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すばやく濾過できる「プレス式」浄水ボトルを西表島の山でテスト! グレイル/UL.ウォーターピュリファイヤーボトル

高橋庄太郎の山MONO語り

今月のPICK UP GRAYL(グレイル)/UL.ウォーターピュリファイヤーボトル[GRAYL]

価格: 6,980円+税
容量: 473ml
容量: 309g

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※ブルーのボトルは7月入荷予定

日本の山の水環境の変化から、浄水器への意識は高まっている

日本の山には水場が多く、その大半は安全に飲める水だ。とくに役所の水質調査が入っている山小屋やキャンプ指定地の水は心おきなく利用できる。しかし近年は水場近くをトイレ代わりに使う人や、頭数の増加が著しいシカのフンなどで汚染された水場を見ることも珍しくはない。また、人間の肝臓を犯すエキノコックスという寄生虫の害の心配がある北海道では基本的には生水を飲むことはできない。そんなこともあって、最近は浄水器への意識がますます高まっているようだ。

山中で使う浄水器の最大のポイントは、「フィルター」である。汚染されている可能性がある水を、どのような方法でフィルターに通し、きれいな水にするか? その方法にはいくつかあるが、メジャーなのはポンプ式と吊り下げ式だ。前者は手動で高めたポンプ内の圧力でフィルターに水を誘導するシステムで、後者は高低差をつけた2つの水筒をチューブで連結し、そのあいだのフィルターへ重力によって水を流し込むシステムである。またボトル式もあり、飲み口の先には小型フィルターがつけられ、ボトル内の水を自分で吸い込むことによって浄水される仕組みだ。

今回、僕が沖縄県の西表島に持ち込んだのは、アメリカのグレイルというメーカーの「UL.ウォーターピュリファイヤーボトル」。これは2重になったボトルのあいだにフィルターを収めた浄水カートリッジを配したユニークなシステムで、「ボトル」という名称は入っているが、じつは「ポンプ式の亜種」ともいえる存在だ。僕は昨年の夏から使い始めていた製品だが、新色のブルーが登場するタイミングで、改めてテストを行なうことにした。

世界自然遺産登録を狙っている西表島では、人家の多くは海岸線近くにあり、内陸部の川が人間によって汚染されている可能性は少ない。だがイノシシが非常に多い土地柄だけあり、上流部では彼らが体を泥にこすりつけて寄生虫などを落とすヌタ場をよく見かける。そこから流れ出た水には糞尿も交じり込み、病原菌が含まれている恐れもある。

今回目指すのは島内第2の標高をもつテドウ山(標高441m)だ。登山口には川が流れており、早速ここで浄水器を使って飲料水を確保することもできるが、まずは歩き始める。途中の分岐からいったんピナイサーラという滝の上に立ち寄り、そこで飲料水を補給するつもりだった。

テドウ山で、浄水ボトルの仕様をチェック

UL.ウォーターピュリファイヤーボトルは、バックパックのサイドポケットへきれいに収まるサイズ感で、一見ではこれが浄水器だとは思えないルックスだ。ちょっと細長い容量1L弱の飲料水ボトルといったところだが、浄水カートリッジ部分などには水を収められないので、実際の容量はその半分程度の473mlとなる。

上部のフタの部分はループ状になっており、このような状態で持ち運ぶときは小型カラビナなどで固定すると紛失の心配が減るはずだ。

沢から尾根に取りつき、テドウ山とピナイサーラの滝との分岐点から、僕は滝の上のテラスへ向かった。ピナイサーラの滝は観光ポイントでもあり、ガイドに連れられたハイカーがよく訪れる場所だが、この時間帯は誰もいなかった。

天気はいまひとつで、かなりの強風。滝の上に出ると風がもろに水が落ちていく崖にぶつかっており、吹き上げられた滝の水で滝上の岩場は雨が降ったときのように濡れている。だが、雨自体は降っていないのが幸いだ。

ここで改めてUL.ウォーターピュリファイヤーボトルを取り出す。下の写真の1枚目はアウターボトル(下)からインナープレス(上)を引き抜いた状態だ。2枚目の写真はそこからさらに、インナープレスからフタと浄水カートリッジを取り外した様子である。

使用時に浄水カートリッジを取り外す必要はないのだが、今回は撮影のためにあえて分解してみている。

>>フィルター部分をもう少し詳しく…
料理・食料
教えてくれた人

高橋 庄太郎

宮城県仙台市出身。山岳・アウトドアライター。 山、海、川を旅し、山岳・アウトドア専門誌で執筆。特に好きなのは、ソロで行う長距離&長期間の山の縦走、海や川のカヤック・ツーリングなど。こだわりは「できるだけ日帰りではなく、一泊だけでもテントで眠る」。『山登りABC テント泊登山の基本』(山と溪谷社)、『トレッキング実践学 改訂版』(枻出版)ほか著書多数。

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