最強寒波で筑波山にも積雪が。チェーンスパイクで日帰り登山
読者レポーターより登山レポをお届けします。寺尾雄二さんは雪の筑波山(つくばさん)へ。しばらくはチェーンスパイクが必携のようです。
文・写真=寺尾雄二
南岸低気圧が関東を通り過ぎた日曜日の翌日、筑波山へ。自家用車は筑波山神社近くの駐車場に停めて歩き始めます。麓から眺める筑波山は山頂付近の木々が白くなっていました。曇天の月曜日ですので、登山口となる筑波山神社も閑散としています。神社前には2月10日と11日に執り行なわれる「年越祭」の飾りつけがされていました。
いつもは神社を出発すると白雲橋(しらくもばし)コースを女体山(にょたいさん)方面に向かいますが、今日は御幸ヶ原(みゆきがはら)コースから登ります。ケーブルカーと平行するように登る道も、ほかに登山者の姿はなく静かな雰囲気です。途中、追い越していくケーブルカーを見かけましたが、乗車している人は数人でガラガラの様子でした。御幸ヶ原コースのケーブルカー中間地点でも、まだ雪は見かけません。
ただし、うっそうとした杉林の上からは、時折、氷片が落ちてきます。昨日の降雪が木々に付着し、日中の気温上昇で落ち始めたようです。さらに進み、男女川(みなのがわ)の水場あたりまでくると、雪片も交じるようになり、みぞれ交じりの雨天の中を歩いているような感じです。御幸ヶ原直下の木段あたりからは積雪の登山道になります。
雪上の道ですが、まだ踏み固められていないのと登りだったので持参したチェーンスパイクは装着せずに歩きます。登り着いた御幸ヶ原は雪原となっていました。積雪は5㎝くらいです。御幸ヶ原ではほかのハイカー、観光客の姿も散見されます。御幸ヶ原から山頂部は完全に雪山の状態です。
御幸ヶ原までの登山道はうっそうとした樹林帯に覆われるため、積もる雪は少ないのですが、御幸ヶ原から男体山(なんたいさん)までは、広葉樹主体の明るい道になるので、そのぶん、急に積雪が増したような状態です。登りついた男体山頂は、若干ガスっており、わずかにふもとの方が望める状態でした。
男体山頂からはチェーンアイゼンを装着し、自然研究路を経由して立身石(りっしんせき)に立ち寄って御幸ヶ原に戻ります。御幸ヶ原からは山頂連絡路を女体山に向かいます。
途中、望遠レンズのカメラを持った野鳥観察と思われるグループの方とすれ違いました。この時期は、山頂付近で野鳥観察をする方を多く見かけます。筑波山は冬に飛来する野鳥の観察ポイントのようです。
女体山直下の石段には雪がべったりと付いており、ロープウェーを利用して来た観光客の方はスリップに注意してこわごわと降りていきました。女体山山頂は完全にガスの中で展望はまったくありません。
相変わらずの曇り空でしたが、山頂部は風もなく、寒さは感じませんでした。帰りは白雲橋コースを筑波山神社方面に下ります。女体山直下の岩場ではスニーカーで下るハイカーのグループに遭遇しました。岩に雪が付いた登山道は滑りやすく、少なくともしっかりとしたトレッキング用の靴とチェーンスパイクは必要です。グループの方は、こわごわと歩いていましたが、万一スリップした場合には大ケガなどの事故にもつながります。白雲橋コースは広葉樹の明るい道ですので、登山道に雪も積もりやすく、弁慶茶屋付近までは雪上を歩く状態でした。
弁慶茶屋跡から下は樹林帯の中になるため、登山道の雪はほとんどなくなり、チェーンスパイクも外して歩きます。ただし、木々に付着した雪が解け、雫となって落下してくるので登りの時と同様、また雨の中を歩くような状況になりました。筑波山神社手前まで来ると、これから登ろうとするハイカーとすれ違いましたが、私がチェーンスパイクを手に持っているのに気が付くと「登山道に雪があるのですか?」とびっくりした様子で話しかけてきました。
下山後、振り返って眺めた筑波山は、日中の気温上昇で、白かった木々の雪も見えなくなっており、登山道に雪があるとは想像ができません。
今週はこの先、寒気に覆われる予報も出ており、明日以降は、踏み固められて残った雪が凍結するので、しばらくの間、筑波山登山にはチェーンスパイクは必携です。
この時期は、関東地方の平野部が雨天の場合でも、1000m近い筑波山の山頂部はしっかりと雪が積もり、完全な雪山となります。
(山行日程=2025年2月3日)
MAP&DATA

寺尾雄二(読者レポーター)
埼玉県三郷市在住。定年退職後の現在、週1回のペースで筑波山に登っています。その他、春は残雪の北アルプス、秋は日本山岳耐久レース、元日の雲取山が年間のルーティンです。体力を維持しこれからも山を楽しみたいと思います。
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