関西エリアの錦繍に染まる山々【紅葉コースガイド2025】

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関西エリアで圧倒的な紅葉が見られるのは、奈良県や三重県にまたがる吉野熊野国立公園に指定される大峰(おおみね)山脈や、台高(だいこう)山脈の山々だ。奥深い山岳地帯ではあるが、意外と手軽に楽しめるルートも多く、紅葉をゆっくりと楽しむのにぴったりだ。

文・写真=加藤芳樹

目次

ブナ林の紅葉を楽しみ、山頂では大峰山脈の大展望を味わう 稲村ヶ岳(いなむらがたけ)

奈良県/1726m
 10月中旬~11月中旬

稲村ヶ岳
台倉山(だいくらやま)の南西斜面を紅葉が彩る

大峰山脈では女人禁制の山上ヶ岳(さんじょうがたけ)から派生する支脈にあり、ラクダのような特異な姿から遠くからでも目立つ。本峰はラクダの背にあたる部分だが、本来は頭に当たる大日山(だいにちさん)が稲村ヶ岳と呼ばれた。

起終点は洞川(どろがわ)温泉なので、下山後に温泉で汗を流すことができる。温泉街を抜け、稲村ヶ岳登山口、あるいは母公堂から登り始める。しばらくは植林だが、法力(ほうりき)峠を越えると自然林となり、紅葉が楽しめるようになる。山上辻付からはブナ林となるので、紅葉の時期はカエデ類より少し早い。大日山の基部をトラバースして本峰に登る。展望は山上ヶ岳の姿が印象的だ。

稲村ヶ岳
緩やかに高度を上げる五代松新道(ごよまつしんどう)
稲村ヶ岳
北西の三ツ塚(みつづか)付近から見た稲村ヶ岳

MAP&DATA

稲村ヶ岳 MAP
高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 7時間20分
行程:洞川温泉・・・稲村ヶ岳登山口・・・母公堂・・・母公堂分岐・・・法力峠・・・山上辻・・・稲村ヶ岳・・・山上辻・・・法力峠・・・母公堂分岐・・・稲村ヶ岳登山口・・・洞川温泉
総歩行距離:約16,100m
累積標高差:上り 約1,515m 下り 約1,515m
コース定数:34
アドバイス:下山にレンゲ谷を利用することができるが、少し難度が上がるのと時間がかかるので公共交通機関利用の場合は往復の方が無難。日帰り温泉施設の洞川温泉ビジターセンターは、水曜休(祝日の場合翌日)。駐車場は洞川温泉ビジターセンターと母公堂にある。
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プロフィール

加藤芳樹(かとう・よしき)

関西の山に精通する編集者。現在は『岳人』の編集に携わる。著書に『県別登山ガイド 兵庫県の山』『関西周辺週末の山登りベストコース123』(山と溪谷社)など、編・共著多数。日本山岳会会員、環境省自然公園指導員。

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