山で過ごす時間が贅沢に!軽量トレッキングチェアカタログ

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トレッキングチェアは決して必需品ではないけれど、あれば登山が楽しく、快適になるアイテム。バックパックの片隅に収まるほど軽量・コンパクトな最新チェアを紹介しよう。

構成=山と溪谷オンライン、イメージ写真=PIXTA

目次

トレッキングチェアの3つのメリット

決して登山の必需品ではないけれど、山での時間をガラッと変えてしまうアイテムがチェア、つまりイスだ。行動中にはまったく出番はないけれど、チェアがあると山で過ごす時間ががぜん快適になってくる。とはいえ、必需品ではないアイテムをあえて持っていくかどうかは悩むところ。そこで、チェアの効用について考えてみよう。

その1 どこでも休憩スポットになる

たとえば、息を切らせながら登り着いた大展望の山頂。ゆっくりランチを楽しむ予定だったが、ベンチはすでに先客で埋まっていた——なんてシーンは珍しくない。シートなどの敷物があればどこでも休憩できるが、イスでの生活に慣れた人なら、できればベンチなどに腰掛けたいと思うもの。チェアを持参していれば、ベンチが埋まっていても問題ないし、ベンチなどなくてもちょっとした展望ポイントなどが自分だけの休憩スポットになる。

その2 山での滞在時間が快適になる

テント泊山行の場合、午後早い時間に宿泊地に到着するのが登山の常識。当然、テントサイトでの滞在時間は長くなる。日帰りハイキングでも、ゆっくり食事やお茶を楽しむことを目的とした山行なら、山で数時間ゆったり座って過ごすこともある。そうしたシーンで座り心地のいいイスがあれば、山で過ごす時間が快適になるのは間違いない。また、腰掛ける場所を選ばないので、テントの前にチェアを置いて炊事や食事を済ませたら、チェアとお茶を持って夕焼けを眺められる場所に移動する、なんて楽しみ方もできる。

その3 疲労回復を早める

チェアにゆったりと座り、リラックスしている時間は、山歩きで疲労した筋肉を回復させる時間になる。無理な姿勢のまま座っていたら疲れた足がつりそうになった、なんて経験をした人もいるはず。休憩時間の間にできるだけ疲労回復するために、チェアを活用するというのも一つのアイデアだ。

一方で、チェアを持つことで装備重量が増えるのも気になるところ。しかし、最近のキャンプブームもあって、アウトドアショップに行くとさまざまなチェアが販売されており、軽量でバックパックにも収まるコンパクトなモデルも増えている。ペットボトル1本分の重さなら日帰り登山でも携行できるし、テント泊でも食事を頼める山小屋もあるので、食料を減らせた分をチェアにまわすという選択肢もある。

今回は登山・アウトドアの各ブランド担当者のおすすめコメントとともに、最新の軽量チェア10点を紹介する。重量だけでなく、組み立て方や座り心地などによっても使い勝手が変わるので、自分に合ったアイテムを探してみよう。

 

モンベルL.W.トレールチェア 26

バックパックのサイドポケットに収まるサイズ

モンベル L.W.トレールチェア 26

ここに注目!

超軽量でコンパクトに収納できるチェアです。バックパックのサイドポケットに収まる収納サイズで、重量も300g台のため携行時の負担も大きくありません。テント場でくつろぐ際や調理をする際などにイスひとつあるだけで快適性がグッとあがります。特に膝や腰に不安がある方には地面に直接座るより身体への負荷が少ないので、ぜひ山行のお供に持って行ってみるのをおすすめします。組み立ても簡単なので、登山からキャンプまで幅広く活躍します。通気性に優れたスタッフバッグが付属します。

SPEC

価格 2,860円(税込)
重量 331g(収納袋込みは363g)
使用時サイズ 高さ27×幅28×奥行き25cm(座面高26cm)
収納サイズ 直径7.5×34cm
耐荷重 約80kg(静荷重)
詳細を見る

 

ヘリノックスチェアゼロ

超軽量なのに背もたれつき

ヘリノックス チェアゼロ

ここに注目!

