首都圏起点で秋を満喫。関東甲信越のおすすめの山【紅葉コースガイド2025】

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10月に入ると、関東甲信越の山々も紅葉の季節を迎える。山歩きのガイドブックなどを数多く手がけるライターの石丸哲也さんが厳選した、首都圏起点のおすすめの山を紹介しよう。

文・写真=石丸哲也

目次

ブナ林の紅葉、富士山と海を眺める充実の縦走路 塔ノ岳(とうのたけ)~丹沢山(たんざわやま)~蛭ヶ岳(ひるがたけ)~檜洞丸(ひのきぼらまる)

神奈川県/1673m(蛭ヶ岳)
 10月下旬〜11月上旬

塔ノ岳山頂から大山。夜は市街地の灯火が美しい
塔ノ岳山頂から大山。夜は市街地の灯火が美しい

丹沢山地は神奈川県北西部の東西約40km、南北約20kmに及ぶ一大山地。主稜線には最高峰の蛭ヶ岳をはじめ標高1500m前後の山が連なる。尾根上にはブナ林やササ原が広がり、要所で富士山や相模湾の展望が開けるし、山小屋もある。核心部の塔ノ岳~丹沢山~蛭ヶ岳~檜洞丸の縦走は都心から50kmあまりの位置とは思えないダイナミックなものだ。

縦走路の西側から丹沢最高峰の蛭ヶ岳を望む
縦走路の西側から丹沢最高峰の蛭ヶ岳を望む

塔ノ岳への最短登山道は大倉尾根だが、ヤビツ峠からスタートして、表尾根をとるほうが、展望、縦走をより楽しめる。標高差が大きいので、紅葉の時期も幅があり、稜線上では10月下旬前後、直下では11月上旬、中腹では11月中旬ごろまで楽しめる。ちょうどこの時期に、富士山山頂に夕日が沈むダイアモンド富士も見られ、塔ノ岳山頂は10月18日、蛭ヶ岳では11月1日、檜洞丸では11月2日がジャストタイミングとなる。

檜洞丸山頂付近から朝の富士山。右には南アルプスも
檜洞丸山頂付近から朝の富士山。右には南アルプスも
檜洞丸~蛭ヶ岳の中間地点付近のブナ林の紅葉
檜洞丸~蛭ヶ岳の中間地点付近のブナ林の紅葉

MAP&DATA

高低図
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最適日数:2泊3日
コースタイム:【1日目】4時間45分
【2日目】6時間50分
【3日目】2時間25分
行程:【1日目】
ヤビツ峠・・・護摩屋敷の水・・・二ノ塔・・・三ノ塔・・・烏尾山・・・政次郎ノ頭・・・新大日・・・木ノ又小屋・・・塔ノ岳
【2日目】
塔ノ岳・・・丹沢山・・・棚沢ノ頭・・・蛭ヶ岳・・・臼ヶ岳・・・金山谷乗越・・・檜洞丸
【3日目】
檜洞丸・・・石棚山稜分岐・・・展望園地・・・ゴーラ沢出合・・・西丹沢ビジターセンター
総歩行距離:約21,600m
累積標高差:上り 約2,434m  下り 約2,656m
コース定数:26
アドバイス:健脚なら1泊2日も可能。登山道、指導標など整備されているが、アップダウンが激しい尾根道が続くので、体調、天候に留意して計画を。檜洞丸からさらに縦走を続けて大室山にも登れば、さらに充実する。ただし、避難小屋は緊急時以外の宿泊不可、縦走路にはキャンプ指定地もない。
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プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

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