GW~5月の時期に特にオススメ! 新緑と奇岩が楽しめる神奈川県・石老山へ

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低山フォトグラファーの渡邊明博さんに、季節に合わせた低山の魅力を伺う連載の第3回。今回は、低山の新緑がもっとも心地よい、ゴールデンウィークから5月中旬にかけてのベストポイントとして、新緑に加えて奇岩を楽しむことができる、首都圏からほど近い神奈川県の石老山(せきろうざん)をご紹介します。

石老山山頂からの天望。新緑の向こうに残雪の富士山が顔を出す

 

サクラの季節が終わると、次の楽しみはゴールデンウィークの新緑です。低山のベストシーズンに入り、萌えるグリーンが何とも言えません。

今回、紹介するのは、周遊コースで歩けて見どころが満載の石老山。 最寄り駅はJR中央本線の相模湖駅。降りると目の前に大きく見える山が石老山です。

相模湖駅前。奥に見える山が石老山

 

三ケ木行きのバスに乗り、約8分、石老山入口バス停で下車します。 車道を歩き、相模湖病院裏手からシャガの花が咲き乱れる登山道を進むと、次々と奇岩の大岩が現れます。それぞれに説明板が付いているので、読みながら歩くのも楽しいでしょう。

登山道上に、巨岩、奇岩、怪石が連続する(左、吉野岩/右、擁護岩)

 

やがて顕鏡寺が現れます。石老山にゆかりあるお寺で、蛇木杉や大イチョウの巨木が聳える古刹のパワースポットです。顕鏡寺を前後して、巨岩・奇岩が続きます。

山腹にある顕鏡寺境内には、見事な巨木の他、岩窟祠など見どころも多い

 

さらに進むとツツジが咲いている融合平見晴台で相模湖を眼下に望めます。

融合平見晴台から相模湖を見下ろす

 

山頂までは「新緑ストリート」が続き、辿り着いた石老山山頂は細長く広く、ベンチやテーブルがたくさん置かれているので、ランチタイムを楽しめます。

山頂は西側に展望がある。ベンチやテーブルが置かれ、いつも多くの登山者で賑わっている

 

天気に恵まれれば、大きな道標の先には富士山も見えるはず。 富士山と丹沢の展望を楽しんだら、山頂をあとに大明神山に下って行くと、大明神展望台に出ます。

大明神展望台も富士山や周辺の山の展望がよく、休憩スポットととしておすすめ

 

テラス調の展望台からは富士山をはじめ、景信山から陣馬山の稜線が一望できます。ここも捨てがたい休憩ポイントで、行程中の最後の展望を楽しめる場所です。 下山は、展望台から相模湖休暇村を通り、プレジャーフォレスト前バス停に出て、登山終了になります。

石老山は、展望あり、お花あり、パワースポットや、巨岩・奇岩など見どころが多く、人気があるのも「なるほど」と思え、山の素晴らしさを感じることでしょう。季節を変えて来たくなるに違いありません。

なお、冬期ならば、山頂や展望台からの富士山は一段と澄み渡って見えるうえ、関東最大級であるプレジャーフォレストのイルミネーションを見て帰るのこともできます。 石老山は、私のおすすめの山のひとつです。

冬期ならばプレジャーフォレストのイルミネーションに立ち寄ることもできる

 

登山地図中のコースタイムヤマタイムで登山計画を立てる。

 

 
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プロフィール

渡邉 明博

1957年、東京都生まれ。中学時代に写真を始め、1976年から商業カメラマンとして写真を仕事とする傍ら、「山上から富士山を撮る」をテーマに山岳写真家としても確立。「低山フォトグラファー」として中央線沿線の低山にくまなく通い四季折々の風景を撮影。のべ150日に渡る実踏取材を元に『高尾山と中央線沿線の山』(山と溪谷社)を2016年に上梓。白籏史朗賞日本山岳写真コンテスト入選ほか受賞歴多数。山岳写真ASA会長。(写真=水谷和政)

低山フォトグラファーの気ままな山歩き

冬場はもちろん、真夏であっても、低山には見どころがたくさんあります。 ガイドブック『高尾山と中央線沿線の山』の著者で、「低山フォトグラファー」の渡邉明博さんに、季節季節のおすすめ低山情報を聞きました。

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