富士山を「撮る」名人直伝!「夏の富士山を眺める」ポイント4つとおすすめコースをご紹介

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「夏にしか見られない富士山がある!」。富士山を「撮る」ことをライフワークとしている低山フォトグラファー・渡邊明博さんに4つのポイントを聞きました。

文・写真=渡邊明博

目次

ポイント② 山小屋で夜の富士山を楽しむ

富士吉田市街の夜景と暗がりにそびえる富士山をゆったり眺めるには、山小屋に泊まるのがおすすめです。満月の夜を選べば月明かりに照らされた富士山に出合えるでしょうし、夏特有の立体的な入道雲を背景に置いた富士山が見ることができるかもしれません。

おすすめのコース

三ツ峠山(みつとうげやま)

山梨県/1785m

山小屋に泊まって富士山を眺めるなら、なんといっても三ツ峠山(みつとうげやま)です。三ツ峠山は開運山(かいうんざん)、御巣鷹山(おすたかやま)、木無山(けなしやま)の3つのピークの総称で、最高地点は開運山1785m。三ツ峠山の最大の魅力はロケーションがすばらしいことです。なかでも山頂の一角に立つ三ツ峠山荘に泊まれば、山荘前のテラスから一晩中でも富士山が眺められるので安心。今年は8月1日に登れば山中湖の花火も見えるでしょう。ビールを片手に夜富士を楽しむこともできます。また満月の夜を選べば、一層ドラマチックな光景を眺められるかもしれません。

三ツ峠山(みつとうげやま)
富士山、富士吉田の夜景、入道雲が夏の夜に浮かび上がる。※今年は富士登山の予約制度が始まったので、昨年ほどではないかもしれないが、山頂に延びる登山者のヘッドランプの軌跡が一筋に連なる姿が見れることも

モデルコース

ヤマタイムで周辺の地図を見る

三ツ峠登山口バス停~開運山~御巣鷹山~三ツ峠山荘(泊)~木無山~三ツ峠山荘~三ツ峠登山口バス停(参考コースタイム:1日目2時間30分、2日目2時間20分)

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目次

この記事に登場する山

山梨県 静岡県 / 富士山とその周辺

富士山・剣ヶ峰 標高 3,776m

 日本の山岳中、群を抜いた高さを誇る富士山は、典型的なコニーデ式火山。いずれの方向から眺めても円錐形の均整のとれた姿は美しく、年間を通して人々の目を楽しませてくれる。東海道本線や新幹線の車窓から見ると、右手に宝永山、左手には荒々しい剣ガ峰大沢が望め、初めて見る人の心を奪う。  昔は白装束姿で富士宮の浅間(せんげん)神社から、3日も4日もかけて歩き通したという話を古老から聞いたことがある。現在では、富士宮と御殿場を富士山スカイラインが結び、途中からさらに標高2400m辺りまで支線が延びているので、労せずして雲上の人になれる手近な山となった。  日本で一番高い山、美しい山であれば、一生に一度は登ってみたい願望は誰にでもある。7月、8月の2カ月間が富士登山の時期に当たり、7月1日をお山開き、8月31日を山じまいと呼ぶ。  山小屋や石室が営業を始めると、日本各地や外国の人々も3776mの山頂を目指して集まってくる。特に学校が夏休みに入り、梅雨が明けたころから8月の旧盆までは、老若男女が連日押し寄せ、お山は満員となり、登山道は渋滞し、山小屋からは人があふれる。  富士宮口から登ろうとする場合は東海道新幹線の新富士駅、三島駅などからの登山バスで五合目まで行き、自分の足で山頂へ向けて歩きだすことになる。山梨県側には吉田口があり、東京方面からの登山者が多い。  目の前にそびえる富士山はすぐそこに見えるため、山の未経験者は始めからスピードを出しすぎ、7合目か8合目付近でたいていバテてしまう。登り一辺倒の富士山は始めから最後まで、ゆっくり過ぎるほどのペースで歩くことがコツである。新6合から宝永火口へ行く巻き道が御中道コースで、標高2300mから2500mを上下しながら富士山の中腹を1周することができたが、剣ガ峰大沢の崩壊で通行不能になっている。  山慣れたパーティならば新6合から左に入り、赤ペンキや踏み跡を拾いながら、いくつもの沢を渡り3時間もかければ大沢まで行くことができる。辺りは樹林帯で、シャクナゲの群落やクルマユリやシオガマなどの高山植物が咲く。  9合目右側の深い沢に残る万年雪は、山麓からも見ることができる。富士宮口を登りつめると正面に浅間神社奥ノ院がある。隣は郵便局。もうひとふんばりすると、最高地点の剣ヶ峰。山頂にはかつては毎日データを送り続けていた気象観測所跡が残っている。天候に恵まれたならば噴火口の周囲を歩く御鉢巡りが楽しめる。

プロフィール

渡邉 明博

1957年生まれ。富士山撮影をライフワークとし、最近では中央線沿線の山をはじめ、低山の四季折々の風景を撮り続けている。『すばらしい富士に出逢える!富士山絶景撮影登山ガイド』(山と溪谷社)をはじめ、富士山関連の著書を多数執筆。山岳写真ASA会長。(写真=水谷和政)

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