今、紅葉の見頃を迎えている山はここ! 10月中旬〜10月下旬におすすめの紅葉の山ガイド 〜中央本線沿線・丹沢編〜

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都心から西に延びるJR中央本線の沿線や丹沢山塊には、東京からアクセスしやすい場所ながら広大な自然が広がる。10月中旬以降に紅葉が見頃を迎える上記エリアから、3山を紹介しよう。

雄大な富士山と紅葉を楽しむ 三ツ峠(みつとうげ)

山梨県/1785m
三ツ峠登山口〜三ツ峠〜木無(きなし)山〜河口湖 日帰り/5時間40分
紅葉の見頃:10月中旬〜11月中旬

夜明けの三ツ峠山荘から眺める富士山
夜明けの三ツ峠山荘から眺める富士山

三ツ峠の魅力の第一は富士山の展望だが、ブナ林やカラマツの紅葉、黄葉も美しい。紅葉の季節は富士山が冠雪するのもポイントが高い。日帰りできるが、山頂直下の三ツ峠山荘、四季楽園に泊まれば朝焼け、夕焼けに染まる富士山と紅葉、日の出の絶景も楽しめるし、早朝は南アルプスのパノラマを眺められる確率も高い。登りは最も楽な裏コース、下りは富士山を正面に眺める府戸(ふと)尾根がおすすめだ。下山したら、河口湖駅付近の食事処で秋の味覚カボチャたっぷりの郷土食ほうとうを。(文=石丸哲也)

三ツ峠からは、南アルプス方面の展望もよい(写真=PIXTA)
三ツ峠からは、南アルプス方面の展望もよい(写真=PIXTA)
山頂は絶好の撮影スポット(写真=PIXTA)
山頂は絶好の撮影スポット(写真=PIXTA)

MAP&DATA

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山行アドバイス

山小屋に泊まる場合は富士急行三つ峠駅からの表登山道を登ると充実する。かつてのメインコースで行程が長い分、達成感もあり、八十八大師など信仰登山の史跡も見られる。マイカーは、さくら公園か河口湖畔の駐車場を利用するとよい。

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この記事に登場する山

山梨県 / 関東山地

大菩薩嶺 標高 2,057m

 大菩薩峠の北にあり、三等三角点が埋められている。伝説によると、甲斐源氏の祖、新羅三郎義光が奥州に遠征時、道を失ったが、木こりに化けた軍神の導きでここを越えた。彼は軍神の加護に感謝し、八幡大菩薩の名を高らかに称えた。これが山名の由来とのこと。  戦前、戦後ともにハイキングのメッカであり、中腹まで車が使える昨今はなおのことである。この山が有名になったのは、なんといっても、大正2年に始まった中里介山の小説『大菩薩峠』によってであろう。中腹の勝縁荘(休業中)には介山直筆の「大菩薩峠勝縁荘」の扁額も残る。  山頂こそ展望には恵まれないが、南面の尾根筋はカヤトの原で、日川の谷を前景にした富士山をはじめ、西側の甲府盆地を下にして連なる南アルプスは、上河内岳から甲斐駒ヶ岳まで、まさに一目千両といった感じである。  さて、昔、奈良の大仏を見た甲州人が、その大きさに驚いた。ところが彼は、「甲州に来れば小仏でも三里、大菩薩となれば八里もある」とほざいたという。甲州人はなんと負け惜しみの強い人種だろうか。  登山口の裂石(さけいし)から大菩薩峠経由山頂まで4時間、同じく丸川峠からも4時間で山頂に達する。

山梨県 / 富士山とその周辺 御坂山塊

開運山 標高 1,785m

 三ツ峠山は岩登りのゲレンデとして古い歴史がある。大正13年6月1日、沼井鉄太郎らにより試登され、その記録が発表された。昭和4年には富士山麓電気鉄道(現富士急行)が営業運転を開始し、新聞輸送を兼ねて、早朝3時前後の電車を運転していた。休暇の少なかった勤労青年も夜行日帰りが可能となり、多くの岳人を迎えた。  それ以前は、唯阿大和尚の開山になる信仰の山であった。富士急行の三ツ峠駅からの表登山道には今も数々の旧跡が残っている。  三ツ峠は、3つのドッケ(突起)から成り立ち、三ツ峠の字をあてた。これに二説がある。岩登りのゲレンデ、屏風岩のピークを開運山といい、二等三角点が埋設されている。これに北側の電波塔のある御巣鷹山、南の木無山を加えた総称。もう一説は、開運山の東のやはり電波塔のある中峰、東峰を含めた三峰の称。どうも後者の方が山名の由来にふさわしい感じがする。  ここから眺める富士山、南アルプス、北アルプス、奥秩父、八ヶ岳、道志の山など、眺望は絶品の一語に尽きる。  表登山道の三つ峠駅から4時間30分で山頂へ。最短コースは御坂トンネルの先の三ツ峠登山口バス停から1時間30分で山頂に達する。

神奈川県 / 丹沢山地

大山(丹沢・大山) 標高 1,252m

 丹沢山塊の東部、伊勢原、厚木、秦野の3市の境に位置している。今から1200年前の開山と伝えられ、山麓から均勢のとれたピラミッド型の山容がひときわ高く望まれ、農業の神、雨乞い、海上安全、商売繁盛の神として多くの信者を迎えていた。そのほとんどが伊勢原から阿夫利神社への参拝だったので、実際には大山は伊勢原にあったというべきだろう。  江戸時代には大山参りとして、江戸市民のレクリエーションの場にもなり、江戸から伊勢原への道が大山街道として賑わった。山麓には、大山講中の門前町も残っている。  表登山道は伊勢原駅前からバスで大山ケーブル駅、参道を歩いてケーブルに乗れば6分で下社駅、さらに頂上まで約2時間。秦野駅からバスでヤビツ峠まで行けば1時間で頂上。山頂の奥ノ院の裏側に回ると富士山の展望が開ける。ほかに本厚木から広沢寺(こうたくじ)温泉経由で徒歩2時間30分の静かなコースもある。

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