アウトドアファニチャーの世界的ブランドといえばヘリノックス。そのヘリノックスの代表作チェアワンの快適な座り心地を継承しながら、軽量コンパクト性を追求したモデルがチェアゼロです。シートには薄手ながら丈夫なポリエステル・リップストップを採用しています。フレームのポールの肉厚を薄くするなど、徹底的に軽量化を図り、ペットボトル1本分に満たない超軽量を実現しました。背もたれがついているので、テント場でリラックスしながらビールを飲む際に大活躍します。スタッフバッグ付きなので持ち運びも便利です。

SPEC

価格 17,380円(税込)
重量 490g(収納袋込みは510g)
使用時サイズ 幅52×奥行き48×高さ64cm(座面高28cm)
収納サイズ 幅10×奥行き10×高さ35cm
耐荷重 約120kg(静荷重)
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紹介してくれた人

モンベル広報部
狩野剛史さん

登山好きな両親の影響を受けてモンベルに。好きなアクティビティは登山全般、トレイルランニング。休日は大好きな奥武蔵エリアのどこかで遊んでいます。

 

グランドトランクエーライト モナークチェア

山でもゆらゆらロッキングチェア

グランドトランク エーライト モナークチェア

ここに注目!

座る人自らの脚を使ってバランスを取る"自立しない"チェアの代名詞「モナークチェア」。かつて一世を風靡した「エーライト」がトラベルギアブランドの「グランドトランク」によって復活しました。個人的には河原で焚き火を囲んで過ごす時に使っています。自立しないって、一見不便に見えますが、岩場などの地面が安定していない場所でもバランスを取れるという2本脚ならではの利点もあるんです。自身の脚を使ってゆらゆらロッキングできるのでリラックス感抜群。重量約670gのシリーズ最軽量モデルです。エーライトの創業メンバーがチームに加わって開発されているので、当時のディテールをしっかり踏襲しているのもうれしいところ。

グランドトランク エーライト モナークチェア

SPEC

価格 12,100円(税込)
重量 670g(総重量)
使用時サイズ 約49×53×50cm(座面高20cm)
収納サイズ 約31×11×11cm
耐荷重 約110kg
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紹介してくれた人

UPI マーケティング/プレス
佐久間 周さん

水辺で育ったのでカヤックや川辺でのキャンプなど、リバーアクティビティ中心に遊んでいます。好きな山は地元徳島県の剣山。山頂から眺める次郎笈(じろうぎゅう)の景色が大好きです。

 

アディロンダックマイクロチェア

たためばA4サイズの小型チェア

アディロンダック マイクロチェア

ここに注目!

A&Fオリジナルブランド「アディロンダック」の折り畳みチェア。頑強なアルミ合金フレームにアルマイト仕上げが施され、シートは防弾チョッキにも使用されるハードナイロンを使用。収納バッグは端切れ生地から作られ、資源を有効に活用しています。カラーバリエーションも豊富に揃っています。A4サイズに折り畳めるのでコンパクトなのに、耐荷重80kgと安定感も抜群です。座面は張りのあるナイロンシートなので、ちょっとしたテーブル代わりにもなるところも便利です。

SPEC

価格 6,380円(税込)
重量 547g
使用時サイズ 30×20×31cm
収納サイズ 25×20×4.3cm
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クレイジークリークザチェア2.0

快適すぎて立てなくなるかも!

クレイジークリーク ザチェア2.0

ここに注目!

