多発するクマ出没や被害。世界的にも珍しい「クマが生息する首都」東京の最新状況を探ってみた
「TOKYOくまっぷ」を利用して安全登山を!
東京都内の多摩西部地域の市町村ではクマによる人身被害を防ぐため、放置果樹や人里と山の間にあるヤブの刈払いなどの取り組みを進めている。また東京都環境局は人身被害防止策の一環として、今年2月に「TOKYOくまっぷ」を公開した。これは、都内のツキノワグマの①目撃、②痕跡、③撮影、④捕獲情報を地図上にわかりやすく表示したものだ。
「TOKYOくまっぷ」では、目撃情報を赤(1カ月以内)、黄(3カ月以内)、青(3カ月以前)の3色で示しているので、情報の鮮度を一目で確認できる。また、情報の信頼度も(高・中・低)の3段階で表示されるため、直感的にリスクを把握できる。もし、自分の行きたい山域に高確度・赤の目撃情報があれば、特に注意が必要だ。
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そしてもし都内でツキノワグマを見かけたら、その地域の市町村やビジターセンター、東京都環境局多摩環境事務所自然環境課(TEL:042-521-2948)に情報を寄せると「TOKYOくまっぷ」に反映される。なお、人家周辺などで目撃したり、クマに襲われた場合などの緊急時は警察に連絡すること。東京都環境局多摩環境事務所自然環境課ではチラシやポスターを作成しており、以下からダウンロード可能だ。
登山者にできる一番大切なこととは
そしてもうひとつ、3市町村の担当者が登山者にお願いしたいこととして口をそろえて話してくれたのが、「食べ物やゴミを放置しないこと」である。クマが人間の食べ物の味を覚えると、人に近づくようになり危険が増す。行動食や昼ごはんなどで出たゴミは当然持ち帰る。またテント泊のときなども、食べた後の食器や缶詰、ビールの空き缶などをテントの外に置かないよう注意しよう。狭いテントの中では生ゴミを外に置きたくなるが、それがクマを誘引する原因になってしまう。
あらためてだが、東京都のクマ被害は、被害は深刻化しているとは言いがたいものの、リスクはある。安全に登山を楽しむためには、「TOKYOくまっぷ」で最新の目撃情報を確認したり、しっかりとした対策を取ることが重要だ。それと同時に、登山者ひとりひとりがルールを守り、「餌付けをしない、食べ物を放置しない」といったクマと適切な距離を保つ意識を持つことも忘れてはいけない。
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