東京からも行きやすい島の山。伊豆大島・三原山で火山へ

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読者レポーターより登山レポをお届けします。なおさんは伊豆大島の三原山(みはらやま)へ。島ならではの絶景とグルメを堪能したそうです。

文・写真=なお


金曜夜に東京・竹芝(たけしば)を出発する船に乗り、伊豆大島へ。三原山に登りました。

金曜22時発の大型客船で竹芝を出発。船には展望デッキがあり、とてもきれいな東京の夜景が眺められました。

三原山
船からの夜景

翌朝6時に伊豆大島の岡田港に到着。船の到着に合わせて運行しているバスに乗り、三原山行きのバスが出る元町港へ移動しました。

早朝から開いている喫茶店でモーニングをしたり、お土産屋さんで荷物を預け、8時20分発のバスで三原山へ。

30分ほどで三原山頂口へ到着。近くにお土産屋さんがあり、行動食として伊豆大島名物の牛乳煎餅を購入しました。

三原山
とてもおいしくて、後ほどお土産用にも購入

伊豆大島では、船やバスの時間に合わせて早くからお店が開いているのがありがたいです。

登山道に入る手前に、三原山を眺められる展望所がありました。伊豆大島は島全体が活火山で、1986年には全島民が島外に避難する噴火が起きています。三原山はその島の中央に位置し、島民に「御神火様」と崇められてきたそうです。

三原山
三原山展望所

登山道は、山頂まできれいに舗装されています。

三原山
三原山の登山道

歩き始めてまもなく、溶岩によるユニークな風景が現われました。噴火により山頂の火口から流れ出たものだそう。一気に、火山にいるのだという実感が湧いてきます。

三原山
1777~78年の大噴火で形成された溶岩

このような避難用のシェルターもあります。

三原山
シェルター

30分ほど登っていくと、山頂に着きました。山頂周辺は爆風が吹き荒れており、時折歩いていられなくなるほどです。

すぐに三原神社の鳥居が現われます。ここから富士山が見えるようですが、この日は残念ながら霞んでおりまったく見られませんでした。

三原山
三原神社

周遊コースから火口西展望所に向かう道が延びていたので、向かってみます。

三原山
火口西展望所への道

火口の底までは見られませんが、道が舗装されているので、スニーカーでも気軽に来ることができます。

三原山
火口西展望所からの眺め

火口を見たあとは、周遊コースに戻り、お鉢巡りをしました。この辺りから、舗装されていない道になります。

三原山
周遊コース

海やほかの伊豆諸島を眺めながら歩けます。

三原山
うっすらと利島が見える

火口の西側に来ると、眼下に裏砂漠が現われました。

三原山
三原山から眺める裏砂漠

火口西展望所から30分ほどで、剣ヶ峰に到着。思った以上に間近から、火口の中を眺められます。

三原山
三原山から見る火口

山頂では色々なところで蒸気が吹き出ており、地球のエネルギーを感じます。

三原山
三原山

周遊コースの途中から、裏砂漠や大島温泉ホテルに向かう道を行きます。

三原山
大島温泉ホテル方面への分岐

分岐から25分ほどで、裏砂漠に到着しました。国土地理院が発行する地図に日本で唯一「砂漠」と表記される場所です。一般的な砂漠のイメージとは異なり、砂が黒いです。

三原山
裏砂漠

バス停がある、大島温泉ホテルへ向かいます。

三原山
裏砂漠から大島温泉ホテルに向かう道

最初は溶岩の景色が広がっていましたが、徐々に道端に草木が増えていき、最後のほうは緑のトンネルの中を歩きました。ここは「再生の一本道」と呼ばれ、噴火により黒一色だった地が、やがて草原となり、森になる過程が見られる道なのだそうです。

三原山
緑のトンネル

伊豆大島と言えばツバキ。ちょうどツバキの時期で、咲き誇っていました。

三原山
島のいたるところで咲いていたツバキ

登山開始から約2時間半、11時30分頃に大島温泉ホテルに到着しました。残念ながら日帰り温泉は13時からのため入れませんでしたが、売店で大島牛乳アイスをいただきました。

三原山
大島牛乳アイス

バスで元町港へ戻り、温泉でくつろいだり、おいしい海鮮や焼酎などの地元グルメを堪能しました。

三原山
夜は居酒屋「魚味幸」で乾杯

翌日は自転車で島を一周し、午後発の高速ジェット船で帰路に就きました。

伊豆大島は想像していたより東京から行きやすく、三原山も登りやすいのに見どころがたくさんあり、とても楽しい島登山でした。

(山行日程=2025年3月22日)

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム: 3時間8分
行程:三原山頂口・・・分岐・・・火口西展望所・・・ホルニト・・・剣ヶ峰・・・火口一周遊歩道北端・・・大島温泉ホテル
総歩行距離:約8,400m
累積標高差:上り 約383m 下り 約441m
コース定数:12
なお(読者レポーター)

なお(読者レポーター)

神奈川県藤沢市を拠点に、夏はアルプス、秋〜春は関東近郊や九州の山に夫婦で登っています。特に北アルプスと伊豆が好きです。

この記事に登場する山

東京都 / 伊豆諸島

三原山(伊豆大島) 標高 758m

伊豆七島最大の島、大島にある山で、活火山の山はこれまで何度も噴火を繰り返してきた。最も最近の1986年の大噴火では、噴き出した溶岩が集落の数百メートルまで迫り、全島避難となる規模となった。 現在、火山活動は収まっており、火口周辺は遊歩道が整備されて観光地として賑わっている。山頂付近からの眺望は大展望で、周辺の噴火跡、大海原、さらには富士山も見ることができる。

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