奇岩怪石めぐりも楽しみ、筑波山で展望の山歩き バスの待ち時間にさくっとおにぎりセット
天気のよい日を狙って筑波山へ。女体山と男体山で関東平野の展望を満喫し、バス停そばのおにぎり店でお腹を満たした。
写真・文=西野敏子
仕事の下見で筑波山へ。つつじヶ丘から女体山に登り、稜線を歩いて男体(なんたい)山へ向かう。久しぶりに訪れたら、弁慶茶屋跡にはきれいなあずまやが建てられていた。茶屋跡からは楽しい奇岩怪石巡り。弁慶七戻り岩から始まり、母の胎内くぐり、出船入船(でふねいりふね)、北斗岩、大仏岩。楽しい。
女体山の山頂からはきれいに関東平野が見渡せ、男体山へ向かう稜線もいい感じに眺められた。曇りでも雨でも山を歩くのは楽しいけれど、展望のいい山はやっぱり天気のいい日に訪れたいなあと思う。男体山まで足を延ばし、御幸(みゆき)ヶ原からケーブルカーで下山。筑波山神社で無事下山のお礼参りをして、筑波山神社入口バス停に向かう。
モデルコース:
コースタイム:つつじヶ丘(40分)弁慶茶屋跡(40分)女体山(15分)御幸ヶ原(15分)男体山(10分)御幸ヶ原 合計2時間 *御幸ヶ原から筑波山ケーブルカーで下山、宮脇駅から筑波山神社入口バス停まで徒歩10分
アクセス:つくばエクスプレスつくば駅からバス50分、つつじヶ丘下車
お米のうまみがじんわり、具材もたっぷりのおにぎり
バス停は閑散としている。バスが行ってしまったばかりらしい。
バス停の脇に立つおにぎり屋さん「筑波山 縁むすび」に足を運ぶ。ずっと気になっていたけれど、定休日だったり、山の上でお腹を満たしてしまっていたりでなかなか入るチャンスがなかったのだ。
明るいガラス張り、ちょっとかわいらしい感じの店内だ。テーブル席とカウンター席がある。はじめに店奥のレジで注文をするシステム。ショーウィンドウにはおいしそうなおにぎりが何種類も並んでいる。おにぎりを単品でもオーダーできるし、おにぎりとおかずのセットメニューもあるのか。イートインもテイクアウトもできる。
おにぎり2個と唐揚げ、味噌汁つきの「縁むすびセット」にしよう。
おにぎりは好きなものを2個選べる。梅干し、鮭、焼きたらこなどの定番から、チーズおかか、ねぎラー油など聞いたことのないものまで。毎度のことながら、どれもおいしそうで決められない。おすすめは・・・とお店の人に聞くと、珍しくて人気があるのはとろろ昆布だそう。ではとろろ昆布と、定番の梅干しにした。
明るい窓際のカウンター席に座って「いただきます」。
かごに盛りつけられたおにぎりと唐揚げ、彩りのよい香の物、味噌汁は具だくさん。さらに小さなおやつもあってうれしくなる。まず味噌汁を一口。ふわっとやさしい味わいだなあ。豆腐やわかめ、タマネギのやさしい甘み。
続いて梅干しおにぎりを一口。口の中でふわり、ほろりとほどけるご飯。中には種を抜いた梅干しがぎっしり。思ったより具が多くてびっくりだ。酸味のなかにうまみがじわり、いい梅干しじゃないか。とろろ昆布のほうはご飯にとろろ昆布がたっぷりまぶしてある。昆布の風味、食感がいい。ご飯の炊き加減がよいというか、お米じたいが美味しいよねえ。噛むほどに味わい深い。唐揚げはしっかりした味付け、山帰りにはちょうどいい感じかもしれないな。
おやつのバームクーヘンもいただき、お腹いっぱい。ちょっとだけ甘いものがあるのもうれしいなあ。ごちそうさまでした。
おにぎりは定番のもののほか、季節の素材などもまじえて10種類以上を用意しているそう。とてもおいしかった梅干しのおにぎり、梅干しは地元の農家さんから取り寄せているのだそうだ。
おやつのバームクーヘンは地元のお店のもので、店内で販売もしている。販売スペースには他にも地元のいいものがあれこれと。使っているお米も地元産の常陸小田米、このお店は筑波のいいものを広めるお店でもあるのだな。おむすびを通じて、土地と人の縁をむすぶ、いいじゃないか。
次回は違うおにぎりのセットにしよう。筑波山神社から登山をスタートするときは、ここでおにぎりを買ってお昼に食べてもいいよねえ。いいお店と縁が結べてよかったな。
店名:筑波山縁むすび粘りと甘み豊かな地元産コシヒカリ「常陸小田米」を使ったメニューを提供。おにぎりのほか、丼ものなどもある。地元産のお菓子や特産品の販売も。電話:029-896-8863住所:茨城県つくば市筑波1223-8アクセス:つくばエクスプレスつくば駅からバス35分、筑波山神社入口下車すぐ
プロフィール
西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)
初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。
下山メシのよろこび
登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。