座椅子型チェアの元祖。一度座ったら快適すぎて、立ちたくなくなるほどです。背もたれがあるのでテン場でゆったりと過ごすことがきます。厚さ1cmのソフトなフォームに加えてファイバーグラス製の補強ステイ2本が背面に入っているので、座っても型崩れがありません。バックルを外せば、長方形のマットとしても使えるので、テントマットとして使うこともできます。

SPEC

価格 6,930円(税込)
重量 659g
使用時サイズ 82cm×40cm
収納サイズ 40cm×41.5cm×4cm
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紹介してくれた人

エイ アンド エフ マーケティング
川上名津子さん

A&Fの販促を担当。息子が小学生になり、今年はそろそろテント泊で山登りしたいなと本を見ながら妄想中。

 

ニーモムーンライト リクライニングチェア

リクライニング機能が生む優越感

ニーモ ムーンライト リクライニングチェア

ここに注目!

多くの装備が軽量化されコンパクトな収納サイズが実現してきたことで、ちょっとした贅沢品を忍ばせる余裕が生まれた昨今、私はこのムーンライトチェアを可能な限り携行するようになりました。大口径のアルミフレームを折りたたみ、メッシュの座面で包むようにまとめて専用ケースに収納できるため、パックの中での座りもよい感じです。テント場や休憩場所で腰を下ろす適当な場所が確保できないときに残念な気持ちになることもなく、好みに合わせてシートの角度調整ができるリクライニング機能を活かしながら背もたれに身を預け、ビールやコーヒー片手にゆったりと過ごせたときは少しの優越感に浸ることができ、おすすめです。

ニーモ ムーンライト リクライニングチェア

SPEC

価格 23,650円(税込)
重量 830g
使用時サイズ 49cm×53×64cm
収納サイズ 10cm×10cm×35cm
耐荷重 136kg
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紹介してくれた人

イワタニ・プリムス 広報担当
金牧秀明さん

バックカントリースキーで山に入り始めたことをきっかけに、その対象となる妙高や白馬の山々のグリーンシーズンにも関心を抱くようになり、通年で山に通うようになりました。

 

サーマレストトレッカーチェア

マットレスと組み合わせて極上の座り心地

サーマレスト トレッカーチェア

ここに注目!

このチェアースリーブでマットレスを短時間でチェアに変身させます。バックパッキングやカーキャンプで活躍します。20インチ(51cm)幅、25インチ(63cm)幅のマットレスに対応します。テント泊登山でのんびり、リラックスしてキャンプを楽しみたいユーザーにおすすめです。この軽量なチェアスリーブを持参するだけで、マットレスと組み合わせるとラグジュアリーな座椅子になります。硬さや座椅子の角度を自分好みに調整ができるので座り心地は抜群です。ネオエアータイプのマットレス レギュラーサイズと組み合わせるのがおすすめです。

サーマレスト トレッカーチェア

SPEC

価格 20インチ9,900円、25インチ11,000円(いずれも税込)
重量 20インチ290g、25インチ365g
収納サイズ 20インチ46×10×5cm、25インチ 50×14×5cm
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紹介してくれた人

モチヅキ 広報
西脇将美さん

新潟の山全般、守門岳、浅草岳、越後駒ヶ岳や鳥海山などが好きで、夏は登山やSUP、フライフィッシング、冬はスノーボードで遊んでいます。歩く旅が好きで、ネパールトレッキングやサンティアゴ巡礼など海外バックパッキングにハマっていた時期もあります。

 

ロゴスLOGOS エアライト 1ポールチェア・ハンディ

これぞ「一本立てる」ためのチェア

ロゴス LOGOS エアライト 1ポールチェア・ハンディ

ここに注目!

安定感と携帯性に優れた、超軽量1本足ワンポールチェアです。50cmと41cmの高さ2段階に対応しており、フレームに7075超々ジュラルミンと7001アルミ合金を使うことで、約380gと軽量ながら約120kgの耐荷重を実現しました。チェアの座面に収納袋が取り付けられているので、紛失せず、コンパクトに収納ができます。収納時の大きさも折り畳み傘程度で気軽に持ち運べます。USJなどの行列待ちシーンからフェスでの演奏の合間、はたまた登山時の休憩などさまざまなシーンに活躍します!

