誰もいない山中ならどこでも自由にテント張り放題!…ではない理由とは?

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「えっ!?違法なの?」とならないために…

『アウトドア六法』(山と溪谷社)では、登山・キャンプ・焚火・釣り・シーカヤックなどアウトドアに関わる法律をわかりやすく解説。

本書より、登山に関する内容を抜粋して紹介します。

 

Q.テン場以外でテントを張るのって違法なの?

A. 原則として違法ですが、黙認されている場合もあります。

 

緊急時以外はキャンプ指定地を使用しよう

 

法律に違反する場合

北アルプスなどキャンプ指定地が定められている山域は自然公園の特別地域または特別保護地区に指定されていることが多く、そのような地域では指定された場所以外にテントを張ることは原則として違法です。これは自然公園(国立公園、国定公園、都道府県立自然公園)の特別保護地区や特別地域では、行政の許可なく「工作物を設置する」ことが認められていないからです。違反すると「6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処される可能性があります。

ただし、道に迷ってしまったり、疲労で歩くのが難しい場合など、危険な事態に陥ってしまったときは、緊急避難行為としてキャンプ指定地以外でのテント泊が認められています。

 

守るべきマナー

また、雪山登山、沢登り、バリエーションルートの登攀など、近くにキャンプ指定地がない登山の場合は、自然公園内であってもテント泊が黙認されています。このような山行は、どこで幕営するか決めることが難しいので、事前に許可を取ることができません。だからといって幕営を禁止してしまうと、アクティビティ自体を禁止することになってしまいます。実際、雪山や沢登りなどは、一般登山にくらべて愛好者の絶対数が少なく、環境への負荷が少ないことから黙認されているのです。

もし、このようなアクティビティでテント泊をする場合、ゴミや排泄物を放置するなど自然を破壊する行為は止めましょう。インスタントラーメンの残り汁や食器を洗った汚水を地面に流したりするのも、環境に負荷がかかってしまうので絶対にNGです。これまで黙認されてきたものが、禁止されてしまう可能性が高くなります。

 

※本記事は、『アウトドア六法 正しく自然を楽しみ、守るための法律』を一部抜粋したものです。

 

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監修:中島 慶二、益子 知樹、溝手 康史、上野 園美監修、ベリーベスト法律事務所監修
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