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すばやく濾過できる「プレス式」浄水ボトルを西表島の山でテスト! グレイル/UL.ウォーターピュリファイヤーボトル

高橋庄太郎の山MONO語り

浄水カートリッジ内のフィルターをもう少し詳しく見てみよう。左の写真は外側で、この縦長の隙間からアウターボトル内の汚れた水が内部に浸透していく。そして右の写真は内側で、この円筒状の部分からきれいになった水がインナープレス内部にしみ出して溜まるというわけだ。

このフィルターは300回(150L)の使用に耐え、買い直して交換可能。そのために、インナープレスから取り外せるのだ。

ピナイサーラの滝の上は渓谷になっており、このように岩棚のようになっている場所も広い。

僕はこの場所に何度か来たことがあるが、ここ数日は晴れが続いていたこともあり、水量はそれほど多くはないように感じた。水はおおむね澄んでいる一方で、思いのほか泥や腐った葉などの異物は含まれているようである。

さて、僕はアウターボトルに沢で汲んだ水を入れ、その内側にインナープレスの先端を差し込んだ。あとは上からインナープレスに手を添え、体重で圧力をかけながら押し込むだけである。ボトル全体がひとつのポンプとなっているとも言え、シンプルながら手間がかかからず、効果的な仕組みだ。

ここでひとつ白状しておこう。じつは上の写真はピナイサーラの滝の上で撮影したものではない。このときは三脚を忘れてしまい、わかりやすい写真を自撮りすることが難しかったため、前回に「バディ」をテストした桴海於茂登岳で別途撮影したものをこのカットのみ使っている。少々わかりにくいことになってしまったが、ご了承いただきたい。ちなみに今回はテドウ山と桴海於茂登岳だけではなく、計2週間にわたった離島の旅の間、この浄水器を使い続けており、各地でテストを行っていた。

以下の写真はインナープレスを押し込んでいったときの様子だ。ここから再びピナイサーラの滝の上でのカットとなる。 左がまだ圧力をかけていないときのもので、右は圧力をかけた結果、水が浄水カートリッジのフィルターから染み出してきたときのもの。本来は両手を使って押し込んだほうが安定し、浄水のスピードは速いのだが、ここでは内部が見えるようにあえて片手で押し込んでいる。

カタログ的なスペックでいえば、濾過水量は「473ml/15秒」。つまり、このボトル1本分をわずか15秒で浄水できる。ここから浄水された水を別の飲料水用1Lボトルに詰め替えるには、「15秒×2回+α」で1分もかからない。これはポンプ式や吊り下げ式の一般的な浄水器と比べると、圧倒的な早さだ。しかも大した手間がかからず、水を入れたままフタをすれば、飲料用ボトルとしても使えるのだ。

では、どれくらいきれいになったのだろうか? 

今回はテストということで、「浄水前の水」と「浄水後の水」をそれぞれペットボトルに移し替えて撮影しておいた。UL.ウォーターピュリファイヤーボトルのアウターボトルは着色され、インナープレスも半透明の素材なので、水の濁り具合がわからないからだ。

浄水前の水は、いくらかシルトが混じり、白っぽく薄濁りしていた(左の写真)。それが、浄水後は完全な透明に(右の写真)。見た目での汚れの除去は完璧といってよい。

とはいえ、病原菌や寄生虫の卵は視認できるものではなく、水は透明でも濾過しきれたとは判断しがたい。だが、ここは「公衆安全の分野で国際的に認められたNSFの規格に準拠した試験」を行なった結果、「ウィルスや細菌、エキノコックスなどの寄生虫を99.999%除去可能」というグレイル社の文言を信用するしかない。病原菌の有無までを個人でテストすることは不可能であり、この点はどのメーカーの浄水器でも同じだ。そんなわけで、今回は浄水機能自体よりも、使い勝手に視点を合わせたインプレッションだと思っていただきたい。

>>インナープレス式を支える丈夫なボディ構造
料理・食料
教えてくれた人

高橋 庄太郎

宮城県仙台市出身。山岳・アウトドアライター。 山、海、川を旅し、山岳・アウトドア専門誌で執筆。特に好きなのは、ソロで行う長距離&長期間の山の縦走、海や川のカヤック・ツーリングなど。こだわりは「できるだけ日帰りではなく、一泊だけでもテントで眠る」。『山登りABC テント泊登山の基本』(山と溪谷社)、『トレッキング実践学 改訂版』(枻出版)ほか著書多数。

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