息切れしない体になろう!|登山者のための肉体改造塾(6)
もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。
文=芳須 勲、イラスト=平のゆきこ
友人と一緒に登ると
遅れないようにペースを上げてしまい、
ゼーゼーと息が切れてしまいます。
息が切れないペースで歩くのが鉄則。
みんなに合わせられるよう、
日頃から有酸素運動を
行なうとよいでしょう。
有酸素運動で
心肺機能を高めよう
筋肉を動かすには酸素が不可欠です。口や鼻から吸った酸素を効率よく血液に取り込んで全身の筋肉に送る「心肺機能」を高めれば、息を切らさず登れるようになるでしょう。ランニングや水泳などの有酸素運動を1カ月程度続けるだけで効果が期待できます。

呼吸筋のストレッチ&
マッサージで呼吸を楽に
呼吸にかかわる筋肉(肋骨の間の筋肉など)の柔軟性が不足したり、疲労でこわばったりすると、肺がしっかりと膨らまず、体の中に空気を取り込みにくくなります。休憩時には必ずザックをおろし、息をしっかり吸いながら大きく伸びをして胸郭を開きましょう。

【実践1】
呼吸のリズム感も養う
4拍子呼吸ランニング
ランニングで一般的に行なわれている4拍子呼吸法です。足の動きに合わせて、吐いて、吐いて、吸って、吸って、と繰り返し、4歩で1サイクルの呼吸をします。足の運びと呼吸を合わせるリズムを身につければ登山でも応用できます。4kmを30分以内に走れるようになれば、一般登山道で息が切れることはないでしょう。

2回連続して吸い込むことによって、肺の中に深く酸素を取り入れることができます。実際の登山でも足運びのペースに合わせて深い呼吸を行なえば、息が切れにくくなるでしょう
息を吐くときには口をすぼめ、フッ、フッと強く吹き出します。しっかりとお腹に力を入れて意識的に深く吐き出すことで、より多くの酸素を肺の中に取り込めるようにしましょう
【実践2】
深い呼吸をサポート
呼吸筋のストレッチ&マッサージ
肋骨の間にある肋間筋がこわばっていると、胸郭を大きく広げられず、深く息が吸えません。胸郭をしっかり広げてほぐしましょう。息を吐くときに使われる、お腹をコルセットのように囲む腹横筋もほぐします。

両手を上げ、胸郭が広がるのを意識して大きく息を吸い、ゆっくり吐きます
肩甲骨あたりにクッションなどを当て仰向けに寝ます。両手を上げ、胸郭が広がるのを意識して大きく息を吸い、ゆっくり吐きます

お腹・脇腹もマッサージして呼吸筋をほぐしましょう
肋骨の間に指を一本ずつ入れて添わせるようにさすり、肋間筋をほぐします。お腹・脇腹もマッサージして呼吸筋をほぐしましょう
(山と溪谷2023年2月号より転載)
プロフィール
芳須 勲さん(登山ガイド、健康運動指導士)
よしず・いさお/いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。として活動。管理栄養士の資格も持つ。「登山で健康づくり」をモットーに運動・食事指導・山の安全管理を柱とした登山プログラムを提案している。
登山者のための肉体改造塾
もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。 さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。
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