エクササイズバンド(1)膝痛の原因「ニーイン」を改善しよう|登山者のための肉体改造塾(15)

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もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。今回は、エクササイズバンドを使った「ニーイン」改善エクササイズを紹介。

文=芳須 勲、イラスト=平のゆきこ

【登山者のお悩み】

疲れてくると膝が内側に入ってしまい、
膝に痛みを感じることもあります。
改善するエクササイズはありますか?

エクササイズバンドを使って、
お尻の筋力を強化しよう!

爪先と膝の向きを合わせることが大切!

歩行中に膝が爪先よりも内側に向くことをニーインといい、そのまま歩き続けると膝痛を感じることもあります。山行中にニーインとなってしまう原因として、疲労によるお尻の筋力低下があげられます。筋トレでお尻の筋力を強化してニーインを防ぎましょう。

下半身の筋力強化は
エクササイズバンドで

エクササイズバンドは伸縮性のある布やゴムを使って筋肉に負荷をかけるトレーニング器具です。さまざまな形態がありますが、ループ状で長さ30cm程度のものが登山の下半身強化に最適です。最近では100円ショップでも売られていて簡単に入手できます。

 

【実践1】バンドスクワット
(10回×3セット)

一般的なスクワットでもお尻の筋肉を強化できますが、慣れないと太ももの筋肉ばかりに意識が向かいがちです。エクササイズバンドを膝上に巻いた状態で、爪先と膝の向きが同じになるように意識しながらスクワットをすると、お尻の筋肉に負荷をかけやすくなり、ニーインを改善する効果が高まります。

エクササイズバンドに両足を通して膝の上にかけ、腰幅よりやや広く足を開いて爪先と膝が同じ方向を向くようにして立ちます。両腕は床と水平になるまで上げます。

爪先と膝を同じ向きに維持するように意識しながら、お尻を後ろへと突き出すように、太ももが床と平行になるまで腰を落とし、ゆっくり立ち上がります。

【実践2】ドンキーキック
(片足10回×左右3セットずつ)

両手・両膝をついた姿勢から、ロバ(ドンキー)が後ろ足を蹴り上げるようにキックするエクササイズ。スクワットに比べ強度は劣りますが、お尻の筋肉を意識しやすいので効率よく刺激を与えることができます。まずはエクササイズバンドを装着しないで始め、慣れたらバンドを使って負荷を上げましょう。

エクササイズバンドに両足を通して膝の上にかけ、両手・両膝をついた姿勢になります。

片側の膝の角度を90度に保ったまま、お尻の筋肉を使って持ち上げます。太ももが床と水平になったらゆっくりと下ろし、これを繰り返します。

山と溪谷2023年11月号より転載)

プロフィール

芳須 勲さん(登山ガイド、健康運動指導士)

よしず・いさお/いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。として活動。管理栄養士の資格も持つ。「登山で健康づくり」をモットーに運動・食事指導・山の安全管理を柱とした登山プログラムを提案している。

登山者のための肉体改造塾

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