静寂と荘厳な山々が紅葉に彩られる南アルプス北部【紅葉コースガイド2025】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

南アルプス北部には、北岳(きただけ)、甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)、仙丈ケ岳(せんじょうがたけ)など、静かながら屈指の名峰がそろう。ダケカンバを中心とした山上の紅葉を楽しもう。

文・写真=伊藤哲哉

目次

険峻な頂と黄葉を一望 甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)

南アルプス/2967m
 9月下旬~10月中旬

駒津峰から眺める甲斐駒ヶ岳
駒津峰から眺める甲斐駒ヶ岳

甲斐駒ヶ岳は、峻厳でピラミダルな山容をしており、花崗岩の白い山頂の美しさが際立つ南アルプス屈指の名峰だ。全国に「駒ヶ岳」とつく名の山は20座ほどあるが、その最高峰が甲斐駒ヶ岳だ。古くから信仰登山が行なわれ、黒戸(くろと)尾根がその表の登山道であるが、標高差が少ない北沢峠から往復するコースに人気がある。仙水峠(せんすいとうげ)まで北沢の瀬音を聴き、森林浴を堪能しよう。仙水峠では秋色の摩利支天(まりしてん)がすばらしい。駒津峰では紅葉のダケカンバに包まれた甲斐駒ヶ岳の山容が眺められ、甲斐駒ケ岳と紅葉のコントラストを楽しめる。山頂からは秋色の仙丈ヶ岳や北岳の眺めもみごとである。駒津峰(こまつみね)から双児山(ふたごやま)までの登山道には華やかな色合いのダケカンバが印象的だ。

甲斐駒ヶ岳の山頂から黄葉に彩られた摩利支天を眺める
甲斐駒ヶ岳の山頂から黄葉に彩られた摩利支天を眺める
黄葉に覆われた双児山
黄葉に覆われた双児山

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム:7時間10分
行程:北沢峠・・・長衛小屋・・・仙水小屋・・・仙水峠・・・駒津峰・・・甲斐駒ヶ岳・・・駒津峰・・・双児山・・・北沢峠
総歩行距離:約8,900m
累積標高差:上り 約1,251m 下り 約1,251m
コース定数: 29
アドバイス:仙流荘の始発バスに乗れないこともあるので、早めにバス待ちの列に並ぶ。水は、長衛小屋、仙水小屋でも入手できる。朝冷え込むことがあり、適宜防寒着を用意する。また、サーモスに温かい飲み物を入れて持参するとよい。
1 2 3 4 5

目次

プロフィール

伊藤哲哉(いとう・てつや)

1969年、神奈川県生まれ、千葉県在住。北アルプス・南アルプス、房総の低山、上信越の山などを主なフィールドに撮影に通う。山岳雑誌に写真と記事を提供し、山と溪谷社から共著で『分県登山ガイド 千葉県の山』、『アルペンガイド 南アルプス』を出版。2020年12月、2021年4月に写真展「SEASONS~北岳~」、2023年6月に写真展「夏山讃歌~南アルプスの歌声」を開催。日本写真家協会(JPS)、日本山岳写真協会会員。

ウェブサイト:https://tetsuyaito.jimdofree.com/

紅葉名山ガイド

全国各地の紅葉名山をご案内。

編集部おすすめ記事