オイルマッサージで疲労回復を促進しよう|登山者のための肉体改造塾(18)
もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。今回は、登山後の疲労回復を促進する、足指・足裏・ふくらはぎのオイルマッサージを紹介。
文=芳須 勲、イラスト=平のゆきこ
登山から帰ったあと、
足がむくんで疲労がとれません。
簡単にできる疲労回復法はありますか?
入浴後、足指・足裏・ふくらはぎに
オイルマッサージを行なって、
老廃物を排出しましょう。
血流を意識して、下から上へとマッサージを
静脈には逆流を防ぐための弁があり、筋肉の収縮によって血液を押し上げるポンプ機能があります。しかし、筋肉が疲労してこわばるとこの機能が弱まり、下肢に水分や老廃物が溜まりやすくなります。血液を足先から上へ押し戻すイメージでマッサージしましょう。
オイルや保湿クリームを使って血流の改善と保湿を
筋肉を痛めないよう力を込めて押すことはせず、オイルや保湿クリームを使って滑らかにさするようにマッサージしましょう。また、足裏の角質硬化は接地感覚やクッション機能を低下させ、転倒や疲労にもつながるので、日頃のケアが大切です。
【実践1】足指オイルマッサージ
登山中は足指に力が入ることも多いため疲労しやすく、末端のため血流も滞りがちです。しっかりとほぐしていきましょう。また、親指の外側などは角質ができやすいため保湿も大切です。毎日お風呂上がりに行なうと、さらに効果的です。
オイルを塗ってから、手の親指と人差し指を使って、足指を軽く引っ張るように動かしながら一本ずつ5秒くらいかけて、もみほぐします。
【実践2】足裏オイルマッサージ
山に登るとき、足裏は人と地面との唯一の接点です。しっかりとコリをほぐすことが大切です。足裏には脂肪が多いので、痛くない程度に力を込めて押しても問題はありません。足指の付け根やかかとに角質ができやすいため、毎日お風呂上がりに行なって保湿も心がけましょう。
片足であぐらをかくように座り、オイルを塗ってから、両手の親指を使って「足指の付け根」「土踏まず」「かかと」など、足裏全体を1分程度かけて、ゆっくりもみほぐします。
【実践3】ふくらはぎオイルマッサージ
ふくらはぎの筋肉は登山中に酷使され、ガチガチにこわばっています。それを無理にもみほぐすと筋肉を痛める恐れがあるので、入浴して温めた後に優しくさするようにオイルマッサージを行ないましょう。
オイルを両手につけて、下から上に血液を押し流すイメージでやさしく10回くらいさすり上げます。力を使って押すと痛めてしまうこともあるので注意しましょう。
ふくらはぎの付け根である、膝裏のへこんだ部分(ひかがみ)を優しくゆっくりと5回くらい押します。こちらも強く押すことがないように注意してください。
(『山と溪谷』2024年2月号より転載)
プロフィール
芳須 勲さん(登山ガイド、健康運動指導士)
よしず・いさお/いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。として活動。管理栄養士の資格も持つ。「登山で健康づくり」をモットーに運動・食事指導・山の安全管理を柱とした登山プログラムを提案している。
山と溪谷編集部
『山と溪谷』2024年5月号の特集は「上高地」。多くの人々を迎える上高地は、登山者にとっては入下山の通り道。知っているようで知らない上高地を、「泊まる・食べる」「自然を知る・歩く」「歴史・文化を知る」3つのテーマから深掘りします。綴じ込み付録は「上高地散策マップ」。
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