エクササイズバンド(2)でこぼこ道でのふらつきを予防しよう|登山者のための肉体改造塾(17)

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もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。今回は、股関節の外転力・内転力を強化して、でこぼこ道でのふらつきを予防するエクササイズを紹介。

文=芳須 勲、イラスト=平のゆきこ

【登山者のお悩み】

整備されていないデコボコな
山道を歩くと、左右にふらつきます。

エクササイズバンドを使って、
股関節の外転力・内転力を強化しよう!

股関節周辺の筋肉は安定した足はこびの要

股関節は前後・左右・ひねりなど自由度の高い可動域を持ちます。股関節周辺には足をさまざまな方向に動かすための筋肉が多数あるので、凹凸のある斜面に適応した足はこびが可能です。とりわけ歩行時のバランスに大きくかかわるのが、お尻の外側上部にある中殿筋と太ももの内側にある内転筋群です。

中殿筋&内転筋は片足立ちで鍛えよう

外転(足を横に開く)に使われる中殿筋や、内転(足を閉じる)に使われる内転筋群は、浮かせた足側では「動き(モビリティ)」に働きますが、地面についている足側では姿勢の「安定(スタビリティ)」に使われています。2つの役割を効率よく鍛えるには、片足立ちで行なうエクササイズが効果的です。

 

【実践1】バンドアブダクション(外転)

片足立ちの状態で股関節を外転(アブダクション)させる動作は負荷が小さいため、エクササイズバンドを使って強度を高めます。浮いている足側の中殿筋はモビリティを、軸足側の中殿筋はスタビリティを強化することができます。左右10回ずつ3セット行ないましょう。

エクササイズバンドに両足を通して両足首にかけ、片足を軽く浮かせます。

膝を伸ばしたまま、太ももをゆっくりと横に上げます。このとき身体は横に曲がらないよう、まっすぐの姿勢を保ちましょう。エクササイズバンドが伸ばせないところまで引き上げたらの位置に戻して繰り返します。

【実践2】バンドアダクション(内転)

片足立ちの状態で股関節を内転(アダクション)させる動作は負荷が小さいため、エクササイズバンドを使って強度を高めます。浮いている足側の内転筋群はモビリティを、軸足側の内転筋群はスタビリティを強化することができます。左右10回ずつ3セット行ないましょう。

エクササイズバンドを片足に通して足首にかけます。バンドの外側(小指側)をテーブルの脚に通し、軽くテンションがかかる位置に両足を開いて立ってバンドのかかっている足を軽く浮かせます。テーブルが動かないよう手で押さえます。

膝を伸ばしたまま、ゆっくりと足を軸足側に引き寄せます。このとき身体は横に曲がらないよう、まっすぐの姿勢を保ちましょう。エクササイズバンドが伸ばせないところまで引き寄せたらの位置に戻して繰り返します。

『山と溪谷』2024年1月号より転載)

プロフィール

芳須 勲さん(登山ガイド、健康運動指導士)

よしず・いさお/いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。として活動。管理栄養士の資格も持つ。「登山で健康づくり」をモットーに運動・食事指導・山の安全管理を柱とした登山プログラムを提案している。

山と溪谷編集部

『山と溪谷』2024年5月号の特集は「上高地」。多くの人々を迎える上高地は、登山者にとっては入下山の通り道。知っているようで知らない上高地を、「泊まる・食べる」「自然を知る・歩く」「歴史・文化を知る」3つのテーマから深掘りします。綴じ込み付録は「上高地散策マップ」。

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