首都圏起点で秋を満喫。関東甲信越のおすすめの山【紅葉コースガイド2025】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

10月に入ると、関東甲信越の山々も紅葉の季節を迎える。山歩きのガイドブックなどを数多く手がけるライターの石丸哲也さんが厳選した、首都圏起点のおすすめの山を紹介しよう。

文・写真=石丸哲也

目次

変化に富んだ山容と落葉樹林がつくる絶景 雨飾山(あまかざりやま)

長野県・新潟県/1963m
 10月上旬~10月中旬

荒菅沢手前の展望地からフトンビシの岩壁
荒菅沢手前の展望地からフトンビシの岩壁

標高は、同じく日本百名山の谷川岳トマの耳と同じ1963m。中部地方の百名山では低めで「つつましやかな」山だが、整った双耳峰の山容は美しく、登れば荒菅(あらすげ)沢やフトンビシの岩壁と岩峰、山頂の妙高(みょうこう)、火打山(ひうちやま)や海谷(うみたに)山地、北アルプス、日本海の大パノラマなど登山の楽しさ満載だ。信越国境の多雪地でブナなどの落葉樹林が発達し、紅葉のすばらしさも特筆できる。

長野県側から新潟県側へ縦断すればベストだが、特にマイカーでのアクセスに難があり、行程もやや長いので、長野県側からの往復をおすすめコースとした。登山口付近で前泊が有利。バス停付近には深田久弥も宿泊した小谷(おたり)温泉、登山道入口近くにエコノミーで利用しやすい雨飾高原キャンプ場があるのもうれしい。

大海川沿いのアプローチはブナ林がみごと
大海川沿いのアプローチはブナ林がみごと
荒菅沢から急登をこなすと山頂方面が開けてくる
荒菅沢から急登をこなすと山頂方面が開けてくる

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 9時間15分
行程:雨飾高原・・・村営雨飾荘・・・雨飾高原キャンプ場・・・荒菅沢・・・笹平分岐・・・雨飾山・・・笹平分岐・・・荒菅沢・・・雨飾高原キャンプ場・・・村営雨飾荘・・・雨飾高原
総歩行距離:約14,100m
累積標高差:上り 約1,356m 下り 約1,356m
コース定数:35
アドバイス:荒菅沢から稜線までは急な登下降が続くので滑落、浮き石に注意。混んでいるときは譲り合って安全に登ろう。唯一の水場でもある荒菅沢は増水時の徒渉は危険。余裕があれば鎌池に寄りたい。周囲をブナ林に囲まれ、神秘的で、絵本作家いわさきちひろが『りゅうのめのなみだ』の制作にあたり訪れた。
1 2 3 4 5

目次

プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

紅葉名山ガイド

全国各地の紅葉名山をご案内。

編集部おすすめ記事