筑波山の紅葉は見頃。週末は混雑に注意を【紅葉レポート】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

読者レポーターより登山レポをお届けします。筑波山(つくばさん)に毎週通っているという寺尾雄二さんによる紅葉レポート。

文・写真=寺尾雄二


木々の色付きが進む筑波山へ。自家用車は筑波山神社近くの駐車場を利用。駐車場への到着に合わせたように、降っていた雨はやみましたが、寒気の影響で北風が強く吹いていました。平日とこのような天候が重なったため、人が少なく筑波山神社も静かでした。

白雲橋(しらくもばし)コースを女体山(にょたいさん)に向け出発します。雨上がりの登山道ですが、うっそうとした木々のおかげで泥濘にはなっておらず、わずかに湿った程度でした。出発から1時間ほどで、弁慶(べんけい)茶屋跡のあずまやに到着。ここまでは杉林の薄暗い道が続きましたが、この先から山頂までの上部は広葉樹主体の森となり、明るい雰囲気に変わります。

筑波山 一部色付く木々とロープウェイ
一部色付く木々とロープウェイ
筑波山 国割石付近の木々
国割石付近の木々

あずまやからは、つつじヶ丘方面からの登山道が合流し、登山者の姿も見かけるようになります。

関東近辺の紅葉の山と言えば高尾山があまりにも有名ですが、ここ筑波山も、土日はハイカーが集中し、大混雑になります。高尾山と異なり、アプローチが路線バスか車になるため、収容数の多い駐車場もすべてが満車状態になり、周辺道路も渋滞が発生します。この時期の筑波山へは、平日に訪れることをおすすめします。

筑波山 北斗岩付近の掲示板
北斗岩付近の掲示板。混雑時にはハイカーで渋滞、山頂まで20分のコースタイムが80分の注意書き

国割石(くにわりいし)や北斗岩(ほくといわ)といった奇岩群を過ぎ、屏風岩を過ぎると山頂までは岩場の登山道になります。特に山頂直下は狭く、休日のハイカー渋滞はここを起点に発生します。

東屋から30分ほどで到着した女体山山頂からは雨上がりの景色が広がっていました。1000mにも満たない標高ですが、流れる雲を見下ろすと、低山らしからぬ雰囲気です。雨上がりならではの風景でしょうか。

女体山山頂は社(やしろ)をぐるっと回れるようになっていますが、この時期の混雑防止のため天の浮橋(あめのうきはし)を通る道が、通行止めとなっています。

登山道とロープウェイ山頂駅からの道が合流するため、休日の山頂部は大混雑となり状況次第では山頂へ向かう人を規制する警備員も配置されます。

筑波山 女体山頂から
女体山頂から
筑波山 天の浮橋は通行止め
天の浮橋は通行止め

女体山からは山頂連絡路を御幸ヶ原(みゆきがはら)へと向かいます。連絡路付近の木々はかなり色付きが進んでいました。

筑波山 山頂連絡路付近の木々
山頂連絡路付近の木々

20分ほどで到着する御幸ヶ原は、平日のため人は少ないようでした。ただ紅葉時期なので数軒連なる土産屋、飲食店はすべて営業中でした。

北側の方向を眺めると、雲もなくなり晴れ間ものぞいていましたが、筑波山付近はまだ薄雲に覆われたままです。色付いた木々も日差しを受けると、さらに映えるのですが・・・。

筑波山 御幸ヶ原付近にて
御幸ヶ原付近にて

御幸ヶ原からはもう一つの山頂の男体山を経由して、立身石(りっしんせき)に立ち寄りました。狭い岩ですが、ここからは西側の展望が開けます。

筑波山 立身石からの展望
立身石からの展望

立身石からはいったん御幸ヶ原に戻ります。1時間ほど前はまばらだった観光客が、ケーブルカーで上がってきて一気に増えているのにびっくりしました。観光客が多いせいでしょうか、ケーブルカーも臨時運転で増便中でした。

御幸ヶ原コースで筑波山神社へと下ります。このルートも上部は広葉樹で色づいた木々が見られます。

筑波山 女体山頂から
筑波山 天の浮橋は通行止め
御幸ヶ原付近の様子

途中のあずまやから下は杉林の単調な道となりますが、ケーブルカーの出発する宮脇駅周辺は最後の紅葉スポットです。ケーブルカーを利用する観光客が立ち止まり写真を撮る姿が目立ちます。

最後に筑波山神社に立ち寄り帰路に着きました。筑波山の紅葉は、まだしばらくの間、楽しめるかと思います。

筑波山 宮脇駅付近
宮脇駅付近
筑波山神社
筑波山神社

(山行日程=2024年11月18日)

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 4時間11分
行程:筑波山神社入口バス停・・・酒迎場・・・弁慶茶屋跡・・・女体山・・・御幸ヶ原・・・男体山・・・立身石・・・御幸ヶ原・・・男女川源流の湧水・・・中茶屋跡・・・宮脇駅・・・筑波山神社・・・筑波山神社入口バス停
総歩行距離:約7,100m
累積標高差:上り 約900m 下り 約900m
コース定数:19
寺尾雄二(読者レポーター)

寺尾雄二(読者レポーター)

埼玉県三郷市在住。定年退職後の現在、週1回のペースで筑波山に登っています。その他、春は残雪の北アルプス、秋は日本山岳耐久レース、元日の雲取山が年間のルーティンです。体力を維持しこれからも山を楽しみたいと思います。

この記事に登場する山

茨城県 / 八溝山・筑波山

筑波山 標高 877m

昔から富士山と並び称される東国の名山として知られ、万葉集に筑波山を詠んだ長歌・短歌が25首もあるのがそれを物語っている。 今は誰でも登れる行楽の山で、南面の筑波山神社の脇から出るケーブルカーと、東面のつつじガ丘からのロープウェイが、山頂近くまで昇っている。 登山道も四方から標高800mの御幸ヶ原(みゆきがはら)を目指しており、その中の3コースが首都圏自然歩道に認定されている。山麓の北条から筑波山神社に至るつくば道(神郡(かんごおり)街道)は「日本の道100選」に入っている。 山頂部は御幸ヶ原を挟んで男体山(870m)と女体山(876m)の双耳峰になっており、イザナギノミコトとイザナミノミコトを祭る筑波山神社の奥宮を置いている。男体山を一周する自然研究路では、筑波山で発見された貴重な植物や、ツクバの名を冠した珍しい草花を見つけることができる。

プロフィール

山と溪谷オンライン読者レポーター

全国の山と溪谷オンライン読者から選ばれた山好きのレポーター。各地の登山レポやギアレビューを紹介中。

山と溪谷オンライン読者レポート

山と溪谷オンライン読者による、全国各地の登山レポートや、登山道具レビュー。

編集部おすすめ記事