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高柄山 ~低山なのに変化に富み、少しハードな味わい深い山~

低山フォトグラファーの気ままな山歩き
ガイド・記録 2019年06月17日

梅雨入りして雨降り空模様が多い時期、オススメの低山はどこだろう? 低山フォトグラファーの渡邉明博さんのオススメは、山梨県の高柄山(たかつかやま)。低山ながら、約6時間、たっぷり楽しめるハードな山、とのこと。

中央本線と桂川の南岸に沿った起伏ある山並みが続いている中で、顕著な山容をもたげているのが高柄山です。標高は733mと決して高くないのですが、アップダウンが連続し、樹林帯が多く、どちらかというと「地味な山」。しかし、ルートは変化に富んでいて、分岐も多く、ルートファインディングが必要なほどで、ハイカーを飽きさせることはないでしょう。行程も約6時間とそれなりの体力を要する低山ですが、味わい深い静かな山歩きを楽しめるでしょう。

スタートはJR中央本線の四方津駅。改札を出たら駅舎の左を線路沿いに進み、中央本線をくぐりT字路へ。左折して直進し、カーブミラーがある道標で右折して川合橋を渡ります。

相模川に架かる川合橋を渡り川合集落に入って行く


道なりに進み川合集落に入ると「川合地区案内板」の立つ三叉路に。ここを左に進みます。赤い鳥居の前を過ぎ、次の分岐も左。この後、3か所の三叉路全てを左の道に入って行きます。最後の左にはカーブミラーが2つ付いていて目印なるでしょう。

最奥の民家を過ぎると山道になり、鉄道ファンに人気のあるお立ち台に着きます。中央本線の上下線の鉄橋通過が一度に撮れる、鉄ちゃんのビューポイントです。

山あいを走る上下線の鉄橋通過を撮影できる、通称「お立ち台」


列車の通過を見てから進めば、登山口の川合峠に着きます。

ここから本格的な登山で、「クマ注意」の看板をあとに、まずは大丸を目指し、緩やかな尾根を登って行きます。植林帯から自然林に変わると樹間から上野原の街並みや眼下に千足の集落が見えるでしょう。

小ピークを越え、右側に林道が見えると展望も開け、「御座敷の松」に着きます。松の木が植樹されていて「その昔、武田信玄がこの地を訪れ休んだことが由来になっている」と案内板もあるので読んでみよう。

本格的な登山道の前に「クマに注意」の看板が/何の変哲もない松だが、由来を読めばなるほどと思う


さらに進むと右側に富士山が見え、林道に沿うようになると今度は倉岳山が望め、まもなく休憩所がある大地林道に飛び出ます。テーブルとベンチのほかに「登山者110番」の案内板もあります。

御座敷の松を過ぎると右手に富士山が見える/林道に出る直前にあるテーブルとベンチ


小休止したら林道を左に歩き、直ぐ先の登山道に入る。ひと登りすれば大丸の分岐に着きます。東から南の眺望が開け、高柄山も間近に望めます。空気が澄めばスカイツリーも見えるでしょう。

大丸からは高尾山稜線の向こうにスカイツリーが見える


大丸からは西へ進むと矢平山へ通じています。道標を確認して、東斜面を下り、一旦林道に出ます。斜め左に横切り、再び登山道に入るとロープのある急斜面を下り、道が鞍部になれば、千足峠に着きます。左を下れば、千足集落を経由して、四方津駅に戻れます。

道標を見送り、樹林の急登を登り詰めれば、今回の目的地である高柄山に到着です。

山頂からは、上野原市街、陣馬山から生藤山、三頭山へ連なる山並みが素晴らしい。今コース最大の展望なので、できればここでお弁当を広げたいところです。

緑溢れる高柄山山頂は北面の展望が素晴らしい。山座同定も楽しい


お昼を済ませたら、山頂を後に北尾根を進んで行きます。これからはアップダウンが多くなり、北東に進路を変え、急斜面の尾根道を辿るようになります。ロープ張られている急斜面を慎重にトラバースして、小ピークを2度ほど越えると平坦地へ。ここには「矢ノ目」という道標が置かれています。

さらにひと登りすると休憩舎の建つ、新矢ノ根峠に出ます。

避難小屋の様相が強い新矢野根峠のあづま屋


緑濃い広葉樹の中に建っていて、小休止に最適な場所です。コース看板が立っているので、現在地を確認しておきましょう。

案内図に従って進むと、登山道はゴルフ場のフェンス沿いから小沢沿いに変わります。小沢を渡って、緩急をつけながら小ピークを登ります。この登りが中々きついのですが、登り返すと御前山の分岐に出ます。

ここでバテているならば、御前山には登らず、右の鶴鉱泉への道を選んだ方が良いでしょう。

御前山手前で素晴らしい展望が開ける


御前山のピークへは左で、道は再び急登になり、高度を上げます。山頂手前で大きく展望が開け、歩いて来た稜線や、平地を挟んだ向かいに扇山などが見渡せます。ここも鉄道ファンにおすすめのビューポイントなのです。

御前山手前の展望ポイント。眼下に中央本線が眺められる


そしてここからひと踏ん張りで御前山に着く。四等三角点の置かれた山頂は、樹が伸びてしまって以前ほど展望は良くないが、辛うじて樹林の切れたところから、生藤山方面が見えるでしょう。

御前山のピークから東側の道を進むと岩稜帯の急斜面になります。滑落しないよう慎重に下ります。しばらくはフィックスロープを頼りに下り、やがて送電鉄塔下に出ると平らになり、ひと息つける。

御前山からはロープのある急坂が続く


鉄塔下を通って急な尾根道をひと下りすれば、墓地前の車道に飛び出ます。車道を右に、道なりに下って集落を抜け、お堂が現れたら左に進みます。

島田小学校横を通り、その先の県道35号に出たら左折。大きな桂川橋渡り、信号を左折すれば、ロータリーのある上野原駅に到着します。ホームからは、歩いてきた稜線が望め、きつかった山旅を回想できるでしょう。

 

高柄山 登山マップ

 

渡邉明博さん、待望の新刊発売!

本連載の著者、渡邉明博さんの渾身の一冊、『すばらしい富士に出逢える! 富士山絶景撮影登山ガイド』が6月17日に発売されます!

渡邊さんが徹底的に調査し、絶景の瞬間を予測。ダイヤモンド富士、パール富士だけじゃない、低山からとらえた富士山絶景で「こんな山でこんな富士山が見えるのか!」と、ページをめくるたびに圧倒されるに違いない。見て読んで楽しめる構成になっているので、ぜひ手に取って、山からの富士山絶景を、チェックしてください。

 

『すばらしい富士に出逢える! 富士山絶景撮影登山ガイド』

著者:渡邉明博
発売日:2019年06月17日
価格:本体価格1,800円(税別)
体裁:A5判224ページ
ISBNコード:9784635530699
詳細URL:http://www.yamakei.co.jp/products/2819530690.html

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教えてくれた人

渡邉 明博

1957年、東京都生まれ。中学時代に写真を始め、1976年から商業カメラマンとして写真を仕事とする傍ら、「山上から富士山を撮る」をテーマに山岳写真家としても確立。「低山フォトグラファー」として中央線沿線の低山にくまなく通い四季折々の風景を撮影。のべ150日に渡る実踏取材を元に『高尾山と中央線沿線の山』(山と溪谷社)を2016年に上梓。白籏史朗賞日本山岳写真コンテスト入選ほか受賞歴多数。山岳写真ASA会長。(写真=水谷和政)

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