアリサーチ アルゴンTee
*ORマスクの抗菌技術で採用しているHeiQ社のテクノロジーで、バイオベースの銀を含まない非抗菌技術で環境臭、食品関連の体臭、細菌臭を抑える環境に配慮した技術です
重量:142g(Lサイズ)
素材:83% リサイクル ポリエステル、 11% ポリエステル、 6% スパンデックス
カラー:クラシックブルー(写真)など全4色
サイズ:S~XL
商品リンク:https://www.outdoorresearch.jp/detail/19844580?c=2027
【紹介してくれた人】
エイアンドエフ アウトドアリサーチブランド担当 内山太一さん
森林、山脈、海、湖と豊かな自然に囲まれたワシントン州シアトルでの居住経験を経て、アウトドアフリークに。冬はスキー、夏はフライフィッシング、自転車、ハイキングなど年中無休で外遊びを楽しんでいます。好きな山は、レーニア山。
防虫と吸汗速乾、UVカットの万能素材
フォックスファイヤー SCウィンドパスフーディ
重量:200g(M)
素材:トランスウェットスコーロン(ポリエステル100%)
カラー:グレー(写真)など全3色
サイズ:S〜XL
商品リンク:https://www.foxfire.jp/onlinestore/groups/3384
【紹介してくれた人】
Foxfire新宿タカシマヤ店長 武田 康さん
テント泊山行、ファストパッキング、トレイルランニング、ロードバイクなどを楽しんでいます。富士登山競走(山頂コース)とハセツネが毎年の恒例行事です。
軽く、着ていることを忘れさせてくれるTシャツ
パタゴニア メンズ・キャプリーン・クール・ライトウェイト・シャツ
重量:74g(M)
素材:無地=2.3オンス・リサイクル・ポリエステル100%ダブルニット、クロス染め=2.3オンス・ポリエステル100%(リサイクル・ポリエステル52%)ダブルニット
カラー:スペリオルブルー – ライトスペリオルブルー X-ダイ(写真)など全5色
サイズ:XS~XXL
商品リンク:https://www.patagonia.jp/product/ms-cap-cool-lightweight-shirt/45760.html
【紹介してくれた人】
パタゴニア日本支社 コミュニケーション&PR ロジャース通子さん
幼少のころからガールスカウトでアウトドアを経験。留学先のオースラリアで環境マーチに参加して以来、自然環境を守る活動を始める。好きなアウトドアスポーツはスキーとアウトリガーカヌー。最近は自宅の屋上菜園で20種類の野菜をオーガニックで育てている。
風をまとうような着心地
ファイントラック ラミースピンエア ジップT
重量:105g(M)
素材:ラミースピンエア(ポリエステル 90% ラミー10%)
カラー:フォレスト(写真)など全3色
サイズ:S~XL
商品リンク:https://www.finetrack.com/c/wear-baselayer/wear-ramiespinair/wear-ramiespinair-men/FMM0254
【紹介してくれた人】
ファイントラック PR 大森 遥さん
好きな山は剱岳。ここ最近はトレイルランニングとアドベンチャーレースに傾倒しており、週末は山を走るかヤブをこぐか、カヤックを漕いでいる。
高温多湿を乗り切るアウターシェル
ゴールドウイン ファストシェルライトジャケット
重量:170g(L)
素材:ナイロン100%(コーティング等樹脂加工)/裏側:ナイロン100%
カラー:スモークブルー(写真)など全2色
サイズ:S〜XL
商品リンク:https://www.goldwin.co.jp/ap/item/i/m/GM02145P
【紹介してくれた人】
ゴールドウイン マーケティンググループ 西川龍児さん
入社1年目のフレッシュマンです!自然と食べ物とカルチャーが大好き。今年挑戦したいのはテンカラ釣り。
半袖という新発想の防水シェル
ミレー W/P ベースボールシャツ イン&アウト
重量:78g(M)
素材:グラビア プリント ナイロン100%
カラー:シルバー(写真)
サイズ:2XS〜XL
商品リンク:https://www.millet.jp/c/men/waterproof/MIV01930
【紹介してくれた人】
ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン マーケティング・アシスタント 古谷 奏さん
幼い頃からスキーをするのが好きで、昔から通っている斑尾で滑ることが多いですが、ここ数年は北海道や新潟や白馬などでも滑ることが多いです。来シーズンは、ゲレンデだけでなくバックカントリーにも行きたいと思います。
素肌にも着られる快適フーディー
アークテリクス コーマック フーディ
裏面が凹凸の構造になっていて肌触りがとにかくよいのも特長。防臭性にも優れています。
重量:160g(M)
素材:Ostria 100% ポリエステル
カラー:ソリテュード(写真)など全4色
サイズ:XS〜2XL
商品リンク:https://arcteryx.jp/products/29123?variant=42421935571175
【紹介してくれた人】
神田ブランドストアマネージャー 村木健司さん
岩手県出身ですが、人生の半分は北海道で過ごし、インストラクター・スキー場パトロールなどをしてきました。冬はスキー(準指導員)、スノーボード、テレマークスキー、夏はトレイルランニング、サーフィンを楽しんでいます。最近は子どもとジムでクライミングや登山、スパルタンレースをしています。
紫外線をしっかり防ぐロングスリーブ
マムート ザーティヒ ロングスリーブ
重量:160g(M)
素材:ポーラテックパワードライ(ポリエステル100%)
カラー:ハイライム-グラニット(写真)など全3色
サイズ:S〜XL
商品リンク:https://www.mammut.jp/items/1016-00020
【紹介してくれた人】
マムート・スポーツグループ・ジャパン アシスタントブランドマネージャー 宇津木正太さん
登山やクライミング、冬は雪山登山、スノーボードなど様々なアクティビティを楽しんでいます。
夏山向けウェアを選ぶ・使う
登山ウェアに求められる機能は、速乾性と軽さだ。ファーストレイヤー(ベースレイヤー)の場合はそこに吸汗性が加わり、一番外側にまとうアウターレイヤーなら、用途に応じて防風性や防水性などが付加される。今回集めた10のアイテムは、肌に直接着るファーストレイヤーが7点、中間着のミッドレイヤー1点、一番外側に着るアウターレイヤーが2点(うち1点は中間着としても使用可)だ。
ほとんどのファーストレイヤーは暑さ対策として「クーリング機能」と「速乾性」を備えている。クーリング機能は高い通気性をもたせた素材を使用することで、風をウェア内に取り込み、汗の蒸発を促すことで体表の温度を下げる。ウェアの速乾性は夏向けのアイテムに限った機能ではないが、夏には気化熱により体温を下げる効果が期待できる。この2点が真夏の登山ウェアを選ぶ際の必須条件となりそうだ。
これらの基本機能に加えて、各アイテムには「動きやすさ」「肌触りのよさ」「防臭性」といった機能がプラスされている。基本機能にどんな付加機能を組み合わせるかにより、その特性が明確になってくる。こうした付加機能は、自分の登山にマッチするかどうか、デザインと合わせて、選ぶ際の決め手になるだろう。
「UVカット」「防虫効果」といった、夏山で役立つプロテクション機能は、長袖やフード付きのモデルでより効果が発揮される。ここで紹介したミッドレイヤーは1点のみだが、ロングスリーブやフードなどで体の露出を少なくしたモデルはファーストレイヤーにもある。肌が弱い、虫刺されのアレルギーがあるなど、夏に肌のトラブルが起きやすい人は注目すべきアイテムだ。
アウターレイヤーは積雪がある季節を除けば通年同じアイテムを使う場合が多いが、ここでは通気性に優れた防水メンブレンを採用したジャケットや、半袖のシャツ型のデザインのものなど、夏こそ使いたいモデルを紹介した。これらを選べば、汗蒸れに苦しむ夏の雨も快適に過ごせそうだ。
夏向けのアイテムは「暑さ」と「大量発汗」に対応したアイテムといえる。真夏の登山に限らず、汗かきで暑がりの人や、ハイペースでのハイキングやトレイルランなどを楽しむ人なら、ほかのウェアを組み合わせて持つことで、春や秋にも活用できるだろう。酷暑対策ウェアは、工夫次第でさまざまなシーンで役に立つ、優れたアイテムなのだ。
登山ギアカタログ
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