ロゴス LOGOS エアライト 1ポールチェア・ハンディ

SPEC

価格 6,900円(税込)
重量 380g(総重量)
使用時サイズ 50cm(41cm)×33×28cm
収納サイズ 8cm×30cm×8cm
耐荷重 120kg(静荷重)
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紹介してくれた人

ロゴスコーポレーション 広報
吉井聖祐さん

なんでもやってみよう精神で始めた登山にハマり、アウトドア業界に。好きなアクティビティはのんびり登山、ボルダリング。休日は自然に囲まれるか、植物に癒されてます。

 

マジックマウンテンピボットミニチェアー

くるくる回転するからキャンプサイトで便利

マジックマウンテン ピボットミニチェアー

ここに注目!

座面が360度回転するから腰かけたままでいろいろできる。天気のよい日はテントの外でのんびりしたいものです。ピボットミニチェアーは座面が低く、またどちらの方向にも回転するので、周りに置いたものを屈んだり体を捻ったりせず、すぐに取り上げることができてとても楽ちん。軽く、かさばらないので携行も楽ちん。座面はパッド入りで座り心地がよく、やせ型の人でもお尻が痛くなりません。脚部のパーツは一体化しており、広げて座面をはめ込むだけで簡単に組み立てることができます。別売の「ビッグフィート・ミニ」を使えば柔らかい地面の上でも脚が沈みにくくなります。テントサイトでのんびりコーヒーを淹れたり食事の支度をするにはおすすめのチェアーです。キャンプだけでなく釣りや子供の運動会観戦でも、とっても重宝します。

マジックマウンテン ピボットミニチェアー

SPEC

価格 6,380円(税込)
重量 510g(収納袋込み550g)
使用時サイズ 高さ38cm、シート幅32cm
収納サイズ 長さ28cm
耐荷重 約120kg(静荷重)
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紹介してくれた人

マジックマウンテン 営業
山口健太さん

家族思いの自由人クライマー。スポートからアルパインまで何でもこなす。好きな山域は近くて楽しい瑞牆周辺。

 

ビッグアグネススカイラインULスツール

おしりを包み込む絶妙な座り心地

ビッグアグネス スカイラインULスツール

ここに注目!

軽さ、コンパクトさ、座り心地を高いレベルで実現したモデル。コンパクトさを求めると3脚チェアが主流かと思いますが、長時間座るにはちょっとしんどい。このスカイラインULスツールはセッティングこそ3脚チェアに劣るものの、座り心地は別次元。おしりがしっかりと収まる絶妙な座面の深さで、長時間座れる安心感があります。ビッグアグネスならではのハブレス構造で、収納は非常にコンパクト。ちょっと大きめのペットボトルくらいのサイズで、ザックのサイドポケットにスッと収まってくれるので登山に持っていきたくなるチェアです。また、ハブレス構造はシャフトの強度を最大化できるので安心して座れます。登山や釣りでの使用はもちろん、キャンプなどではメインチェアに座りつつ、このスカイラインULスツールをオットマンやサイドテーブル代わりにするなど、一台あれば何役もこなす優れものです。

ビッグアグネス スカイラインULスツール

SPEC

価格 15,400円(税込)
重量 539g
使用時サイズ 幅53×奥行き34×高さ41cm (座面高38cm)
収納サイズ 直径9×30cm
耐荷重 約100kg(静荷重)
詳細を見る

紹介してくれた人

ケンコー社 ビッグアグネス担当
面川 聡さん

都内某アウトドアショップスタッフとして15年勤務。そののちに現在の仕事に。好きなアウトドアアクティビティはテレマークスキー。ビッグアグネスのほか、ゼロシューズとインジンジのブランドを担当。

目次

登山ギアカタログ

登山の必需品からプラスアルファのアイテムまで、注目の最新登山ギアを紹介します。

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