春の訪れを感じに… 駅近の春の花と新緑の名低山5選

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4月。暖かさを感じる日がだんだんと多くなり、いよいよ春になる。山肌の雪が解けると、次に山を彩るのは可憐な花たちや新緑の葉。今回は、関東近郊で、春を感じられる低山を5つ紹介しよう。

文=石丸哲也

富士山や丹沢の展望と桜並木、新緑を楽しめる里山
権現山(ごんげんやま)弘法山(こうぼうやま)

神奈川県/243m(権現山)
小田急電鉄秦野駅~権現山~弘法山~小田急電鉄鶴巻温泉駅/日帰り 2時間25分

小田急線の車窓から見た春の権現山
小田急線の車窓から見た春の権現山

秦野(はだの)駅付近から大山(おおやま)を見上げると、山頂から南東へ尾根が延び、その末端近くの丘陵に権現山、弘法山が頭をもたげる。展望にも優れ、四季を通じて親しまれる里山だが、権現山を中心に桜が咲く4月上旬、新緑やツツジが見頃となる4月上旬〜5月半ばごろは特に楽しい。

秦野駅北口から水無川(みずなしがわ)沿いに東へ。新常盤(しんときわ)橋で左折して弘法山公園入口から雑木林の山道をひと登りした浅間山(せんげんやま)付近からソメイヨシノを主とした桜が植えられている。権現山山頂の広場は富士山の眺めがよく、弘法山へ向かう尾根道は桜のトンネルとなり、ツツジも植えられている。桜並木を抜けて、ゆるやかに登ると弘法山山頂だ。弘法大師が修行をしたことが山名の由来とされ、大師堂や鐘楼が並ぶ。雑木林を北へ下り、善波峠分岐で右へ。南側が開けた吾妻山(あづまやま)山頂で相模湾を眺めて、一気に下り、家並みを抜ければ鶴巻(つるまき)温泉駅は近い。

権現山から弘法山へ桜並木の尾根道をたどる
権現山から弘法山へ桜並木の尾根道をたどる
桜が咲くころに咲く野草のミツバツチグリ
桜が咲くころに咲く野草のミツバツチグリ

MAP&DATA

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おすすめのスポット

弘法山公園は権現山を中心にソメイヨシノ、ヤマザクラなど約1400本という桜が咲き誇る神奈川県有数の桜の名所。例年、見頃は4月上旬。2024年は4月14日まで「はだの桜まつり」が行なわれ、出店も並ぶ。桜が散るころから5月半ばにかけては新緑が鮮やかだ。

駅周辺情報

秦野駅は駅ビル内外にスーパー、コンビニ、食事処などが多数ある。鶴巻温泉には日帰り温泉館の弘法の里湯がある。800円〜、10〜21時(受付20時まで)、月曜(祝日の場合翌日)休館。食事処、宮永岳彦記念美術館を併設。

惜しくも選考から漏れた名山たち

東京都の八王子城山(はちおうじしろやま)を強く推す。高尾駅から向かう途中、多摩森林科学園サクラ保存林が全国でも有数の桜の名所だからだ。本数は1400本ほどだが、各地の名木や品種など桜の遺伝子の保存を目的としているので種類が多く、様々な色合いや形の花が咲き乱れて美しい。花期が3月下旬〜4月下旬と長いのもうれしい。八王子城山では山野草の花や新緑が迎えてくれる。

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プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

登山の達人が教える関東近郊名低山

都市圏から、日帰りで楽しめる低山は数多く存在する。登山ガイドや山岳ライターなど、山を歩き尽くしている登山の達人が、関東近郊の名低山を紹介する。

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