弘法山で新緑の里山ハイキング 地元の愛され洋菓子店でほっこりティータイム
サクラの季節が終わり、新緑の美しい秦野の低山を縦走。下山後、電車を待つ間に洋菓子店のケーキとコーヒーで一息ついた。
写真・文=西野淑子
春、毎年のように足を運んでいる山のひとつ、秦野(はだの)の弘法(こうぼう)山。秦野駅から歩き始めて権現(ごんげん)山、弘法山、吾妻(あづま)山と縦走し、鶴巻(つるまき)温泉駅に下山するのが定番だ。権現山から弘法山にかけてはサクラが多く植栽され、例年3月下旬から4月の始めに見頃を迎える。昨年はサクラを目当てに歩き、下山後に鶴巻温泉の弘法の里湯でおいしいそばとビールを味わった。
今年は4月下旬、ハイキングの講座でこのルートを歩いた。さすがにサクラは終わってすっかり葉桜になっていたが、さまざまな小さな草花が足元を彩っている。青紫色のホタルカズラ、白く細長い花姿のホウチャクソウ、そしてキンランやギンランが咲いているのも見つけられた。
いつもより色濃い緑の中をのんびりと歩き、鶴巻温泉駅に下山した。
モデルコース:弘法山
コースタイム:秦野駅(50分)権現山(15分)弘法山(55分)吾妻山(25分)鶴巻温泉駅 合計2時間25分
アクセス:小田急線秦野駅下車
丁寧な手づくりやさしい味わいのケーキで一息
今日は早めに帰宅しなくては。でも、少しだけ山の余韻に浸りたい・・・
思い立って、駅前の洋菓子店に行ってみることにした。イートインスペースがあってケーキがその場で食べられると聞いたのだ。店の前はカラフルな花で彩られ、メニューなどが書いてある黒板もかわいらしい。好きな感じかもしれないな。ワクワクしながら店に入る。
入ってすぐがショップのスペース。店奥にイートインのスペースがある。イートインの場合は、最初にケーキを注文し、席についてからドリンクを選ぶシステムだ。
ショーウインドウにカラフルなケーキが並んでいる。いやぁ、どれもおいしそうだなあ。ショートケーキやモンブラン、見慣れた昔ながらの「ケーキ」が多く、懐かしい感じ。どれにしようか悩み、目が合ったような気がした「生チョコロール」をオーダー。ドリンクはブレンドコーヒーにした。
ケーキを待っている間に、何組かお客さんがやってきた。いずれも地元の方らしく、手慣れた感じでケーキをいくつか注文し、帰っていった。地元の人の普段使いの店なのだろうな。地元の人に愛されている店はいい店、期待が高まるね。
さほど待たずにケーキとコーヒーが到着。
まずケーキを一口。ふわっとしつつも質感のあるスポンジに、甘さ控えめ、やさしい味わいのチョコクリーム。ふんわりとチョコの風味、イチゴの甘みと酸味がアクセントになっているね。スポンジもクリームも、昔ながらの洋菓子の丁寧な手作りな感じ。洗練されすぎていない形と味わいにもホッとする。軽やかでケーキに合う感じのコーヒーも好ましい。
おいしかったです。ごちそうさまでした。
「シュークリームも人気がありますよ」
お店の方がにこやかに教えてくださったので、思わずおみやげに購入。自宅で食べてみた。
おお、シュー生地の存在感が強い! ざっくりと質感があり、口にするとバターの風味がガツンとくる。中にはカスタードクリームがぎっしり。濃厚だけど甘みが抑えめで味が濃過ぎない、クリームの風味がいい感じ。洋菓子店のシュークリーム、すごいな。鶴巻温泉に下山したら、毎回お土産に持ち帰りたくなるくらいの勢いだ。
下山後にしっかり食べたり飲んだりするのもいいけれど、ちょっとだけ甘いものを食べて帰るのは、いい感じに心と身体が満たされて気持ちがいい。下山後スイーツのすばらしさをあらためて感じた1日となった。
店名:アドリアン洋菓子店
地元の人々にも愛される洋菓子店。ひとつひとつ丁寧に作られるケーキや焼菓子はやさしい味わい。店内にイートインスペースもあり。
電話:0463-78-7466
住所:神奈川県秦野市鶴巻北2-2-1ライオンズマンション104
アクセス:小田急線鶴巻温泉駅から徒歩1分
下山メシのよろこび
登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。